二畳庵庵主の戯れ言

一輪の桜に従い野に。ついに2015年、人生の第三ステージの場・高知に立つ。仁淀川に魅せられたオヤジの戯れ言日記。

移ろいゆく、

2013-02-02 16:32:27 | 徒然に想う

立春が4日、まだ春にならない今日、最高気温が17.5℃まで上がる。まるで4月の陽気。異常気象というのではないだろうが、いきなり。これで27日の梅は咲いたに違いない。朝の散歩も手袋を脱ぎ、ニット帽も手に握りしめ、しっかり汗ばむ。間違いなく、春の足音が聞こえてきた。

老犬ノアもその陽気に後押しされてか、小屋の外に出ていた。しゃがんでゆっくりとみてると、なにかいるぞと近付こうとするのだが、すぐに面倒になるのか止まってしまう。おかげでじっくり観察出来て…。餌のトレイを見れば、老犬用のドックフード? 特に水でふやかしたりしていない。食欲旺盛? 腰から後ろ脚にかけて随分やせてしまったが、胸板から前足が逆に力強く太くなった。目はハッキリ見えているのかどうか。急な動作に反応するが、鼻先にじっと手を差し伸べても焦点があっていない気がする。その場合、鼻をピクつかせ匂いで位置を測っているよう。耳はしっかり。わきを人が通り過ぎたとき、確実にその方向を追ってた。小屋にかかっていた寒さ対策の毛布、外されていた。

先日の朝会社に向かう途中、幸運にも早いうちに席に座ることができた。暖かさにまけ、居眠り。その時のこと、どうも夢をみた。タスマニアのジェラルディンの菜園で日長昼寝をしている夢。ハチの羽音、笑いカワセミの猿の遠吠えのような鳴き声。名前のわからない沢山の小鳥たち。そして、暖かくクローバーに包まれ気持ちいい(彼女の菜園にはそんなに囲まれるほどないんだが…)。誰かの漢詩だったか、春を詠ったもので「夢ならこの夢から覚めさせないでほしい」という叫びを思い出してしまう。

そう、老犬ノアの所を後にすると、すぐに例の寒桜の若い木三本が並ぶ場所。枝を一つ、寄せてみれば、蕾の先、色付いてる。もう、間もなく咲こうとしてる。先ほどの一節、マーラーの「大地の歌」だったかと思い調べてみた。見事に外れたが、こんな歌詞で終わっていた。

愛しき大地に春が来て、ここかしこに百花咲く
緑は木々を覆い尽くし 永遠にはるか彼方まで
青々と輝き渡らん
永遠に 永遠に……

冬から春への移ろいは実にいい。まるで朝の明けていく際の白の時間、青の時間、黄色の時間、赤の時間への遷移。永遠、ではないからこそかもしれぬ。

 

 

今日の一枚:寒桜の蕾、今朝8時頃。