超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

とんぬらさん 6巻/セレビィ量産型

2012-02-27 23:36:39 | 漫画(新作)





セレビィ量産型「とんぬらさん」6巻読了。




相変わらずニクいくらいに健在ですね(笑)。とんぬらさんの手の上で踊らされる人々。
今巻もめちゃめちゃ面白かったんですけど
この漫画って一見大人向けに思えて子供が読んでも大丈夫、っていうか
子供時代に読んでも楽しかっただろうな、って感じる。
それはとんぬらのキャラ性もそうだし
ちょっとエッチなシーンの挿入だったり、それでいて内容は協調性だったり家族の絆だったり
テーマに関してはこと普遍的なのもミソで、ひねくれてるようでいて実は真っ当に正しいお話だな、と。
今読んでても十分に面白くクスクス笑えますが
恐らくこれを幼少時とかに読んでたら結構色濃く残る感じの漫画になってたかも。
どんどん大人を誘惑するとんぬらさんに
誘惑されていく母と蟹江先生と担任、飾ちゃんの激怒するオチだったり、市乃と母の意外な繋がり等
今回も今回で小ネタ含めてどの話もテンポ良く読める
鉄板の新刊になってますね、って印象で。

その中でも異色だったのはひよこの話。こういう話も普通に描くんだ、と共に
これがあったから前述の子供でも~って想いが強まった節がある。
人間の傲慢さと非道さを隠さない、身も蓋もない描き方ではあるんですけど、だからこそ生命を大切に
またその生命自体にも感謝がしたいって思えるような・・・
この話を描いたのは正解だったと断言したい。
このお話こそ子供の時に読みたかったな。って思うくらい教訓とメッセージの込められた印象に残る話でした。
何かの犠牲の上に成り立ってる事を忘れちゃいかんって視点も入ってるような気のしたシリーズ。
単純なバカ話の中でこういう普遍的なお話もやれるのがこの漫画の強みでもあるかな。
動物が半分メインなので動物ネタでも違和感がないっていうね。

また、キャラクターもどんどん育ってて今存在感のないキャラが殆どいなくて
その点でも読んでて楽しかったのが感想の一つ。
蟹江先生も大分掘り下げられてきたし、っていうか骨抜きになってきたし(笑)。
メインの高校生グループがいてその弟や妹が通う小学校の描写もあるってのが何気に面白い。
何が面白いかって性格を比較したり、
それぞれの下の妹や弟の関係性が全然違うのが笑えるっていうか滑稽さなんかもあって。
でもなびきとその弟は真面目に性格そっくりで姉弟の繋がりや
後半の話で家族との繋がりを感じさせたり
そういう肉親同士を線で結ぶ描写の数々に微笑ましい気持ちになったりとユニークな作りにもなっててね。
取り敢えず市乃のまな板は母親の遺伝でした、って事で(笑)。
お母さんの高校時代のエピソードなんかも読んでみたいですね。とか色々想像出来て楽しい。
子供時代云々書きましたが、今の歳になると親と自分の似てる点を発見するのが上手くなるので
それ考えると今だからこそしみじみ楽しめる点も十分にありますね。
バランスが取れてて良い巻でした。




個人的になびきが好きなので彼女メインのお話も読みたいですね。
今回はアダルティな巻にもなってる気がする(笑)。
そしてひよこのお腹が鳴るシーンの擬音がくぎゅうだったり小ネタも冴えてますね。
でも一番気になったのは顔面ボールを食らった後の飾ちゃんのご尊顔でした。失礼だが可愛いなあ。
もうこの漫画、大好きですね。巻を増す毎に好きになっていくな。



パジャマな彼女。 第1話「どーゆー事だよ!!!」 感想

2012-02-27 05:05:51 | クロス・マネジ(WJ系)





濱田浩輔の新連載「パジャマな彼女。」について。




う~ん何度読んでも河下水希の漫画にしか見えないですね(笑)。
私WJのラブコメ作家なら河下水希が一番好きなのでこういうのどうしても反応しちゃうんですよね。
もう雪姫なんて正に河下ヒロインの生き写し、っていうか最早パロディのレベルで
ここまであからさまに意識してると逆におもろいですね。
音楽に例えると、
フィッシュマンズに対するボノボ、みたいな。結構分かりやすくないですか。そうでもないか。
まー何にせよ以前似てるって書いた「カウントラブル」(これもオススメ)以上に河下水希っぽい漫画で
そのオマージュっていうか再現っぷりに思わず感動してしまいました。
ある種の世代交代感覚もあったりするんですけど
まだ強烈なジュヴナイルとかを感じさせる領域までには至ってないかな。
とはいえ、個人的に河下女史の大ファンとしては見逃せない新連載ではあるな。
何気に見守りつつ、密かに応援もしつつ。二番煎じと言えば二番煎じですけど、
ある意味フォロワーが出るって言うのも新鮮ですよね。
ここまでクリソツですとね。

お話に関して言えば、単純に幼馴染vs憧れのヒロイン的な構図で、それに加えて幽霊設定もありと
一話目から随分飛ばしてる印象で退屈はせずに済んだ印象の一話目でした。
予告の段階では断然雪姫の方が可愛いかな、って思ったけど
普通にまくらもまくらで可愛い。
最初から駆け引きっぽい描写を混ぜたりと、案外ラブコメにはこなれてるっぽい。
ああそういえばデビュー作も恋愛漫画だった事を思い出した。
んで収録単行本のおまけページを今読み返して見ると
「これが好評だったらまた恋愛もの描きたい」的な記述も見られるので
割と念願と言えば念願のラブコメ連載だったのかなあ、って思います。
改めて絵、上手くなってるね。
後は単なるフォロワーに留まらない展開を作り出せるかどうか。こと幼馴染描写に関して言えば
女史にはない属性と言えば属性なので過度な心配は要らないかな。
サービス描写もデビュー作から何気に入ってるし
編集部主導っていうよりは本人の素なのも間違いないでしょうね。その辺も是非是非期待です!

それにしても背景描写が実に素晴らしいな。
夏の蒸し暑さの表現、
一面のひまわり畑の幻想感覚、
シーンを見てるだけで世界観に入り込めるのは流石。
この調子でジュヴナイル・ラブコメの良さを継承していってもらえたら嬉しい。
それが河下さんやこの漫画のジャンルだと思ってるので。




◆オマケ

ニセコイ 第15話「ライバル」

まあ、絶対に女でしょうね(笑)。
しかしまあベタながら嫉妬描写の面白い事面白い事。
最後は堂々と恋人宣言、傍から聴いてりゃ「ん!?」ってなっちゃうよね(笑)。
千棘はデレた時の描写が凄く可愛いので来週以降も期待だなー。



アクエリオンEVOL  第9話「男と女のアナグラム」 感想

2012-02-27 02:37:40 | アニメ






想いの貫通。





これまたシンプルなようでいて深い話やねえ・・・。
要するに穴=心の傷、空白って事でそこを掘られるのをずっと嫌がってたけど
それは単純に逃げていることに他ならない、と。
勿論拒否し続ける事も一つの道だけど
相手を信じて受け入れるのも一つの道って事ですよね。考えれば考えるほど面白いんですけど
まあ考えすぎても仕方がないのでこの辺にしときますが改めて玄人向きでもあるアニメだなあ、と(笑)。
片方は掘りたがって
片方は拒否して。
でもどちらかが折れることも重要で、折れなければその先の道もないですから。
男性不信になったきっかけはベタと言えばベタですけど
確かに男性不信のまま生きてれば不幸になるとは思うからね。そこを掘る男役としては彼が適役だった。
っていうか先週も思いましたけどよくこんなメタファー考えるもんですね。
インパクト勝負のアニメだからこそ、
インパクトだけじゃない工夫もちゃんと仕込む、と。
ことエンタメ性に関しては真面目に優れてる作品なんだなあって感じましたね。
単純に観て笑うのもいいけれど、よくよく考えても面白いっていうね。

人間どうしても触れて欲しくない部分=掘って欲しくない部分があって
そこに触れられると途端にサッと交わす事だけを考えるけど
それもまた悪い事だとは言えないけれど
時にはちゃんと向き合って、受け入れる努力もまた必要なんですよね。話を聞く姿勢も大事で。
最初から目を瞑ってちゃ何も見えないし
最初から耳を塞いでれば何も聴こえない。
要するに一種の意識改革ってお話でもあるんじゃないかなあ、と。
頑なに拒む事だけを考えるのではなく
相手の掘りに対して真剣に向き合ったり考えたり付き合ったりすることも重要だと。
アンディはまたもや犠牲により合体出来なかったけど(笑)。
でもアンディのMIXを想う気持ちは伝わったんじゃないかと。これこそ正に雪解け合体?
いやいやそれはこれからじっくり掛けて解いていくものなんでしょうね。
取り敢えずは受け入れ態勢が整った時点で上出来ではあるかな。
いつかマジに合体出来る日も期待してますよ!


ま、下ネタだからあんまり話したくはないんですけど
実直に男が掘って女が埋めるって事でアレの比喩的な意味合いも混じってるんでしょうな。
だとすると真面目に何考えてたんだと思わざるを得ないですけど(笑)。
まあ実にアクエリオンらしい話でもありますわな。
この形容先週も使いましたけど
それはらしさを保ててる証拠でもありますよね。そんなアクエリオンが大好きです!って〆で。





そうそう、いよいよゼシカちゃんが逆に嫉妬し始めましたね~。
なんか急にゼシカ派になってしまったので
微妙に逆転劇も期待してたり。そんなライバルのミコノも能力が判明して良かったですね。
次週は転校生話って事でまた刺激的なお話になりそうですな。楽しみです。




輪廻のラグランジェ 第8話「鴨川ロリータ」 感想

2012-02-26 22:59:37 | アニメ





伝染。





まどかの顔つきが変わってる気がする。先週の一件以降成長したのか、
非常に冷静で、でもある意味彼女らしい判断で。そもそもまどかは地元を守りたいからウォクスに乗った訳で
決して好奇心とか自分がやらなきゃ的なものではなかったんですよね。
それでいて伝説の話も聞いてしまったので
暴走するでもなく
自分の意思できちんと受け止めて。先週ムギナミと一緒にお風呂に入ってる時に一瞬母みたいな表情になって
それが今週も地続きで展開された印象なので、彼女自身どんどん大人になって来てるのかも。
少なくともリーダーとしての素質は十二分に感じましたね。
ただ単に自分の意思を突っ切るのではなく
時には相手の意見も受け入れて・・・ってこう考えると早速成長を見せてくれたとも言えるよね。
それがある種寂しい事なのかもしれないけど、まあまだ中盤だし絶対に乗らないって訳でもないからね。
取り敢えずここはまどかのリーダーシップを感じさせる回だったんでしょうな。
だから説明回でもある程度の見応えは感じました。

同時に、やっぱこの3人のトリオはいいですわ(笑)。
引っ張ってくまどかと、いじられ役のランと、小悪魔的なムギナミで良いバランスになってる。
特に冒頭みんなで訓練してる時の百合っぽさはたまらないですねえ。
その後の一緒に就寝とか
3人で寄せ合って、抱き締め合って絆を確認した最後とか、良い具合に百合モード入ってますね。
女の子中心だと熱さに欠けるって思ってたけど、案外そんな事もなく
今のところはメリットが目立ってる印象ですね。
ムギナミとの衝突があったお陰で、3人の関係性が仮面ではなく本音で話せる事になったのは大きい。
そう考えるとあの衝突も衝突できっちり意味のある事だったんだな~って実直に思えます。
今思えば2話のまどかの葛藤云々も
3話の最後のセリフに繋がってた節はありますし
現在は不可解でも後々に意味が分かるような脚本になってる、またなってくのかな、と。
って個人的には感じたんですが、その観点だとこれからのお話を観るのも楽しみだな。
きっと今意味がよく分からなくても後々に繋がってくんだろう、って思うし。


さて、色々謎も明かされて来ましたがやはりモイドは内通者だったんですか。
あの描き方ならそうだわなって気はするけど
元々全員地球人で
2万年前の争いの果てに散り散りになった、という事実も判明
要するに今更地球の相続権を巡ってまたちょっかい掛けて来たって事でいいのかな。
ただヴィラジュリオに関して言えばもっと別の目的、
例えばウォクスを全部滅ぼさんとする目的だったりするかもですけど
この水面下の設定が語られる事によって
物語に深みが増すのは明白で
これからを観るのが益々楽しみになってきたっていうのは今週観てて大きく感じた事の一つ。
輪廻が開いた、っていうのが破滅に繋がる行為なのか
輪廻を開かせることによって何かを起こそうと企んでるのか、
全部の謎が明かされた訳ではないんですけど
取り敢えず彼らの目的の端々は微妙に掴めた気はしますね。本格的に明らかになる後半も楽しみだなー。

で、サービスシーンに関しても語りましょうか。
猪突猛進型のまどかですけど
意外とウブね?、と(笑)。
一見普通に見えて何気にボリュームあったりしますからね。着やせタイプっていうのか
だからあのスーツに着替えた時の横乳を眺めるのも楽しみだったんだけどな。
まあそれはそれとして、おしりタッチもあったし
みんなを引っ張る役割の主人公の割には身体張ってくれてるなって印象、恥らう表情もまたいいよねえ。
ランに関して言えば、「わん!」は単純に騙されてたって事なんですね。
いやいや自分だけしか言ってない時点で気付こうよ!って感じなんですけど
その天然っぷりが彼女のいいとこでもあるんでしょうな。
個人的には嫌いじゃないぜ。
むしろ好き(笑)。ムギナミの「かしこまり~」も普通に可愛いし、ただロリータは意外と大人だったけどね。
それよりも捕らえられたアレイのメイド姿のがグッと来たり。女装少年も完備とは恐れ入るなあ。
こういう設定を語る回だからこそ、ああいうお遊びも必要だよね、って事で。





次回タイトルに「勝浦」が入ってて感動(笑)。
勝浦はたまに行きますけどいい町ですよ。
勝浦タンタンメン美味しいしね。駅の近くからすぐに泳ぎに行けるんだぜっ。数年前に一人で泳いだ思い出が。



THE OCRACY/BACK DROP BOMB

2012-02-26 17:53:42 | 音楽





BACK DROP BOMBのニュー・アルバム「THE OCRACY」を聴いた。





良い意味でシンプルになってますね。
作品を重ねていく内にどんどん複雑になっていた感覚も少なからずあったんですが
このアルバムはそこから一回脱却してシンプルに楽曲の良さを突き詰めた感じ
だから斜め上を行く曲も入ってないんですが
ただベストも出たしバンド的にも重鎮の域に入って来てたので
ここらでもう一度BDBの格好良さをアピールするには絶好の作品にはなってるんじゃないですかね。
どの楽曲も狙いが分かりやすくて複雑に絡まった印象もないので
こと即効性に関して言えばベストなアルバムなんじゃないかと。
またジャンルレスっぷりも半端なくて
以前以上にボーダーレスな感覚のある音作りと派手に決めたサウンドは実直に進化を感じさせていい
健在を証明する作品であると共に、トレンドにも合わせた作品にもなっている所が更にナイスですね。
今のBDBのポテンシャルを十分に出し切った傑作だと思います。
これ聴くと十代の頃の感覚が蘇って来ますね。過去の傑作と比べても聴き劣りしないのでは。

BDBはその新鮮なサウンドやジャンルレスな幅広さが魅力だと思われてる
或いは単純に快楽で気持ち良くなる音楽だと認知されてる節がありますが
個人的に最も好きなのってメロディなんですよね。
メロがどの曲も新鮮でぐっと来ると思うんです。
それはぶっきらぼうな出だしとか豪快な部分の中で繊細できれいなメロディが響くギャップっていうか
「PROGRESS」とか「THE SOUND DISTILLATION」とか正にそうですよね。
ワイルドに始まってるんだけど、
サビのメロディは至極丁寧に歌われてるって言う
そのセンスこそ個人的にBDB最大の武器だと思うのでいかんなく発揮されてるのは嬉しかったし
その上で「CRUCIAL DANCE」みたいな新機軸があるのも嬉しかったですよね。
「NOISE KILLS」とか分かりやすく攻め!みたいなナンバーも久々な気がするし、
BACK DROP BOMBに夢中になってた高校生の時の記憶を呼び戻してくれるには十分の作品でした。
そう考えると前作は前作で過渡期の作品だったのかな?
あれは呼び戻すってよりは
進化が極まった感じだったので、ここに来てまたゼロに戻るって方向性は正解かもしれません。
その上で今っぽくもブラッシュアップされてますしね。
正直ここまでシンプルになってたのは意外でしたが
その分彼らの地力はきっちり伝わる、パワーのあるアルバムにはなってるかな、と。
即効性の強い作品ですが聴き込んでみても新たな発見があるかもしれません。
って事でしばらくはこの作品を聴いて踊る日々が続きそうですね(笑)。在日ファンクとのコラボも良かった!





気が付けば4年ぶりのアルバムなんですよね。
その間にはベストも出たけど
本当久々に聴いて真面目に格好良いと思えたニュー・アルバム
最早ジャンル=BDBとまで言えるフリーダムさと記名性はニクいほどに健在な新譜でした!やっぱいいわ。
個人的には「CRUCIAL DANCE」が特にオススメです。女性ボーカルとの相性もいいんだな。