超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 1巻/谷川ニコ

2012-02-11 17:04:49 | 漫画(新作)






谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」1巻読了。





いや・・・確実にお前のせいだろ(笑)。
久しぶりにいたたまれない漫画を読んだ。所謂ペーソスを笑いに変える漫画なんですけど
本当に主人公の女が可愛くない。根暗で下品で気持ち悪くて自分勝手で自信過剰でいつもぼっちで
本当に無価値って言葉がふさわしいような完全なる路傍の石なんですよ。
ただ、これ、どっかで見た事あるなー・・・って思ってたら
なんと読んでる自分にそっくり!!(爆笑)。
共感出来る人は、
それこそ劇薬のように共感出来るんじゃないですかねえ。なんせ主人公が真面目にキモいので
描かれてる内容も題材もいちいち説得力があって頷く回数が半端じゃない。
ダメ人間のお手本のような作品なんですけど
そのダメっぷりが振り切れてるから苛立ちはなく、むしろ笑えるし、愛着もいつの間にか沸いている。
最低限の可愛さは残されてますけど、あくまで最低限であって正直巷の美少女キャラと比べると確実に
「・・・」な存在ですからね。ここまで酷い主人公は久々ですねホント。

ただ、この漫画の一番凄いところはそこまで最低な主人公を用意しておきながら
全く不快感のないままスラスラ最後まで読めるって言う
脅威のバランス感覚の良さ。
卑屈だったり挙動不審だったりする部分が上手く笑いに変換されてるし他人に迷惑を掛けてる訳でもないので
愛すべきバカっていうか、特に何の引っかかりもなく笑い飛ばせてしまうその気持ち良さ。
非リア充ならば絶対に共感すること間違いなしのネタの数々
その羅列を眺めるだけでもニヤニヤしてしまう作品!
思いっきり笑った回数は数知れず、
鉄板のギャグ作品って印象で文句なくオススメでき・・・いや、リア充にはオススメ出来ないか?(笑)。
何にせよ凄い作品が出てきましたね!って印象です。願わくばこの勢いのまま突っ走って欲しいですね。
でも、そんな智子も色々な意味で哀れだけど憎めない存在でもあるよね。
確かに時折ちょっと可愛いって思う時もあるけど
基本は確実に残念な女だな(笑)。
神聖かまってちゃんとか好きな人は是非読んで共感しまくれば良いと思います。早くも2刷になるのも納得です。





いやーしかし本当に好きだなこの漫画。最低だけど最高って感覚も久方ぶりな気がする。



妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス) 第5話「春の蜻蛉」 感想

2012-02-11 03:24:07 | アニメ





お互いを思いやる気持ち・・・それが愛。




観る度に凛々蝶の高感度が上がっていく不思議。
確かに何も告げなかったのは不用意ではあるものの
裏を返せば心配させたくなかった、とも取れる訳で。何でも話して欲しいっていうのも本心だろうけど
たまには心配をかけたくない時だってあるのだ。そんな二人の距離感がとっても心地良かった回
丁寧に便箋を選んだり、一方で彼を想って一人物思いに耽ったり、すっかりご心酔のようで。
物心付いたときから誰からも必要とされてなかっただけに
打算や下心抜きで自分を見てくれる人間(半妖だけど)は彼が初めてだったんですよね。
だからこそ、大切にしたい、自分なりに想いを伝えたい・・・そんな彼女の心境が逐一伝わって来て
なんともニヤニヤせずにはいられない回でした。
そんな凛々蝶の彼を見つめる瞳があまりにも可愛すぎて昇天レベルで。
普通に良い子な分、真っ直ぐに観れるのが利点ですよね。色々な意味で。
献身的なのも、気遣いが過ぎるのも、実は二人とも一緒なんだってのがよく伝わってきた良回だったと思います。

一方で凄まじいギャグ回でもありましたね(笑)。
いやはや何がSとかMとか、正直途中からこじつけレベルになってたけど。
ワンダーラストって事実も含めて
きっとその場の雰囲気で生きてるような自由人なんでしょうね。
その様子は観てる分には面白いけど
やっぱりずっと付き合うとしたら蜻蛉ではなく双熾なんだろうな。
ちゃんと自分を見てくれる、単なる寂しい気持ちの埋め合わせではなく、心から好きだと言ってくれるような。
そんな関係は観てて実直に素敵だなって思えるけど、これで終わりじゃなく波乱も後々に待ってそうでもある。
ただ、そんな展開になったとしても徐々に絆を育んでいる二人ならって思えるのも事実。
どんどん素直になってく凛々蝶さまの様子と共に注目ですよね。その辺は。

個人的に反ノ塚のうどんが2回も凍ってたのに爆笑したんですけど(笑
さり気に雪女の行動が迷惑になってるのに笑った。
しかもEDまでSとMに分ける徹底っぷり。
こういうの最近結構流行ってるよね。
それでなくとも歌詞自体が狂ってるから色々と圧倒されつつ観てましたね。そんな勢いに感心すると同時に
どのキャラもきちんと個性的でフックがあるのが何気に面白いところだよなあ、とも。
次回は卍里とカルタの堀下げって事でサブキャラの活躍にも期待ですね。





ちなみに私はSかもしれません・・・本当は邪道って言いたいけど(笑)。




THE NOVEMBERS「Misstopia」全曲レビューその11「tu m'」

2012-02-11 00:39:35 | THE NOVEMBERS 全曲レビュー





THE NOVEMBERS「Misstopia」全曲レビューその11「tu m'」です。通算24曲目です。





11.tu m'




この曲は他の楽曲と比べるとボーカルもはっきりと聴こえないし、バンドサウンドでもないしで
割と異色の楽曲と言うイメージなんですけど
今回改めて単体で聴いてみたら、意外とこれだけでも十分聴けるなって印象もあって。
アルバムの締めにはふさわしいけど、単体で聴くようなキャッチーさはないんじゃないかって
そんな風な感触もあったんですけど、この時期にも合うしまるで雪がシンシンと降るように綺麗な曲だなって。
敢えてぼかしてるボーカルも儚さの要素を助長していて逆に面白いんじゃないかと。
勿論アルバムの最後の曲としては聴き直す前から最高だと思っている一曲で。



【どんな風に泳げるかがわからないから すぐに溺れてしまう】

実際に試してみないと自分がどういう人間でどういうことが出来るのか、なんてのは
正直分からない訳で、
だからこそすぐに迷って混乱して失敗して
人生なんてその繰り返しであって。
これでいいんだ、って
そんな事を考えながら生きてても
その実もっと自分にとって向いてる生き方が他にあるかもしれない、
それを見つけてられないだけかもしれない。
こう考えると
今自分がやってる事すら無駄に思えてきて困るんだけど
結局はその中で必死に泳いでいくしかないっていう。
それをどうやって判断するかと言えば、


【心で?】

【心で】

心があるかないか、の違い。
心を遣えてるか、心で生きれてるか、心から素晴らしいと思えるかどうか。
言葉よりも心を持って動くということが大事と言う一つの考え。
ノベンバーズの歌詞に良く出てくる少しでも良い景色を
昨日よりも少しだけ良い日常を。
自分の心を殺すな
幸せを捨てるな、っていうメッセージはこの曲でも確かに息づいていて、その表現に心が少し軽くなる。
言葉と心が離れないように、心が言葉から離れないように。その作業こそ
生きてく上で最も大事な事柄の一つなのかもなあ、と。
なんとなく、そう思える
これまた真摯だと感じる一曲です。
一度だけライブで聴いた時も、想像以上に丁寧に演奏していた記憶がありますね。




改めて「Misstopia」の楽曲を一曲一曲レビューしていて、
これは名盤だって思いは更に強まりました。
読んでくれた方には感謝
この作品を作ってくれたメンバーにも感謝です。そして、次は「paraphilia」の全曲レビューに続きます。
もし興味がおありでしたらまたその時に再会出来れば幸いです。それでは、〆。