超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

輪廻のラグランジェ 第6話「風と火と水と鴨川と」 感想

2012-02-12 22:55:15 | アニメ





衝突。





ムギナミさんは裏切られても突き放されても、本気の攻撃を受けても
それでも尚ヴィラジュリオの事を庇い続ける訳で、当然そこには深い想いがあるんだろうけど
その辺は次回予告観てると確実に語られそうで安心です。
それよりも重要なのは
まどかの本気の挫折?衝突。ぶつかり合い。それによる謎の現象とモイドの高笑い。
気になる要素は多々出て来ましたけど、全てはヴィラジュリオの手のひらの上で踊らされてる感覚、
彼の狙い通りになってしまったのは否めないですね。今回はしてやられたり、って感じですか。
それでいてその衝突の内容もこれまたコメントがし辛いのも流石ですねえ。
一方を完全な悪者にしない作りは、
テーマにしろキャラにしろ徹底されてる気がします。だからこそ本気で胸が痛むんですよねえ。
ムギナミもまどかも真面目に、決して間違ってなんかいないって思いますからね。それぞれに事情がある。

誰かを助けたり、救おうとする気持ちの裏には自分自身のカタルシスの為って
それもまた正論と言えば正論だと思いますからね。
そこは間違ってないと思うけど
ありがた迷惑だったとはいえ、そんなムギナミを想ってはりきって突貫したまどかの勇気も本物で。
それもまた足蹴にされてはいけない想いなんだと思いますけど、二人とも平行線で答えなんて出ないですよね。
そんな中でまどかの怒りが爆発してああいう事態になった訳だけど
今まで良かれと思ってやってきた事を否定されちゃ
そりゃそういう気分にもなるよなあ。
人助けっていうのはある種まどかにとってのアイデンティティでもあるので、その辺にどう落とし前を付けるのか。
今までずっと明るい路線だったけど、ここいらでシリアスなテーマ性なんかも浮き彫りになりそうで楽しみです。
本当にEDのように三人足踏み合わせて歩ける時がくればいいのにね。中々難しいな。
ただ、衝突は衝突である種必要な事でもあると思いますけど。こと友人関係に於いては。気持ちの確認がね。


一方で、ストーリーとは関係ない部分で小ネタも散りばめられたのがまたナイスですね。
鴨川エナジーが実は強烈な味の栄養剤だったとか、
今週初めて明かされた事実で(笑
いや、単純に地球の飲み物だからなのかな?何にせよまどかが物凄いタフって事は証明されたような。
後はようこ姉さんのコンビの片方の露骨な反応・・・間接キッスにドキドキですか。
箸捨てたときに残念そうな顔したけれど、まさか舐めるつもりだったの?思春期男子かよ(笑)。
そんな小ネタに笑わされつつも、
ロボ戦に関しては迫力満点で面白かったですね。
まどかとランも案外良いコンビネーション発揮してて途中までのカタルシスは非常に高かったです。
それ以上に、横乳とかにどうしても目が行ってしまうのは男の性ってヤツなんでしょうか?
ランはランで、こぶりだけどしっかり存在感が・・・
って何言ってんだか(笑)。
まどかさんは当然のごとくゴチでした!って印象で堪らなかったですばい。
ムギナミさんも初出動ながら中々の動きで楽しませてくれましたね。そんな観点でも面白かった回、
30分が異様に早く感じてしまいました。
次回もお色気シーンには事欠かないのとムギナミの過去も明かされるので
とっても楽しみで待ちきれないですね!ようこの「何が楽しいんだか」・・・ってセリフも印象的でした。





まどかの性格ですから、ウジウジ悩むことはないだろうと思いつつ
どう和解するのかは密かに気になる。
同時に、最後は椅子が三つとも倒れていて、それもまた今の状況を示唆してるんでしょうね。
思春期成分たっぷりで来週も楽しませてくれそうだ。まるっ!




NICO Touches the Walls「HUMANIA」全曲レビューその5「極東ID」

2012-02-12 14:09:01 | 音楽(全曲レビュー)





NICO Touches the Walls「HUMANIA」全曲レビューその5「極東ID」です。





5.極東ID




この曲はロックバンドではなく昭和の歌謡曲に憧れたいちシンガーとして鳴らしてる気がしますね。
更に言うとそこに桑田さんのエッセンスも盛り込んでるのが何気に凄い部分なんですけど
最終的には光村っぽく終わる、っていうそのサジ加減も面白い楽曲で
オマージュとリスペクト、そして彼らしいぶっきらぼうな部分が合わさった秀逸な一曲だと感じる曲で。
アレンジもホーン等を取り入れたりしてジャズっぽくもある豪華な仕上がり
こういう曲もこなせるようになった、っていうのは本当に大きく
また光村ボーカルに合ってるとも思えるので
二重三重の意味で収穫のある非常に興味深く、また単純に気分が高揚する一曲にもなってるかと思います。

このアルバムを聴けばNICOの利点がすぐ分かると思うんですけど
若々しいギターロックも出来れば、打ち込みのダンスナンバーもこなせ歌謡曲もポップスもイケて
その全てが振り切れた出来って言うのが何よりの素晴らしい武器なんじゃないか、
そう確信出来たきっかけのナンバーでもありますね。この曲は。
光村龍哉のボーカルの芯が異様に強いので、その所為でどんな曲を歌っても声がブレないっていう
ボーカリストとしての才能も大いに感じられるアルバムなんじゃないかと。

この曲は詞も秀逸なのでどこを取り上げるか迷うのですが。




【その他大勢ってIDなんてない】

「SURVIVE」でも「万年バックじゃ永遠は辛い」って歌詞がありましたけど
要はこういうことですよね。埋もれるのが嫌だから、
他人と同じになるのが嫌だから
なんとか自分だけのものを見つけようと、探そうと努力する。その試行錯誤の繰り返し。
自分があるようで傍から見れば単なるそこら辺の石と変わんない、
特に気にされることもないような、っていう
そんな状態で生き続ける苦痛と、それに対するアジテーションが歌われている一曲。
現状を受け入れるのも大切だけど、
結局は受け入れてるだけじゃ何もしてないのと一緒ですし
散々何かに挑戦した後で「これでいいや」って思うのと
何もしてない今で「これでいいや」って思うのとじゃ全然別モノじゃないですか?
やんないのに後悔するのが一番最悪ですよね、って話で。


【人間バンピーかヤンキーって嘘だぜお嬢ちゃん オトナはそんなことドラマにするけど
 このオイラを忘れちゃいけないぜ 忘れちゃいけないぜ】

物語の主人公になるのはいつだって情熱溢れる真面目くんや
不良状態から這い上がる更正くんばっかだけど
現実じゃ真面目にも不良にもなれない人間ばっかっていうのが現状な訳で
そんな存在を忘れないでくれ、
中途半端な存在でも頑張ってるんだよ、っていう。
そう解釈すると切実ですけど
誰もが誰も分かりやすい人間なわけないですもんね。さり気に、どこにも当て嵌まれない人間に対しての
賛歌って言うか肯定しようとする歌っていうか・・・そういう要素が感じられるのがグッと来ますね。


【当たって砕けようが人生の成功者】

じゃあどういう行為で自分の人生に価値を見い出そう?ってなった時に
結局指針になるのはこういう事なんじゃないかと。
要するにやりたい事をやれたかどうか
少しでも自分の可能性を試せたかどうか。何もしないで嘆くことは簡単だし気持ちがいいけど
いっちゃえばそんなのは誰にだって出来る、ありふれた感情表現な訳ですから
その他大勢に分類される事に悲しみを覚えて終わるくらいなら
いっそ砕けた方がまだマシだよね、っていう。
最期の時を迎えるにあたって、「あの時こうすれば・・・」よりも
「あの時頑張ったな」って方がどう考えても良いに決まってますからね。
一見オシャレな歌謡曲オマージュに聴こえて
鳴らされてるテーマは正に真剣そのもので、そういう無意味なようで無意味じゃないっていう
そのバランス感覚にも唸らされる個人的には大好きな一曲ですね。さり気に彼自身のペーソスも漂わせてるのも
楽曲の説得力には貢献してると思います。ライブで聴くとシンプルなアレンジなので、
音源とはまた違った面白さがあるんじゃないかと。鉄板だと思います。





【善と悪のオールラウンダー】

こういうフレーズを紛れ込ませるセンスも好きだなあ。きれいにもきたなくもなれないっていう。
NICOの音楽って何気にペーソス要素も強いなあ、って感じます。そこもまたブルースっぽくて素敵だなと。



ヤシコー初代生徒会 2巻/藤こよみ

2012-02-12 02:38:51 | 漫画(新作)





藤こよみ「ヤシコー初代生徒会」2巻読了。





2巻で終わりって早いなあ。
同誌のももかでも思ったけど、もっと引き伸ばしていいのに。
引き伸ばせるだけのキャラだと思うんですけどね。
まあこれで完結なら仕方ない
面白かったのは面白かったけど、長期なら長期でまた更に面白くなってた気はするけれど。
でも不完全燃焼でもないのでこれはこれで一応OKって感じなのかな。

やっぱり、藤こよみの漫画はお互いを意識し始めてからが本番なので
その意味だと後半の展開がやっぱり面白かった。
そうなるだけの下地も敷けてたと思うし
夢中にはなれたかなって印象。
ただ、一方でサブキャラに関してはそんなに見せ場のないままに終わってしまったので少し可哀想な気もするな。
まあ彼らは彼らで要所要所で存在感を発揮してて良かったは良かったんですけどね。

でも、そんな風に惜しめるのはそもそものキャラメイキングが絶妙だったって裏返しでもあるので
次こそはこの作者の描いた本気の長期連載が読んでみたいですね。
このポテンシャルならもっともっと上を目指せるはず!
夏の暑さと、
恋の情熱が絡み合ったベンチのシーンは手放しで最高なドキドキ感を演出出来てたと思います。
ああいうのをもっともっと見たいです(笑 何にせよプラトニックもプラトニックでいいものですよねえ。
ここまで真っ直ぐな作風も今はあんまり見当たらないから、それだけは変わらずに居て欲しい。
長く読みたかった、とは思うけど作品として不十分とも感じなかったのも確か
気持ちの良いハッピーエンドも含め甘々描写ゴチでした!って〆で。




しかし「お似合いの二人」って表現がここまで似合ってる二人も早々いないと思う。
最終的には素敵な漫画って印象ですね。面白かったです。



ももかコミカライズド 3巻/風華チルヲ

2012-02-12 00:37:59 | 漫画(新作)





風華チルヲ「ももかコミカライズド」3巻読了。





早くも3巻で終了ってちょっと残念です。
もう少し本腰を入れて続くのかと思ってたのでやや唐突な感じもするんだけど
何気に描きたいことは全部描けてたんじゃないのかな、とは改めて読み返して思いました。
あの男女コンビの漫画家こそ大して見せ場もなく終わってしまったけれど
それ以外は、
連載作家になってからの苦労とかはアリスの回でちゃんと一話使って描かれえたのでまあ許容範囲かなと。
っていうかあの話ももかの話と同じくらいクオリティ高かったからね(笑 オチが百合なのも流石だなあ。
その他にも連携の話だったり、ドラマ性についてだったり興味深いネタが色々出てきて
既存の漫画家漫画では読めないテーマ性も垣間見れて
結果的には満足出来る仕上がりにはなってるな、って印象なのも本音は本音です。
最後が真正面からのハッピーエンドなのも潔くてさっぱりしてるし
昔のキャラが語りかけて終わるって言うラストは感動した。何気にああいう演出上手いですよね。
臣くんとのぶつかり合いも面白かったし、短い間に凝縮されてるので濃厚って言葉で表すことも出来るかな、と。
何にせよ色々な意味で自分にとっては価値のある作品でした。
恋愛漫画としても読めますけど
やっぱり漫画家の本質に迫ってくれたのが一番嬉しかったかな。
多分これ読めば漫画家の本音の一つが垣間見れるんじゃないかと思う。面白かったです。

しかし連携の理論は特に興味深かったですね。
確かに言われてみれば既存の作品も連携が使われてる作品が多い印象です。
去年のヒット作なんて連携ばかりな気もするし。逆に一つの要素で押し切る作品のが少ないよな、って思えて
これは非常に説得力のある理論だなー、と素直に。ドラマ性に関してもそうですけど
やっぱりももかは生真面目過ぎたっていうか一途な面が目立ってて
それ故にその他の方法論が見えなくなってたと思うんだけど
結局はあつ子さんや臣くんとの出会いと経験で色々なやり方を学べた訳で
それを考えると人と人との繋がり、誰かとぶつかる事で生まれる答え・・・の大切さ、
それがこの作品のテーマだったんじゃないかと思いました。
告白シーンも良かったし
その後の顛末も良かったんですけど
最終的には一人で考えても何も生まれない、っていうシビアな回答がこの作品の本質だった気がする。
それもまた作者自身の経験から来ている事柄だったりするんでしょうね。納得出来ました。
「悪あがき」が伝えたいこと、っていうのも何気にひねくれてていいなあ。
確かにあがいてこそ、必死にもがいてこそ人生って気はするからね。
黙って傍観するよりもその方がきっと幸せなんだと思うし。
そんな事を考えた最終巻でした。

個人的にはその受賞作は是非読んでみたい気がしますね(笑)。なんか普通に面白そうです。
あらすじだけでもなんかグッと来るし、これもまた上手い着地点って気がする。
この作品で語られてた事ってそのままこの作品にも活かされてるので
その意味でも自分にとっては説得力のある、漫画化漫画の秀作の一つになったんじゃないか、と。
一番熱かったのは初連載終了前後ですけど、臣くんとのぶつかり合いもまた印象的で
割と何年経っても読めるような作品になった気もしてますね。
いつか続編とか描いて欲しいッス(笑
と言うわけで、次回作にもまた期待大ですね。想像以上に面白かったわ。




っていうか、最後のオチが何気に酷い(笑 あつ子さんをネタに使うってのがまた。
カバー裏のネームも必見ですね。