セレビィ量産型「とんぬらさん」6巻読了。
相変わらずニクいくらいに健在ですね(笑)。とんぬらさんの手の上で踊らされる人々。
今巻もめちゃめちゃ面白かったんですけど
この漫画って一見大人向けに思えて子供が読んでも大丈夫、っていうか
子供時代に読んでも楽しかっただろうな、って感じる。
それはとんぬらのキャラ性もそうだし
ちょっとエッチなシーンの挿入だったり、それでいて内容は協調性だったり家族の絆だったり
テーマに関してはこと普遍的なのもミソで、ひねくれてるようでいて実は真っ当に正しいお話だな、と。
今読んでても十分に面白くクスクス笑えますが
恐らくこれを幼少時とかに読んでたら結構色濃く残る感じの漫画になってたかも。
どんどん大人を誘惑するとんぬらさんに
誘惑されていく母と蟹江先生と担任、飾ちゃんの激怒するオチだったり、市乃と母の意外な繋がり等
今回も今回で小ネタ含めてどの話もテンポ良く読める
鉄板の新刊になってますね、って印象で。
その中でも異色だったのはひよこの話。こういう話も普通に描くんだ、と共に
これがあったから前述の子供でも~って想いが強まった節がある。
人間の傲慢さと非道さを隠さない、身も蓋もない描き方ではあるんですけど、だからこそ生命を大切に
またその生命自体にも感謝がしたいって思えるような・・・
この話を描いたのは正解だったと断言したい。
このお話こそ子供の時に読みたかったな。って思うくらい教訓とメッセージの込められた印象に残る話でした。
何かの犠牲の上に成り立ってる事を忘れちゃいかんって視点も入ってるような気のしたシリーズ。
単純なバカ話の中でこういう普遍的なお話もやれるのがこの漫画の強みでもあるかな。
動物が半分メインなので動物ネタでも違和感がないっていうね。
また、キャラクターもどんどん育ってて今存在感のないキャラが殆どいなくて
その点でも読んでて楽しかったのが感想の一つ。
蟹江先生も大分掘り下げられてきたし、っていうか骨抜きになってきたし(笑)。
メインの高校生グループがいてその弟や妹が通う小学校の描写もあるってのが何気に面白い。
何が面白いかって性格を比較したり、
それぞれの下の妹や弟の関係性が全然違うのが笑えるっていうか滑稽さなんかもあって。
でもなびきとその弟は真面目に性格そっくりで姉弟の繋がりや
後半の話で家族との繋がりを感じさせたり
そういう肉親同士を線で結ぶ描写の数々に微笑ましい気持ちになったりとユニークな作りにもなっててね。
取り敢えず市乃のまな板は母親の遺伝でした、って事で(笑)。
お母さんの高校時代のエピソードなんかも読んでみたいですね。とか色々想像出来て楽しい。
子供時代云々書きましたが、今の歳になると親と自分の似てる点を発見するのが上手くなるので
それ考えると今だからこそしみじみ楽しめる点も十分にありますね。
バランスが取れてて良い巻でした。
個人的になびきが好きなので彼女メインのお話も読みたいですね。
今回はアダルティな巻にもなってる気がする(笑)。
そしてひよこのお腹が鳴るシーンの擬音がくぎゅうだったり小ネタも冴えてますね。
でも一番気になったのは顔面ボールを食らった後の飾ちゃんのご尊顔でした。失礼だが可愛いなあ。
もうこの漫画、大好きですね。巻を増す毎に好きになっていくな。