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悲しい夜の向こう側へ

NICO Touches the Walls「HUMANIA」全曲レビューその6「恋をしよう」

2012-02-14 11:42:39 | 音楽(全曲レビュー)





NICO Touches the Walls「HUMANIA」全曲レビューその6「恋をしよう」です。
まあ、今日の日付を意識した選曲ではありますね(笑)。狙ってこの日にしたっていうか。





6.恋をしよう





この曲は言うなれば「極上のポップス」。丁寧に作られた温かみのあるメロディに
J-POPさながらのベタなアレンジ、ポップシンガーに成り切ったように歌われるボーカルと、
ロックバンドとしてではなくポピュラーミュージックとしての良さが発揮されたこれまた際立った一曲で
このふり幅の広がりもまたNICOらしいなあ、と思えるパートの一つで。
等身大と言えば等身大の歌ですけど
その中にも光村龍哉なりのメッセージも入ってて何気に聴き応えはありますね。
もし自分に恋人が今いたならば、迷わず一緒に聴いてみたい曲の一つであります(笑)。
まあ今日はst.バレンタインって事でこういう気分になるのも悪かないですね。
甘酸っぱくも意志の強さが光るとっておきのラブソングです。




【都合のいい自分らしさなんて 見つかるわけはないんだから】

某バンドマンが言ってた言葉で
他人と違うことをしようって思ってること自体
その時点で他人と同じだよ、っていうのがあってこの歌詞を聴いた時
その発言をなんとなく思い出したのです。
自分らしくだとか
他人とは違っていたい、って
そう思えば思うほど自由に生きる気持ち良さが付随しなくなったりと
個性の追求っていう行為は、時として身軽なカタルシスを奪ってしまう危険性があります。


【別に誰かの真似をしていいじゃないか】

このフレーズが特に好きなんですよね。
人と違う自分でありたい、って思ってはいるけれど
そうやって色々なものを捻じ曲げて考えた結果、本来自分が掴むべき対象を見逃してるんだとしたら
こんなに損な事もないんじゃないかと。確かにありふれたものを嫌う気持ちもあるけれど
そもそも人間の欲求とか趣向に対してそんなに差異があるとは思えないので
たまには素直な気持ちで、
ありふれた喜びを追求するのも悪くはないんじゃないかな、っていう。
真似だろうがなんだろうが、それが自分が望んでる事の一つなら尚更ってね。


【忘れないで 僕らには今しかないこと】

これも前の曲に掛かってくると思いますが、今やるべきことやしたいことを
真っ直ぐな純度でやり切ることって案外大変で
でもだからこそ挑戦のし甲斐もあって。
ぼやぼやしてる内に、今って時間はすぐさま過ぎ去ってしまうのだからねちねちした自問自答よりも
たまには自分に素直に、フィーリングのまま行動するのも伝えるのも悪くはないよ、って。
そんな意固地だったり恥ずかしがりだったり、ひねくれからの解放。
素敵なラブソングであるとは思いますが
素敵なメッセージソングでもあるんじゃないか、
そんな風に感じる一曲でもあります。
自分らしさってものは作るようなもんじゃなく、滲み出て来るものだ、って解釈も出来るような。
ダブルミーニング的にも面白い一曲なんじゃないかな、って思います。





本来ならもう少し間隔を明けるつもりだったのですが
ふと気付いたので今日敢えてこの曲をレビューしてみました。
ささやかな一押しって事で(笑)。
レビュー後半戦も頑張ります。ここからは更にディープになるぞ~。