超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

さばげぶっ!2巻 全話レビュー/松本ひで吉

2012-02-07 03:03:35 | 漫画(新作)





松本ひで吉「さばげぶっ!」2巻読了。



いや~今回は笑った笑った。どの話もツボ過ぎて、まとめるよりもピックアップ方式のがいいだろう、って事で
久々に全話レビュー決行します。割と簡易目ですがよろしくお願いします。では以下。





■第8話「死線のバトラー」
執事喫茶に遊びに行くはずが、結局部長の豪邸でサバゲ祭り。
乙女チックな妄想から
現実とのギャップに叩き落される様は面白かったが、それ以上にお互いの信頼関係がなさすぎて(笑
あっさりと部長を見捨てるモモカは酷いけど、その後の戦車オチとか異様にぶっ飛んでて
そもそも心配の必要すらないのかな・・・って思えるのが部長の最も凄い部分でしょう。
挟まれる小ネタがいちいち面白い。
セオリーをあざ笑う感じがツボですね。


■第9話「夏のまぼろし」
これはまさにセクシーコマンドーに染まったフーミン的な・・・
それを少女漫画のアプローチで描いてる感じ。
AKBから銃のAKネタに入るところなんか思わず爆笑してしまった(笑 どう考えても流れおかしいし
黒光りするGを冷静に撃ち殺す所なんて見せたら引かれるに決まってるだろ!!
その上オブジェの中に隠れたり、
順調にモモカがサバゲに染まってるのが良く分かる秀逸な回。
あとイケメンの描き方がいかにも過ぎていちいち笑ってしまう。こういう所は少女漫画ならではって感じ。


■第10話「ヘルズチルドレン」
ババア呼ばわりにキレたモモカさんが小学生と対決する話。
これは純粋にサバゲ漫画として面白いですね。
弾切れを狙っていた、って展開も少年漫画のバトル作品っぽくてこれまたギャップが。
何気に頭の良さを感じつつ、最後のオチはまあいつも通りって印象で(笑


■第11話「勝利のゆくえ」
普通に良い話でまとめるのかな?って思ってたら最後まで部長が外道のままだった(汗
理屈としては正しいけど、そこで正しさを貫かれてもねえ・・・。
オチもオチで悪化させてるだけだったから
これで更に部長に対するイメージは悪くなったでしょうな。でも、ある意味すっごくらしいですけど。
そして射的ゲームの棚ごと崩して全部頂くってアイディアは正直凄いですね。
リアルで誰かにやって欲しいくらい(笑


■第12話「戦場の恋」
先生の気を引くために勉強会。
ってその時点ですごく不純な動機な気がしてならないが
その結果辿り着いたのが替え玉っていうどうしようもないオチ。
更に替え玉の方を自分だと認識されるっていう(笑
どんだけ地味なんだよ!


■第13話「グルメ白兵戦」
何の変哲もなく新キャラ紹介とか・・・その投げやりな部分が実に面白い。
かと思ったらオチまで担当してくれて実に良いキャラだ。
無表情っぽいのもまた個人的な好みだし。
B級グルメって題材でしたが
部長はカレーもラーメンも食った事がなかったのか・・・正直ナメてますね(ぉ
その上カレーの色をうん○呼ばわりとか、っていうか平気で下ネタ使っていいのかよ(笑
なかよし掲載なのに下品な漫画だぜ。でもそこが好き。


■第14話「おいしい文化祭のつくりかた」
メニューがただの白粥、って本当に面白くもないし、ネタにもならないし、どうしようもないですね!
そっから発酵によって甘酒に変化、てオチがぶっ飛んでて笑ったけど
同時に上手く収まって素敵でもありましたね。
前の話でも思ったんですけど
この人話落とすの上手いなあ、っていうかギャグ漫画としてレベル何気に高いと思います。
毎回スッキリした読後感なのは松本ひで吉の長所ですかね。




と言うわけで1巻以上に鉄板のお話が多かった2巻目でした。
元々少年誌でバリバリのギャグ漫画描いてる方なんで読み心地は完全に少年誌のそれだし
でも絵柄は掲載誌に合わせてバリバリの少女漫画風味に変えてるしで、
外見が違くても中身はそのまんま的な。
霊媒先生好きな身からすると、頑張ってるなあって印象でその観点からもニヤニヤ出来る作品ですね。
その器用な感じが逆に笑いに繋がっているというね。
霊媒とセットで読むのが個人的にオススメです。
色々と笑えますから。

霊媒先生でもキャラで勝負出来るくらい女の子の可愛さはどんどん上昇して来てるのですが、
この「さばげぶっ」っていうのはそれに輪を掛けて女の子が可愛くて非常に良いです。
そもそもタイトルも今流行りの四文字タイトルを意識したらしいですが
実は濁点を3つ入れる事で逆に気持ち悪くした、とか(笑
そんなひねくれたセンスも愉快な一作
やっぱり松本ひで吉は隠れた秀才なんじゃないか、って読んでると感じますね。地味だけどモモカ可愛いッス。