超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

LOVE/FoZZtone

2012-04-20 22:08:03 | 音楽





FoZZtoneのニュー・ミニアルバム「LOVE」を聴く。





前作のフルアルバムからおよそ一年経った後の新作ですけど、前作が大作で傑作だったのに対し
今回のミニアルバムは割とサクッと聴けてしっかり美味しい、みたいな
そんなフットワークの軽い作品になってて
それぞれの楽曲のバランス感覚も良くこれはこれで気軽に聴ける一つの傑作、という感じ
フルアルバムでも傑作しか発表してないようなバンドですけど
ミニを作るのもまた上手いなあ・・・って事で
その楽曲のクオリティの高さや演奏技術の益々の向上、新境地への挑戦も忘れずにこなす抜けのなさ
今回も今回で隅から隅まで楽しめるアルバムになっているのは間違いないと思います。
こういう上質のロックンロールがもっと売れてくれればいいんですけど
ある種器用貧乏っていうか
本当に大衆向けの楽曲を一切作ってないところが実に職人気質だなあとも感じるので
その点ではその「譲らなさ」こそがFoZZtoneがFoZZtoneである所以なのかもしれないですね。
何にせよ、正直知名度と実力が完全不一致のバンドの一つなので
フットワークの軽い新作で少しでも増えてくれれば。
その為にミニって形態なんだろうし、
レコーディングOKのツアーをやるのも少しでも存在を知って欲しいからなんでしょうねえ。
でも、知られる価値のある音楽だとは絶対的に感じるし心から好きなバンドなので
ほぼシングルレベルのこの新譜を聴いて何かしら受け取ってくれたら、と。

そんな訳で、もう全曲レビューしちゃいます!




1.LOVE

【時間は僕を救いはしない】

心と身体は別物ってよく言うけれど、自分が落ち込んだ時にも身体は生きる事を求めてる
前に進む事を求めてるって事実もある訳で
それ考えると本当は身体によって自分が生かされてるのでは、自分自身に救われてるって考えも出来るし
そんなグダグダ言って全然前に進まない自分を引っ張って来てくれてる存在とも言えるから
そこで留まってても、燻ってても仕方がない
本当に自分自身を愛せるような毎日にしていかないと
お返しが出来ないんじゃないか、っていう斬新な視点からのビッグ・アンセム
じわじわとビートを刻むアンサンブルもシンガロング推奨って感じのサビも
どれもこれもが馴染みやすく、言葉もまた伝わりやすい。この作品を代表する一曲であると同時に
本当に自分自身を救えるのは自分自身だけっていうメッセージとも取れる楽曲です。
ここまで何だかんだ言いつつも生き抜けてきた
その道程を認めてくれるような、そんな一曲でもあると思います。



2.TOUGH!!!

【君のエゴを守りたいと思うんだよ】

これはキラーチューンであると同時に新境地ですね!
サビまでは割と軽快なテンポで格好良く進んでいくんですけど、
サビになると全部裏声で歌われてるんですね。
裏声で、しかもアグレッシブに歌ってるって事で
FoZZtoneの楽曲としてはとても新しいし、それでいてきっちり踊れちゃう所もまた凄い。
その美声と美メロが勢いのあるサウンドに絡まって化学反応を起こしている感じがツボな一曲で
理屈ではなく裏声で歌う必然性もメロディから感じられるのもまたベターな一曲
少数派に対する救いのようなフレーズも個人的には勇気付けられますね。



3.GAME

なんとこれまた珍しいインスト曲!真ん中に配置っていうのがまた空気読んでていいです。
いい箸休めになるのと同時に、この曲の存在がこの作品のフットワークを軽くしている一要因なのは
きっと間違いない、それに何気に単体で聴いても普通に格好良く
ツインギターのぶつかり合い含め、実は聴き所満載な楽曲に仕上がってるなあ、と。ヒリヒリしてます。
ゲームをイメージして作ったからこのタイトルなんだそうですね。確かに、それっぽくもある。



4.Tomorrow Never Knows

【絵にかいた餅も俺は喰う】

これまた形容し難い一曲ですね(笑)。
タイトルからするとポップな一曲なのかな~って感じなんですけど
むしろその逆でめちゃめちゃひねくれたロックナンバーに仕上がっております。
高速ラップに唸るギター、爆裂するサビの臨場感含めて
正にメロコアとかパンクとか、ミクスチャーとかその辺の音楽ファンに聴かせても通用するんじゃないか、って
そんな風に思えるくらいに勢い重視で且つ技巧も光ってる、反骨精神だらけの一曲になっています。
めまぐるしく回転するアンサンブルとそこに激しく噛み付くボーカルとの調和が絶品ですね。



5.blow by blow

【ステップを踏むんだdarling】

前の曲が「BRUTUS」「4D」辺りの楽曲を好きなファン向けだとしたら、
この曲は「マーブルクランチ」とか「チワワ」とか「レインメイカー」とかその辺かなあ。
しっとりとしていてファンクやソウルっぽい雰囲気を漂わせつつ
美メロでもって強く聴かせるタイプの楽曲で
その艶やかな感触がいつ聴いてもクセになるような一曲、滲むように響くナンバーです。
でも完全にバラッドでもないので、ゆったりと揺れながら聴く事も出来るという。
汗臭い部分よりもオシャレな部分が際立った一曲で
前の曲とのふり幅も凄い事になってるんですけど、それを平気で一緒にしても違和感がゼロなのも
FoZZtoneの個性だし、強みでもありますよね。何にでも理由や理屈を探していないで
時には心の赴くままに動こう、っていう
この作品のラストにも相応しいんじゃってテーマの楽曲で
一曲目にも繋がる要素があったり
何気に一貫性があるって思えるのもまた素敵ですね。聴き手の背中を自然に押すような作品になりました。






FoZZtoneの持ち味を並べて突き詰めて、それを分かりやすくパッケージした本作
本当にキャッチーで新しい感触の曲しか入ってないのと同時に
それらが新境地だとも往々にして感じられて
その得意なポイントに新しい血を注いで新鮮なものにしてるセンスがファンとしては面白かったんですが
新規さんにもきっとこの音楽の情熱やメッセージは伝わるはず、とも思えて。
マシンガンラップからスロウダンスのテイスト、美メロ美声のロックやアンセムソング
加えてインストまで入っているという
全5曲ながら様々な表情を堪能出来る、そんな彩り豊かな作品になったんじゃないか、と思います。
しばらくはヘビロテしそうな気が満々の一作になりましたね。傑作です!




あっちこっち 第3話「無情なる雪合戦VS⇔調理実習(燃)」 感想

2012-04-20 03:41:38 | アニメ





正直、めちゃめちゃ面白い。





伊御のイケメンブレスとか予定調和のいい亭主っぷりとか、本当にニヤニヤ出来ます(笑)。
一話の段階ではまだ伝わってなかったと思うけど、彼はナチュラルに
何の嫌味もなくイケメンをこなすことの出来る人間なんです。
「あっちこっち」の本領って本当にキャラが馴染んでからだと思うので
その意味でもどんどん面白く愉快になって来そうで至極楽しみです。だって、イチャラブって基本鉄板だし!
定着しつつあるイケメンキャラと彼に恋する不器用な乙女的構図が
積み重ねによって出来上がって来たので
本当に無敵、
それは回りにこういう作品がないって事実も含めて(笑)。日常作品の新しい星になってくれるのでは。
取り敢えず、目論見どおりメイン二人の恋愛模様を眺めてるだけで幸せですわ。はい。

で、やっぱりみんな楽しそうで日常を凄くきちんと満喫してるし
傍目から観てもその幸せオーラは伝わるし、
何よりみんなで一緒に料理だとか、おすそ分けだとか、賑やかな食卓だとか
こう・・・むず痒くなるくらいの平和っぷり、仲良しっぷりや人間関係の豊かさを観てると
不思議とこっちまで温かくなってくるというか、一つのハートフル作品でもありますよね。
本当に以前にも感想で書いた通りに幸せのおすそ分けっていうか
こっちまでそのハッピーが伝染する感じっていうか。
うん、過去の自分の記述も間違ってないし
それが延々と続いていくような安心感もあって、信頼して観ていける予感たっぷりの良回でしたね。
それに加えて単なるまったりではなく、伊御の「お嫁さん」発言とかキラキラとか
本気で笑えるネタも案外多いです(笑)。
その心地良い茶番に癒されるっていうのかな、
ある種日常ものではあまり見られない光景だけに、
珍しくて笑えるっていうのもありますよね。女の子だけの日常ものには決して出せないスパイス!
そしてワーキングとも方向性絶対に違いますもんね。鉄板カップルにニヤニヤする作品だから。
という訳で観続けていくとこの作品ならではの個性が浮き彫りになってく感覚もあったり
個人的には高評価に値する作品だなあと如実に思えた3話でした。
そのちょっと前にまどマギの再放送もあるからか
観ていてすっごく安心したりもしました(笑)。この雰囲気最高だよなあ、って。

それはきっと私が「らき☆すた」世代って事も関係してるんでしょうね。
似てる部分が垣間見れるって事は
その分身体に入ってきやすいって事でもありますから
普通の作品よりもまず好感度高いですし、今週は今野さんの声の新キャラも出てきたし(笑)。
でも、こっちはこっちで男女のニヤニヤ中心って言う確かな個性があるので
重ならずに純粋に楽しめるって言う利点のが大きかったりして
その意味でも個人的には堪らない作品ですね。
コンセプトのまとまり具合、
見せたい部分がちゃんとはっきりしてる方向性も含めて
本当に馴染みやすく、また感情移入もしやすくて。伊御のナチュラルなイケメンっぷりも笑えますが、
足の大きさを気にする乙女思考、抱っこされて照れる純情さ、手料理に懸ける情熱等
つみきもつみきで純粋に応援したくなるキャラ造詣してるんだよなあ。
そのバランスっていうか対比もまた面白い部分ですね。
さり気に普段は気にしてない振り気取ってたり、デレデレとも言い切れない距離感もまたリアルで良い。
そんな二人の純朴模様を彩るOPEDもまた良いんだよ!って事で・・・
今週は賞賛ばかりの感想になっちゃいました(笑)。
まーそもそも、天然過ぎる伊御の無防備さが悪いんだよ!というオチで。いやはやニヤけさしてもらいましたわ。


さて、メインの二人ばっかに触れてしまったので他のキャラについて。
姫に関しては何の含みもない子供らしさたっぷりの声を聴くだけで癒される(笑)。
一方で真宵は寒い子認定された挙句、パンツ見られて
ほったらかしにされて
腹の虫は酷すぎる音色で歌って・・・なんか損な役割ばっかですな。
基本イタズラっ子なだけに因果応報ってやつなのか。
あのリリカルなのはみたいな武器といい色々な意味で謎な女子高生ですね(笑)。
つみきの怪力の餌食になってる部分もまた彼女ならではの個性、か。受ける事が出来るっていう。
そんな怪力でありながら加減の差で器用に卵を割る事の出来るつみきさん
彼女もまた真宵に劣らず変人なのは間違いないですな。
雪だるまを破壊して真宵を粉砕するシーンはクスクスどころか結構に笑けてしまいました。
だって半分死んでるみたいだったし(笑)。つみきがいればいつバトル展開になっても安心ですなあ。
ある意味別の漫画に出てもOKな子なのかもしれない。それもまたギャップ、かな。





しっかし、本当に「ごちそうさま」って言葉が似合うラストでしたね。
そんな茶番模様が最高に楽しいアニメ。個人的に今期でも推しの一作です。



さんかれあ 第3話「さんか…れあ」 感想

2012-04-20 03:01:11 | アニメ





丁重に扱った結果がこれだよ!





正に籠の中の鳥っていうか生き地獄っていうか、そんな長い季節を過ごしてきた彼女ですけど
少しの自由を望む事も許されない、何一つ自分では決めれない人生の中で
年々抑圧に対するフラストレーションが高まり、
今回のような反抗に出た訳ですけど
これどう考えても親父の言い分ないですよね(笑)。だって自分だって好き勝手に過ごして今がある訳だから
恋愛して結婚して子供が生まれて、それが溺愛の末に狂ってしまった顛末もあるんだけど、彼もまた好き勝手で
道を正すのならまだしも、経験する前から道を塞ぐ権利なんて絶対にあるわけがないですから。
結局のところ、規制だとか抑圧の末に生まれるのなんてどう考えても反発に決まってる。
強すぎる独占欲、支配に対しては常にしっぺ返しが生まれるもので
今回の結果もある意味必然のものだったんじゃないか、って個人的には思うんですけど。

でも、それも礼弥の意志が生み出したものっていうのも確かなんですよね。
好きな男の子の為に、必死で危機を伝える為、自分が救われたからこそ救ってあげたいって気持ち。
散々後悔して散々間接的に迷惑も掛けてきたからこそ、その責任は取りたい
好きな人に被害を与えたくないという純粋な気持ち。
その気持ちは素晴らしい、と同時に
次は千紘が責任を取ってあげる番でもあるんですけど(笑)。大きなものを失った代わりに、
自由を経た彼女の新しい日常。一つの命の終焉であると同時に、また一つの人生の始まりでもあって。
ハッピーバースデイ!
死んで手にした新しい自由、執着からの卒業の日。
その過程と行方を、じっくり見守って行きたいと思います。
予め決められてた顛末とは言えインパクト十分で、カタルシスも十分で、素晴らしい新世界のお話でした。
ここから始まる絡まった関係性も含め基本純愛って感じで楽しんで行こうかな、と思います。
今回も原作通りと言えば原作通りのお話だったんですけど
不思議となぞってるだけの感触もなくて
演出や雰囲気等できっちり楽しめたり、相変わらずの料理上手っぷりでした。

付け加えるならば、ヒロインが死ぬ理由が自殺というネガティブなものではなく
必死に頑張った、抵抗した結果ああいう風になるっていうのはきちんとキャラが動いた結果、って感じで
その辺もまたこの作品の秀逸な部分ではありますよね。上手く計算されてるなっていう。
前にも言ったけど、この作品はお互いがお互いを求めて出会うお話ですから。
双方にとって良い出会いになってるのが個性でもあるんですよね。




ところで、蘭子を置いてきぼりにしたみたいに描かれてたけどあれ単純に聴こえてないですからね(笑)。
それと礼弥の母親は自分より娘ばっかになってる現状があるんで
ああいう態度になっちゃったんでしょうね。
そりゃ拗ねるわ、っていう。この後のみんなの反応もまた楽しみですね。丁寧な作風は好印象です。