超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ASPARAGUS「PARAGRAPH TOUR」@Shibuya O-EAST 12.4.22

2012-04-25 03:42:27 | ライブレポ





ASPARAGUSのワンマンを観に渋谷へ行ってきました。日曜日の話です。




最新アルバム「PARAGRAPH」を引っさげての4年以上ぶりのワンマンツアー。
最終日のO-EASTは大ハコだったんですが、もう来た瞬間から人の群れが凄くて、
こりゃあ確実に売り切れてんなって思ってたら案の定売り切れだったそうで。
まあメロコア/パンク系のバンドは始まればモッシュダイブ目当てで結構な人数が前に行ってくれるんですが
アスパラガスのお客さんは何気に大人観の人も多いんですよね・・・。
思ったよりも前に行けずに「あれっ?」てなりましたが、
ちゃんと表情は見れる位置までは行けたので何気に好ポジションからの参加は出来て良かったです。
最新アルバムの楽曲全部演奏してくれて本当に嬉しかった!
音源と変わらない曲もあれば
一気に大化けする曲もあったり、元々大好きなアルバムだったんですけど
このワンマン込みで更に楽しめた気は当然しますね。旧曲もじゃんじゃんやってくれて最高の一夜になりました!

尚、MCはほぼニュアンスで書くので注意です。






この日は疲れてたので、一休みしてから向かってたんですが
O-EASTの付近まで辿り着くと結構開演までギリギリな時間だったので急いで向かう
したら案の定5分くらい迷っちゃったんですよね(笑)。
だってこの辺のハコに来るの相当久しぶりですし・・・多分去年は一度も行ってないんじゃないかなあ。
「これはヤバイ」と慌てて記憶の中の景色を必死に反芻させて
ほぼ勘のみで強引に到着、
元々あったam/pmがローソンに変わってるのを観て時代を感じつつ、ハコに無事入れました。

酒を飲むかドリンクにするかで微妙に迷いつつも、
疲れてたので普通にドリンクを選択。でも、始まれば一気に疲れも吹き飛んじゃうのがライブの醍醐味!


一曲目「Analog Signal Processing」からピリピリと焼け付くようなムード漂い
拳も定番曲みたいに突き上がる、続く「BEAT UP」で多少明るく変化して
音源よりもソリッドに聴こえた「MEND OUR MINDS」、特にアウトロ部分の格好良さは鉄板でした。

「この辺のアルバムになると、落ち着いちゃうバンドもいるんだけど・・・」
「それこそビレッジバンガードに置かれるようなオシャレな音楽になっちゃったり(笑)。」
「でも、僕らは初期衝動のまんまですから!」と宣言しつつ、
最新アルバムから高速パンクナンバー「THE FUTURE IS IN ONE SECOND」を叩き付けるメンバー!
でもこの曲って意外とメロディラインは丁寧に作ってあるんですよね。
それを如実に実感出来た感じも。

これもまたグッと来るメロディの「BIGINNING」に酔いしれつつ、
続く「FAR AWAY」とグッドメロディの宝庫と言わんばかりの旋律の魔法をお客さんに掛けつつ
ピースフルな雰囲気と実はタフなアンサンブルとの調和が見事な「I'm off now」、
最後の裏声が音源以上にドラマチックに響いてた「DIDDY-BOP」と
メロディを大切にしたナンバーばかりが繰り出されて
ここで第一のハイライトが決まった気がする。


「僕らは自販機の午後の紅茶のようなもので、すぐに飲めてすぐにおいしい的な」
「次はちょっと酸っぱい曲やります。酒飲んだ次の日の口の中の酸っぱさみたいな」
この辺のMCは相当うろ覚えですけど、かなり台無しな曲紹介ですね(笑)。
1stから「TOO YOUNG」、
そして一気に場の空気が暗黒モードに変化した「We'd better」の恍惚っぷりは最高でした。
本当にまっくろくろすけ的なダークネスが会場全体を覆っていてこのメリハリの付け方も素晴らしく
怒号のような忍さんの本気の叫びと鋭利な演奏の合致が最高だった「LIVING HELL」、
そしてそんなダークモードの最後に投下された「JERK」の凄まじい強烈なまでの格好良さはマジで痺れた。
グッドメロディでハイライトを作ったかと思えば
今度はダークネスでハイライトを作ったりする、同じバンドとはちょっと思えない
見事なふり幅の広さにいちいち感心しつつ、尖り切ったサウンドの鮮烈さを存分に味わえた場面でした。

ストレートに突き抜けた「APPROACH ME」の爽快さもいいな・・・って思ってたら
そんな楽曲観をぶち壊す破壊的なMCが(笑)。

「今年で10周年なんです」
「でも、4年以上ぶりのアルバムって今回一番制作に時間が掛かってて」
「ぼけてた時間が長かったね(笑)」
「4年も経てば大学生も無事に卒業する時期で」
「前回のツアーの時に、福岡で高校卒業する時期のファンがいて、今回声を掛けてくれて」
「今度就職が決まったそうで、そういうところでも年月を感じます」
「アスパラガスのお陰で就職が決まりました的な・・・いや、むしろ悩ます方かな、俺たちは(笑)」

「自分も昔、私立の中学校受験したんだけど、落ちたんですよね」
「その日、便意が凄くて」
「そういう時に限って積極的に話しかけてくる奴がいるんだよね」
「話してたら、体を揺さぶられたりしちゃって、年代的にボディタッチを好むような時期だから」
「で、その結果「ぶりぶりぶりぶりーっ!」って一気に漏らしちゃったんだよね(笑)。」
「慌てて匂いをごまかして、トイレに駆け込んでパンツ捨てて、ノーパンで面接受けて」
「受験は不合格だったんだけど」
「その時にウンを使い果たしちゃったのかな、って(笑)。」
本当はもっとスムーズに話してて余裕でバンバン笑いも取ってたんですが
要約するとこんな感じです。きちんとオチが付いてるのが実に秀逸なエピソードですよね(笑)。


切ない歌詞が印象的な「HUMDRUM」の甘酸っぱいペーソスから
またも爽やかな楽曲モードに突入「WAITING FOR YOUR CALL」や「WITH THE WIND」で
これまたさっきまでのダークモードを覆すように甘い風を吹かせる
その手腕にも感心しつつ、
ここでもまたうんこ漏らしの話を延々と続ける忍さん、
裏庭にパンツ隠してはバレて、押入れに隠してはバレてって話を繰り出して
中学生になってトランクスに変わった時も一回漏らして、でもトランクスだからはみ出して
制服にまで付いちゃって、でも特に洗わずにそのまま次の日も平気で学校に行った話などなど・・・
なんでここまでうんこエピソードばっかり話すんだろう?って思ってたんですけど
それこそ毒を食らわば皿まで的なテンションだったんだろうか、
でも個人的に最も笑ったのは
この一連の話をした後に忍さんが、

「でも、こういううんこの話もこれはこれで意外といいなあ、とか思う・・・
 いや、思わないよね(笑)」

って、自分で分かってんじゃん!!(笑)。だったら止めろよっていう。自分も何故か便意が高まったような
そんな気分になるような最悪で、でも最高でもあったMC集でした。お客さんウケさせるの上手いねえ。


けど、演奏に入れば途端に緊張感が生まれるのがアスパラガスの更に恐ろしい部分!
ハーモニーが心地良かった「CLOSED LOVE」、
鬼気迫る演奏とギチギチに張り詰めた凍てつく空気に圧倒された「ABYSS」、
この曲は音源の何倍も何倍も化けて響いてたと思う。本当にロックスター然とした格好良さがあった。
「PLASTIC LIGHTER」でその残響音に再び火を焚きつつ、
「I WISH」の必死な演奏でクライマックス直前のハイライトを演出する事に成功
演奏直後からダイバー続出で観客を観るのも面白かった楽曲でした。

おふざけが過ぎたMCでしたが、「この年になって夢云々が少しだけ分かるようになった」
「どんどん成長して、本物になっていきたい」
「二人とも、よろしくな」
「また先に行こう」
と、さっきまでとは打って変わって真面目な心境を語る忍さん、
楽曲でもそうなんですけど、こうやってメリハリを付ける部分が彼の個性の一つなんだろうなあ、と思いつつ
前のMCがふざけ過ぎだっただけに、余計にグッと来る節は当然ありつつも
その流れで繰り出された「I FLY」には大いに感動
本当に天井を突き抜けるかぐらいの爽快感が絶品でした。
「SILLY THING」「FALLING DOWN」で気持ちの良い一体感を演出して
この日のライブは終了、初期衝動から始まって夢語りで終わるという
気づけば一貫性もストーリーもちゃんとあってメリハリも感じられて、たっぷりと色々な感情を、
様々な人間模様を感じさせてもらったような、強く心に残るワンマンでした。
有り体に言えば、感動しちゃってましたね。いつの間にか。


アンコールでは数日前二千円を借りパクされた話も披露、どこまでネタの宝庫なんだこの人は(笑)。
でも、貸した理由はもし本当に困ってたらどうしよう、っていう
推測するに多少の罪悪感の問題からそういう顛末になったらしくて、その気持ちは正直ちょっと分かる気も。

きれいな美メロ「UNREQUITED LOVE」、まさかこの曲を演奏するとは思わなかったので不意打ち、
続く「UNSPOKEN WORDS」でダンサブルなビートを響かせつつ、
「Volt-Ampere」で一体感も再び演出
この曲もライブで思った以上に映える曲だなと実感、一緒に歌える感覚が非常に気持ちいい。
最後は「WANDER AROUND」で熱気を内包したままアグレッシブに終了、
この時点で2時間45分くらい経ってました。大盛りあがりですね。

そんで、ダブルアンコールにも応えてくれました!
「最後に、のりやすいようで、のりにくい曲を・・・」って事で
「JUST GO ON」で本当の締め、この時点で大分前に行けてたので最高の環境で
最後に思いっきり飛び跳ねてきてライブは終了、最後まで笑顔なメンバーもまた素敵でした。
丁寧で、熱くて、メリハリが効いてて、最後はちゃんと盛り上がるって言う
ライブのお手本のようなライブでした。面白かったです。





セトリ
1.Analog Signal Processing
2.BEAT UP
3.MEND OUR MINDS
4.KNOCK ME OUT
5.THE FUTURE IS IN ONE SECOND
6.BEGINNING
7.FAR AWAY
8.I'm off now
9.DIDDY-BOP
10.TOO YOUNG
11.We'd better
12.LIVING HELL
13.JERK
14.APPROACH ME
15.HUMDRUM
16.WAITING FOR YOUR CALL
17.WITH THE WIND
18.CLOSED LOVE
19.ABYSS
20.PLASTIC LIGHTER
21.I WISH
22.I FLY
23.SILLY THING
24.FALLING DOWN
encore
25.UNREQUITED LOVE
26.UNSPOKEN WORDS
27.Volt-Ampere
28.WANDER AROUND
encore2
29.JUST GO ON






29曲も演奏してたのか・・・!
そりゃ3時間近くいくわなあ(笑)。
バンドのライブって大体新譜の方が新鮮で楽しいっていうのと
ハイライトは旧譜の曲でしたって明暗分かれるパターンも多いんですが(結局、楽しいは楽しい)
この日のライブは旧譜だろうが新譜だろうがどの曲も均等に盛り上がって
どの曲も均等に楽しめたような、そんな一体感が良かった公演で
その中でもダークさや狂気を振りまく楽曲「We'd better」「ABYSS」「JERK」の完成度は非常に高い
でも爽やかな「BEGINNING」や「DIDDY-BOP」、「I FLY」なんかも
負けないくらいのカタルシスがあったりして・・・
そんな満遍なく楽曲観を満喫出来るセンスやクオリティだったり、常に楽しい安定感だったり
アスパラガスのライブを観るのはほぼ2年ぶりだった訳ですけど、
全然進化してるなあ・・・と如実に感じられたような。
忍さんはここ数年ぼけてたって語ってたけど、それは謙遜であってむしろその逆なのでは・・・?と
そんな風に素直に感じられたのが嬉しいワンマン公演でした。最高でした!
ここから音源を聴き返すのも、また楽しみですね。