超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ランクヘッド「青に染まる白」全曲レビューその3「果てしなく白に近づきたい青」

2012-04-11 22:00:11 | 音楽(全曲レビュー)





「笑われないようにする事が そんなに偉い事だろうか」






ランクヘッド「青に染まる白」全曲レビューその3「果てしなく白に近づきたい青」です。





3.果てしなく白に近づきたい青





今年1月に観たライブでのMCだった・・・かな?生まれた時は、幼かった時は
具体的に書けば色々な経験や知識を積む内は真っ直ぐに、純白の精神のままで生きてられたのに
観たくない色々や信じたくも無い裏切りや、世界の黒さを覚えていく内に
どんどんと元々の白色が濁って
憂鬱な青色に染まって行く、真っ白な感情を維持出来なくなっていくって内容の楽曲っていう風に
まあぶっちゃけ覚えてないので相当アレンジさせてもらいましたが
ニュアンスとしてはそういう感じだったと思う。
真っ黒な闇を抱えたまま、
そんな黒に染まる事も出来ない臆病者の青色、悲しみの青色。

ただ、だからといって安直に嘆いてるだけの曲でも絶対になくて
そう感じてる時点で
そう思ってる時点で
一番大事な、一番大切な自分の気持ちは守れてる、譲りたくないからこそ嘆きがある訳で
そんな自分にとっての譲れない想いだったり、最低限の自分らしさだったり
ボロボロになってしまった純粋さを失いたくない気持ちだったり
元々の白に対する羨望の念だけは忘れずに
ある種の決意表明にも成り得てるような力強いバンドを代表するようなアンセム・ソングになってて。

例えば、何か一つ行動する際でもいちいち人の目を気にしちゃったり
余計な邪念が入ってきて真っ直ぐに行動出来なくなったり
無意識下に余計なものを持たされてるんですよね。
それがどうって話ではなく、ただ単にそれが息苦しいし、いつの間にか他人の色を塗られてる
くすんでしまった自分自身を見るのも意識するのも本当に嫌になってく時があって
そんな時に、「あれ、元々どうだったんだっけ?」って
自分自身の中に存在してた自分の本音を思い出して、また今の自分に還元させるような。
聴き手に作用する曲であると同時に、
生き辛さって事実を認めて、それでも傷付く事を受け入れても
一番大切な感情だけは渡さないと宣言するような曲。
王道のメロディに、
スケール感たっぷりのサウンドが重なり
奥行きのある楽曲観がパーッと広がって、何かを手に入れたような
一つの意思や祈りを託されたような気持ちになって。
流麗で希望を感じさせるギターリフも相俟って、正に2012年の代表的なアンセムの一つとまで言いたくなるような。
そんな美しくも脆い、でもそこがシンパシーを感じれていいんだ、っていう。そんな新しい代表曲です。





【僕たちは皆、本当は最初から全部を持っていたのに
 見失い、そしていつからか、心のままに生きていけなくなる】

右倣えだらけの世界だったり
多数決という名の個に対する暴力だったり
いわれのない偏見に苦しんだり
或いは自意識の海で自分で自分をダメにしてしまったり
最初から青に染まる事を余儀なくされるっていうそんな世界に対して
少しでも辛い気持ちだったり
何らかのモヤモヤを抱えてる人間にとっては、高確率で響くナンバーだと思う。

それでいて、聴いてる最中は、「うんうん」と頷きながら
聴き終わったその後は「よし!」と小さな握り拳が出来てるような。
そんな真摯で、純粋でもある、自分が聴いてみたかった名曲の一つ、ですね。


本当に失っちゃいけないものを、忘れちゃいけない自分自身を思い出せるような。それが凄く嬉しい曲です。