超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

(アニメ) 恋風 第1話「初花」 感想

2012-04-12 20:44:42 | アニメ(過去作)




前々から触れたいと思ってた作品なんですが、
ちょうど季節も春になったので良い機会ですし触れておこうかな、と。
私の一つのルーツとも言える作品に関して、改めて向き合っていきたいなと思い。

今回から感想を始めるアニメ「恋風」は今から8年前に放送していたアニメなんですけど
これが未だに大好きなアニメ作品でして
DVDを全巻初回で揃えてる上に、何度も繰り返し見て浸るくらい
私の中では大きな作品の一つなんですよね。それこそもう5指に入るレベルで
墓場に持って行きたいと思うくらい好きな作品なんです。

雰囲気がいいのもあるけど、そこに付随する現実的な問題だったりペーソスだったり
それでいてヒロインは可愛いし展開は容赦ないし
でもぬくもりの表現も冴えていて
最後の最後には幸せな気分で見終える事が出来るような、そんな心から大好きって云える大切なアニメ。
その後原作も揃えたんですが、原作も原作で本当に素晴らしい作品で
両方とも好きなんですけど
結構展開的に違ってる部分もあるので、原作の感想も改めて書いていこうかな、って思います。
私の人生観にも何気に作用してるアニメと原作の「恋風」、
名セリフも多いので
今期結構ガッツリ取り上げてみたいな、って感じでお送りします。木曜日のアニメだったので
毎週木曜日に更新予定です。それでは、是非よろしくお願いします。





季節は春。
主人公の耕四郎は大人になって何事にも冷めるように・・・というよりは
普通に生活して、普通に働いて、それなりに良い成績と良い環境を手に入れて
そんなある種の無難さを抱えてる人間で
一度駄目になると
途端に手放す性格の人間でもあって
付き合ってる女性から別れを告げられた際も
特にうろたえもせずに、動揺しながらも別れを受け入れて。

そういう耕四郎に対して、
冷めてる事をネタにされたり
その事を元彼女にはっきりと言われたり
彼自身もそんな夢中になれない、情熱的になれない自分自身の性格に対して
何かしらの劣等感を抱えて、虚ろな気分で毎日を過ごして。


時に、同じく告白してフラれたばかりだった少女七夏に偶然出会う耕四郎、
親切に定期を拾って届けて、
その後遊園地にて再び出会って
その時の縁もあって、待ち合わせの相手が来るまで一緒に遊ぶ事に。

冷静で大人になりすぎている耕四郎に対して
七夏って女の子は今でもフラれた事を引き摺って泣いて、
そのシーンも目撃しちゃうんですけど
とにかく真っ直ぐで、感傷的で、思いを断ち切るのに苦労してるような女の子で。

そんな七夏に対して耕四郎は羨ましい気持ちというか
自分はもう別れを告げられてからとっくに気持ちを失って
完全に冷めてネタにもされる程なのに
七夏の場合はその事実に本気で落ち込んで、冷めてる素振りも見せない
だからこそ耕四郎は、自分が失ってしまった感情を如実に実感させられて
それが悔しくて
ふと彼女の前で涙を見せてしまって。
なんだかんだで、冷めてる大人な自分自身に対する劣等感もあったんじゃないかと思いますけど。


耕四郎の様子を見た七夏は、彼の頭を撫でてくれて、慰めてくれて。
同じ境遇の二人だけども
抱えてる気持ちには差異があって
片方はフラれた事自体に落ち込んでて、
片方はフラれても何も感じなかった自分自身に対して落ち込んでて
そんな二人の傷の慰め合い、
けどそれによってお互いちょっと救われたような気持ちになって
特に耕四郎の方は、傷心の自分を慰めて真剣に話を聞いてくれた七夏に対して
ちょっと淡い感情を持ってしまって
思わずその場で連絡先を聞きそうになってしまうんですけど
それもまたよっかかる相手が欲しかったんだろうなあ・・・って今となっては思います。
そしたら、そこに駆けつける耕四郎の親父
「なぜ?」と思ったら
なんと耕四郎の親父は七夏の父親でもあったという
彼女の待ち合わせの相手が自分の親父
という事は・・・


「妹」だった、という事で。

そんな訳で、波乱の匂いを漂わせつつ第一話が終了
ちょっと惚れかけた女子学生が12歳年下の幼少期以来に再会した妹だった、ってオチで。
その時点でもこの後の展開が何気に分かっちゃう感じではありますが
8年前の私はまだ子供だったので
深いことは考えずに「ふーん」って感じで観てたのでした(笑)。今観ると結構に複線っていうか
示唆されてるメッセージや心情が目立って中々面白いんですけどね。
子供時代の熱を取り戻すってテーマ性もあるし、
これからどんどんと本当の恋愛に目覚めていく耕四郎の姿は是非観てもらいたいものです。

一方で、七夏と言えば
そんなフラれて落ち込んでくすぶってた気持ちを
耕四郎に羨ましがられて、肯定されて、ちょっと平気になって。
彼女もまた救われてたと同時に
この時点から結構に好意の程はあったんでしょうなあ。その辺含めて
次回以降もガッツリと感想を書いていきます。
よろしくお願いします!





最後に自分の中の大きな感情の一つとして「恋風」があったから
今「俺妹」を大好きになれてるって事実もあったりします。通じる部分がかなりあると思うし
「恋風」世代の人間としては、恐らく「俺妹」も好きになるんじゃないかなあ、と。
どっちもアニメから入ったっていうのも一緒ですしね(笑)。
大好きな作品なので、愛情込めて一本一本。


☆画像は、アニメ「恋風」第一話「初花」より引用。
このアニメのお陰で観覧車が大好きになったっていう個人的エピソードもあったり。
大人になってなくしちゃうもの、いっぱいありますよね。
それを一つ一つ取り戻していくっていう
そういう話だと思います。
また、子供の視点から、大人の格好良さ、不器用な優しさを学ぶような。
春になると必ずこのアニメを思い出すような、そんな私です。