超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

cinema staff「SALVAGE YOUR VINYL」w/LOST IN TIME@渋谷CLUB QUATTRO 12.4.14

2012-04-15 14:56:50 | ライブレポ






cinema staffとLOST IN TIMEの対バンを観に渋谷へ。





実に1ヶ月ぶりのライブです。
個人的には行けなくてうずうずしてただけに、通常以上にテンションの高い状態での参加でしたが
それにしても・・・圧倒的に良かったですね。前々からこの対バンは観たくて
単純に相性がいいかなって思ってたんですけど
(両方美声だし)
それ以上に、お互いに対するリスペクトや愛情、そしてシネマにとっては
ただ単にツアーファイナルって事以上に重要な意味をもつ公演でもあった訳で
そんなある種の祝福ムードや記念碑的な公演って印象が強い
それをみんなで見守って、楽しんで、完全に一つになれたような、でも棘もちゃんと感じられて
当初自分が思ってたよりずっと記憶に残るような・・・そんな大切な夜でした。

個人的には、どっちも大好きなバンドだし
ロストはベスト以降早く観たかったのもあるしで
割と「ちょっと観とこう」程度の軽い気持ちで観に行った節もあったんですけど
それがこんな、凄い一夜になるなんて、ここまで深い夜になるだなんて。
これだからライブって面白いんだよなあ。
今まで観た対バンライブでもここまで心にグッと来る対バンって中々なかったなあ、とは正直感じました。
私的にはワンマンを2本立て続けに観たような感覚もある、そんな濃密なライブだったなと思います。
cinema staffは数年前に観た時より随分とシンプルにソリッドになってて、
そんな進化の具合も十二分に楽しめて嬉しかった。
最高でした。





●LOST IN TIME
1.あしたのおと
2.希望
3.通り雨
4.夢
5.悲しいうた
6.スピンオフ
7.ココロノウタ
8.ひとりごと
9.昨日の事



凄く良かった・・・!
ライブを観るのは一年ぶりくらいなんですけど
非常に音が太くなったというか、この3ピースでのアンサンブルがより突き詰められてる
歯車がどんどんキッチリ合わさっていってるかのような快感があって
一曲一曲がハイライトみたいな、そんなライブでした。
どのパートも聞き逃せないって思えるし
それくらい3人それぞれの一体感が、個性のぶつかり合いが面白い
ますますタフなライブバンドになってる印象を持てたステージングで
そのプロフェッショナルなセンスかつロックバンドならではの鋭利な感覚も維持してる、と
正に今のロストはどんどん理想のロストに近づいていってるイメージなんかもあって
こりゃあ本当に面白くなっていく予感がいっぱいで。
完璧に近い印象のライブでしたが
同時にシネマスタッフを全力で祝福する、それくらいの気合も感じられた愛情と負けん気のあるステージで
ある意味ロストが終わった時点で帰ってもいいくらいの満足感なんかもあったりして。
ちょっとビックリするくらい滾ってて勢いのあるステージでした。

今回の選曲はシネマスタッフのメンバーにリクエストを募って、
そこから構成されたセットリストらしい。
演奏前には拳をつき合わせて気合注入してたり、
源一郎さんはドラミングをしながらのMCをやってたりと
新鮮な場面も多々あって
バンドとしての好調っぷりは十分に伺える様子の面々でして
個人的にはこの布陣で、この空気がずっと続けばいいのに・・・って普通に思ったんですけど
そんな事を思わずとも、きっと続いていってくれるって確信もあったりして
いよいよ相性が本当に定まって来たかな、と。
三井さんもめっちゃいいギタリストで、海北さんの実は獰猛に鳴り響くベースとの調和の取り方、
シンプルながらも奥行きのあるサウンドを演出する美しい音色
そんなロックバンド然としたリズム隊と
その隙間を縫うようにきれいに突き抜ける三井さんのギターとのコントラストは
何度聴いても堪らなくて
もう本当にずっと聴いていたいって思う程でねえ。
個人的には三井さんがどんどん馴染んでる事によって、どんどんバンドも良くなってるような感覚で。
そんな往年のファンとしては観てて嬉しくなるくらいの音の迫力、臨場感、そしてセンス。
それらが如実に伝わって来る実力を十二分に出し切った公演だったと思うと同時に
またワンマンとかだと更にその熱量も凄そうで
引き出しも多そうで。今からワンマン楽しみにするにはうってつけの音だったかな、と。

でも、この日はシネマのリクエストって事で
セトリは多分この日だけのものだったとは思いますが
アンサンブルの脂が乗りに乗ってた「通り雨」のワクワク感、
声の逞しさが際立ってた「希望」の勢い、
バシッとスタートを決めてくれた「あしたのおと」の名曲っぷりや
ドラミングMCからの猛烈なスタートダッシュから突き抜けて鳴らされた「ココロノウタ」だったり
「続ける事で見える景色は絶対にあるから」というMCの後にじんわり沁みる「ひとりごと」、
そして最後に圧倒的な哀愁を撒き散らして終わった「昨日の事」・・・
どれもがハイライト級の演奏でしたけど
中でも中盤の「悲しいうた」の破壊力はこの日一番ってくらい物凄かった。
昭和歌謡みたいに強烈な情念を耳に焼き付ける三井さんのギターがまずゾクッと来たし
不穏さを引き立てるリズム隊の轟々と煮え滾る音像から
海北さんの必死の絶唱まで
音源の3倍くらいは破壊力があるんじゃないの?ってくらいブラッシュアップされた
その再現どころか原曲の鋭さをこっちに実直に突き刺さるくらい突き詰めて鳴らされた「悲しいうた」。
本当にあの夜にこの曲が聴けて真面目に幸せでした・・・。なんか一つの糧になる気がする。
アウトロなんかは鳥肌レベルで。
その後に「スピンオフ」って流れも秀逸だし空気読んでるし
間奏のギターの臨場感やヴィヴィッドな演出との相性も抜群に良く
ある意味シネマのファンにもロストの闇の部分を強烈にアピール出来て良かったのでは、と。
個人的にも聴いてて非常に恍惚なワンパートでしたね。

後述しますが、この日はシネマスタッフにとって重要な発表があった公演でもあって
そんな日にゲストとして呼んで貰えた事を嬉しく思ってるようでした。
全力でぶつかり合って、
全力で祝福して。やっぱり表現ってガチであればガチであるほど燃えるものですね。
ここ最近の憂鬱な気分が吹き飛ぶくらいに最高のカタルシスを受け取れたライブでした。
はっきり言って、もう、最高っ!!





●cinema staff
1.想像力
2.ニトロ
3.第12感
4.seattle meets realism
5.部室にて
6.Boys Will Be Scrap
7.into the green
8.棺とカーテン
9.制裁は僕に下る
10.白い砂漠のマーチ
11.優しくしないで
12.AMK HOLIC
13.GATE
encore
14.新曲
15.海について




こっちもこっちで熱かった!
冒頭から「想像力」「ニトロ」と燃料を続々投下して、
不思議な温かさを演出した後に、「第12感」で一気に爆発するアンサンブル
その勢いからダンサブルな要素も垣間見れる初披露の「seattle meets realism」、
爽やかな風を吹き込むように演奏された「部室にて」
それだけでもバンドの幅広い引き出しを実感するには抜群の序盤で
声の抜けもいつも以上に良かったと思うんですけど
この日はクアトロの音響自体が通常よりも響きが良かったっていうのもあって
一年前のワンマン以上に美しい声と破壊的なアンサンブルとの調和をガッツリ楽しめた気がする。

激しくも安定感のあるメロディで魅せる「Boys Will Be Scrap」を鳴らした後、
ここでなんとポニーキャニオンから6月にメジャーデビューするというお知らせが!
これは驚いたと同時に、
ちょっと納得もしました。
特にリリースのない時期にツアーっていうのも確かに違和感あるし
なるほどこのツアーがインディーズ最後のツアーだったって訳なんですね。
その知らせを聞いてから生まれたお祝いムードだったり
この日に立ち会えた幸せだったり、
それによってこの夜の重要性が高まったり、この発表は色々な波紋をもたらしてたと感じました。
そんなムード中鳴らされたメジャーデビューEPからの「into the green」の名曲っぷり。
結構爽やかさも感じられる楽曲で歌詞もシンプルにグッと来る印象で
これはこれでアリだな~って思うと同時に
また一つ新たな引き出しを垣間見たような気分になったりして。
続く新曲「棺とカーテン」なんかは途中からパンキッシュになる音像が実に彼ららしい楽曲
そこから海北さんを意識したのかな?ってちょっと思った選曲「制裁は僕に下る」の
美声を活かした美しいひと時に浸りつつ、
こういう曲でも他の楽曲と変わらないくらい臨場感を演出出来てるのがまた、いいなあと。
数年前は明らかに温度差が出来てる印象でしたが、今はもう全然ないですね。
音源よりも2割り増しで届けられた真摯な歌声、絶品でした。


ここから後半戦に突入。
高校生の時からずっと聴いてて今も昔も大好きだというロストインタイム
その当時の好きだった子や友達も聴いてて思い出すというMC
そして
自分たちの曲もシネマにとってのロストの音楽のように
そんな思い出と共に深く残るものであって欲しい・・・っていう熱い言葉も飛び出し
メジャーに行ってからつまんなくなったとは絶対に言わせない!って宣言も飛び出したり(笑)。
良い具合にジーンと来た後に
「白い砂漠のマーチ」で一気に突き抜けるその場の雰囲気
最後のサビの部分の熱量が半端なくてビックリするぐらい感情移入もしちゃったけれど
その後の「AMK HOLIC」の大爆発はそれを更に凌駕するくらいに凄かった!
感情極まる余り激しいアクションと暴走を繰り広げるギター辻、
むちゃくちゃなテンションで弾き倒すステージングにロックバンドの一つの理想を垣間見たのと同時に
そんな中で的確にワンフレーズを際立たせてる飯田くんのセンスもまた良い!
単に暴れてるだけではなくその中に冷静さも混じってるのがよりいいですね。
思わず頭振っちゃったくらい興奮出来たワンアクトでありました。
理性が吹っ切れちゃうのがライブの醍醐味の一つだとは思う、とも再実感。それくらいの威力でしたね。

本編最後の「GATE」では泣き叫ぶような表情で渾身のプレイを魅せる辻、三島の両名に
オルタナ精神を感じさせる歌声とメロディもまた光って
万感の最後を演出してました。
こんな夜のラストナンバーとしては最適でしたね。素晴らしいライブだったと思います。心からそう思う。

アンコールではロスト海北さんのMCを受けて
三島さんもまた続ける事の大切さを力説、とそれまでの流れも汲んでるのがまた良かった。
そんな流れからのポップなメロディが光る新曲も新境地って感じで好感触、
そこからこれまた堂々たる名曲「海について」の再演
ちょうど9ヶ月前のワンマンを思い出しつつも、既にあの頃が過去にも感じられたりして。
そんな最高のステージングの余韻を残したままライブは終了、約3時間の濃くて残る対バンライブでした。
こんなにいいものを見せてくれて、本当に両バンドともにありがとうが言いたいです・・・!

「話がしたいな」ってフレーズで完結するライブっていうのも中々ストーリー性があって良いですね。
そんな曲順の妙もいちいち面白い、隙のない公演でもあったかな、と思います。
文句の付け所、一切ないですね。みんな出し切ったような感覚でした。観客含めて、ね!







非常に長くなりましたが、
軽く総評を付け加えると各バンドの尊重を感じさせるライブだったというか
お互いがお互いに激しくぶつかり合って
日和は一切なかったんですけど
それが攻撃的っていうよりは愛情を感じさせるような、精一杯のバトンを渡して
受け取って、また還元させるような平たく言えばリスペクトの念が要所要所から感じられる
それでいてメジャーデビュー発表だったり
そんなタイミングで対バンに呼んでもらえた嬉しさの表現だったり
特別になる要素だらけのライブで
特別な印象を与えられるライブを出来てたっていうのがまた素晴らしくグッと来てしまった公演でもあって。
軽く行ったライブがこんな記念碑的な夜になったっていうのも含め
各バンドのアンサンブルの成熟の様子も含め
バンドって生き物で、ドラマチックなものなんだな・・・と実感して感慨に浸れるには十分のライブで。

恥ずかしい台詞ではありますが、やっぱり自分はロックバンドが好きなんだなって思いましたね。
それを認めざるを得ないし、そういう人間であって良かったなとも思います。
こんな素敵な気持ちになれるんですから。
それに触れられたのが一番の収穫でした。




謎の彼女Ⅹ 第2話「謎の絆」 感想

2012-04-15 06:51:28 | アニメ





童貞ソー・ヤング(銀杏BOYZとか似合いそうだ)。





いや、このアニメすっごく好きですわ。別に続きものでもないのにいちいち続きが気になってしまう。
あっという間に30分が過ぎてしまう。その理由を自分なりに分析すると
やっぱり根本が古臭いくらいのラブコメディっていうか
本当に今観たかったお話なんだと思います。自分的にはね。昔ながら~って形容が似合いそうなほど
ピュアで、純朴で、思春期の匂いがプンプンしてて、そんな質の高い青春模様を
自分が育ってきた90年代の絵柄で今観れる贅沢さよ。
主題歌なんかもそうだし、
単純によだれ云々でネタにされるのもOKだとは思うけれど
このアニメの本質っていうのは昔から変わらない少年少女のウブで純粋な恋愛模様
要するに異端に思えてその実王道の良さもきっちり含まれてる、っていう。

なんでこんなに観てて気持ち良いんだろう?って考えたんですが
よだれっていうのはエロさの象徴であるのと同時に汚さの象徴でもあって
今はみんなきれいなお人形さんって感じだし
別にそれでも良いとは思うけど
だからこそこのアニメが自分の中では際立つんだろうな・・・って思うのはある種当然の事でもあって。
人間はきれいなだけな生き物じゃないですし、汚い部分もあって当然
見たくもない気持ち悪い部分も存在しますけど
本当はそんな醜い部分も愛せてこそ、認められてこそ誰かを好きになる資格があるのかな、とか。
きれいなだけのヒロインが並ぶ中で敢えてよだれって醜い部分も押し出す
そんな異常性の表現こそが
このアニメに於ける純愛要素を更に手助けしてるような、そんな気もしたりします。
そもそも卜部さん癖だけじゃなく性格も相当変わり者ですもんね(笑)。
自分に合わないとすぐに拒絶する人が多いな、とか自分含めて常日頃感じるだけに
こういうそんなズレを乗り越えて達成される恋愛ってテーマには何気に注目してたりします。
上手く二人の重なり合う部分、落としどころを見つけて
順調に情を育んでいって欲しいな、と。
よだれ云々で避けられてる節はあるかもですが、個人的にはそういう理屈抜きで好きだって言えるアニメですね。





しっかし、卜部さん最初の方はつっけんどん過ぎてどうしたものだろう、って感じもしたけど
最後に見せてくれた表情は本当に素晴らしく、また彼女らしくて良かったですね。
サービスカットも個人的には嬉しかったです。
でも、誰も同意してくれなさそうなので一人で楽しむことにします(笑)。
とはいっても絶対こういうの好きな同士はいるでしょうけど。ふふ。きっと卜部さん照れ屋なんでしょうな。色々。