アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

「こもれび通信」4号

2015-01-18 23:54:02 | 奥三河three trees+
   新年1月1日に発行した「こもれび通信」4号を、転載します。表紙のイラストを描いてくれたのは、稲武出身のデザイナーの卵、松井香澄さんです。こもれび通信は、主に、出店したイベントなどで配布しています。出店予定・講習会の開催予定などは、省略しました。



アンティマキ 焼き菓子と草木染めの工房

<簡単アップルパイ>
ある幼稚園で行われるクリスマス会に、3年間、毎年1切れだけ、アップルパイを納品しました。200名前後の園児のうち、ひとりだけいる、卵も乳製品も豆類も食べられない男の子のために作ったものです。3年前まで、ケーキらしいケーキを食べたことのなかったというそのお子さん、はじめて私のごく素朴なパイを手にしたとき、満面に笑みを浮かべて平らげたそう。会ったことのないお子さんですが、彼のうれしそうな顔を想像して、私もにんまりしたものです。
作り方はごく簡単です。一昨年までは、粉と塩と油と水とリンゴしか使わないきわめてシンプルなお菓子でしたが、昨年は、皮に少しの甜菜糖を混ぜました。生地に砂糖を入れなければ、さくっとしたクラッカー風、少し入れるとパイらしい食感が楽しめます。

基本の作り方は、次の通りです。18センチのパイ型1枚分の分量です。
① リンゴを4等分して芯を除いて皮をむき、さらに3等分していちょう切りにする。
② 鍋にリンゴを入れ、塩を加えてかき混ぜながら火を通す。
③ 全体が透き通ったら、火を止めてさます。一台につき約200gの塩煮リンゴを使う。
④ 中力粉220gに全粒粉30g、海塩4g、てんさい糖適量をよく混ぜ合わせる。
⑤ 米油50gを粉のボウルに入れ、手でよくすりまぜる。
⑥ 全体に油がなじんだら、水100g~120gを少しずつ入れ、さっくりまぜる。
⑦ 生地をまとめて、半分にし、厚さ3㎜ほどに伸ばす。
⑧ 油を敷いたパイ皿に皮を敷き、フォークで穴をあける。
⑨ ガスオーブンを180度に予熱し、15分ほど焼く。
⑩ 生地が冷めたらリンゴの塩煮を載せ、上に残り半分の皮かぶせる。
⑪ 周囲をフォークでぐっとおさえ、表皮にもフォークで穴をあけ、油とメイプルシロップを混ぜた液を塗る。
⑫ 180度で40分ほど焼く。

<冬の草木染め>
毎冬、友人宅から、枇杷の葉をたくさんもらってきます。目的は枇杷の葉エキスを作るため。葉を焼酎につけるだけの民間薬ですが、蚊に刺されたとき、このエキスは効く!毎夏欠かせない薬です。
残った葉は、染め材料に。ブルーベリー、ピラカンサ、スギなど、今の季節の木々の枝からは、赤っぽい紫のような茶色のような独特の色が生まれます。
アルカリ水で煮だすとさらに赤みが。枇杷の葉も同様に、赤っぽい色が出るのですが、色は少し朱色に近いかも。煮ている間、いかにも薬効のありそうな匂いが漂ってきます。


こころざし工房天然素材の手作り石けん

<EMとの出会い>
私が「EM菌」という言葉をはじめて知ったのは、8年ほど前のことでした。人や環境にとってよい働きをする微生物が集まってできたもので、畑での野菜づくりなど色々なことに活用できるとききました。でも、当時はEM菌について口頭で説明を受けても、ネットで調べても、漠然としていて、いまひとつ明瞭に理解できませんでした。

そのころ、たまたま田舎暮らしの先輩に、私の石けんをプレゼントする機会がありました。彼女は、石鹸を手にするなり、「これ、EM石けん(!?)ありがとう~!!」ととても嬉しそうに言いました。彼女に石鹸をあげたのは2回目。そのときにわかったことですが、彼女は、前に上げた石鹸もEM石けんと勘違いなさっていました。彼女にとって、EM石けんとは、ずいぶん値打ちのあるものらしいなあ、と深く印象に残りました。
そんなわけで、まだ情報が少なすぎてEMの正体が解らないまま、以来ずっと頭の片隅で、EM入りの石けんを作ってみたいと思うようになりました。

昨年出店したイベントで、うれしいことにEM石けんを販売している方にお会いでき、EM菌について詳しい情報が載っているサイトを教えてもらいました。欲しかった情報が、やっと手に入ることになったのです。
そのとき購入したEM廃油石鹸を使って、食器洗いをはじめたところ、泡立ちが良く、何となくシンクのぬめりがとれてきたように感じました。1ヶ月程で使い切ったので、自分で作ってみることにしました。使用したのは、1年前に自宅用に作っておいた廃油液体石けんの原液。この液を、購入したEM活性液で3~4倍に薄め、即席EM廃油石けんとして食器洗いに使いました。それから一か月程経ったころ、シンクの奥のぬめりが全く出なくなっていたことに気づきました。これだけでも驚きでしたが、もう一つ驚いたことは、自宅で作っている豆乳ヨーグルトにも変化があったことです。

普段私の家で食べるヨーグルトは、ヨーグルトメーカーに市販のヨーグルトと無調整豆乳を入れて作っています。しかし、毎回容器を殺菌しているのに、ヨーグルトの種菌を繰り返しつないでいくと、どうしても雑菌が入ってしまい、2週間くらい経つと、出来上がったヨーグルトの表面はうっすらピンク色に変色していることもあります。
 雑菌がはいってしまうのはどうしても避けられないと思い込んでいましたが、EM石けんを使い始めてから2か月ちょっとたったころ、ふと気が付くとこの変色がなくなっていました。食器洗い用のスポンジは雑菌がいっぱいなので、ヨーグルトを作るときはスポンジでヨーグルト容器を洗ってはいけないと聞いていましたが、EMを使いはじめた今では、キッチンのスポンジで容器をゴシゴシ洗ってもヨーグルトが変色することはなくなりました。
 EM菌の活躍ぶりにいまは、興味津々の毎日です。まだ使い始めて数か月ですが、私の石けんにもEM菌を活用したくなりました。まずはEMについての知識をしっかりと学び、キッチン用のEM廃油石けんなども作っていきたいと考えています。


Miki-Co-Labo 季節のコンフィチュール

<ブルーベリー畑のようす>
 冬の畑では、剪定を終えた樹々が雪をかぶってぐっすり眠っています。春に芽吹くエネルギーを蓄えているのでしょう。樹の成長に伴い、年々収穫量が増えるのは嬉しい限りです。ブラックベリー、カシス、クランベリーも安定してきたので、コンフィチュールづくりの楽しみも増えました。安心、安全な自家栽培のベリーと、本和香糖を大きな銅鍋で加熱するだけのシンプルなコンフィチュールの美味しさを、今年は多くの方にお届けできそうです。

<コンフィチュールをもっと楽しむ>
 Miki-Co-Laboのコンフィチュールは、熱伝導の高い大きな銅鍋を使って、強火で短時間で煮上げるので、素材の香りや味、食感が強く感じられます。ペクチンの少ない果物はさらっとした仕上がりになりますが、水や添加物を一切加えず、素材の水分だけで煮上げることで、素材の風味を五感で味わう満足感が得られるようなコンフィチュールを目指しています。

 パンに塗るにはドロっとした粘性の高いジャムがいいというご要望もいただきますが、長時間加熱して水分を蒸発させるか、ペクチンや増粘剤を添加することになり、原材料の自然な風味は損なわれます。

 Miki-Co-Laboのコンフィチュールは、パンに塗るだけではなく、幅広く楽しめる保存食です。三木家の定番コンフィチュールメニューをご紹介します。

No.1 ヨーグルトやクリームチーズと混ぜる。
《ベリー類、ルバーブ、紅玉、ラフランスetc.》

No.2 アジの南蛮漬けや酢の物、浅漬けなどのマリネ液に、砂糖の代わりに加える。
《梅、レモン、甘夏、グリーントマト、生姜etc.》
No.3 オリジナルドリンクとして、炭酸水や牛乳、アルコールに何種類かをミックスする。《なんでもOK!》

※《 》内はよく使うコンフィチュールの種類。                      


暮らしnote

<森の動物~サル>
   昨秋、私の家は、サルのためにさんざんな目にあいました。彼らがねらうのは、ハチヤ柿の実。色づき始めたころから、屋根の上を彼らが歩き回る音で目が覚めるようになりました。
うちの敷地は、昔、「柿の木坂」と呼ばれていた場所で、樹齢の古いハチヤ柿の木がたくさん植えられていたそうです。造成されてからも数本あったのですが、晩秋、高い木の上に残った熟柿を採りにサルの集団がやってくるので、数年前、しかたなく伐ることにしました。でも、皆伐するのはしのびなくて、一本だけ丈の高いところで伐ったのです。それが何とか生き延びて、昨年、見事に鈴なりの実をつけました。でも、またまたサルに狙われたのです。それも今度は、家の前後にある大きな木を伝って上ったり下りたりするように。つまり、私の家そのものが、裏山から遠征するのに格好の通り道となったのです。目当てはカキの実と、私の家の前の道向こうにある近隣の畑の作物です。
へたすると、家がサルの縄張りになってしまうかもしれないと本気で心配になりました。てっぺんに残った柿の実をサルよりも早めにすべて採ることは、たぶん私たちにはできません。柿の実は惜しかったけれど、思い切って切ることにしました。そして家周りの木々4本も同様に。背に腹は代えられません。
木を伐った後、サルの騒ぐ声が数回、裏の林から聞こえましたが、食べるものがなくなれば、魅力も半減したのでしょう。音沙汰はなくなりました。
クズを探しにやってくるイノシシの害はあいかわらずひどいのですが、ひとまずサルとは縁が切れ、ほっとしているところです。
でも、近所に住む友人宅の畑にサルの集団がやってきて、マルチとして敷いた豆殻をあさっていたという話を聞くと、いささかかわいそうになります。雪の上に残った動物たちの足跡を見るにつけ、彼らは今、どうやって食べ物を探しているのだろうと気になるこのごろです。                    (maki)
      

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