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ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

気候激変の恐怖

2006-08-16 23:37:07 | 読書/新聞/映画など
炭酸ガスによる温室効果の影響は、地球温暖化だとばかり思っていました。なんという認識不足!

いま、科学者たちがもっとも恐れているのは、人類の活動を根本からおびやかす気候の激変なのだということをはじめて知りました。すさまじい寒気や、乾燥、集中豪雨、雪など「どう降水パターンに影響をおよぼすか」が問題なのだ。それは、地球全体の農業事情をかえてしまう。深刻な食糧危機がありうるということなのです。もちろん、それだけではなく、漁業や林業、あらゆる産業活動、住宅、生活に深刻な影響を及ぼします。

グリーンランドの3,000メートルにおよぶ氷床は、11万年間にわたる積雪の結果であり、各年の気候状況を記録していた。各地の海洋堆積物や岩石の研究なども積み重ねられて、1990年代には、地球が短期間に気候を何度も激変させてきたことが判明しました。40以上の大学が協力し、人類のもつすぐれた知力を集中して研究がすすめられました。

この発見は、衝撃的でした。
たびたび、たった数年で気候が激変し、地球の隅々までおよんだという膨大なデータがある。
これからもありうるということなのです。予期されない時期に、突然!!

なにがそれをもたらしたのかは、まだわからない。引き金は海洋にあるのか、大気にあるのか。

しかも、二酸化炭素による地球温暖化が、その引き金になる兆しがあるという。「変化の悪い兆しは、北大西洋で見つかっている。」深層で広範囲にわたり淡水化の現象があり、「これはまさに熱塩循環において突然の変化を引き起こす重要な海域であり、過去に生じた多くの気候の急変動にもかかわってきた場所だ。」

一方で、低緯度では、塩分濃度の大幅な上昇が見られる。また、北大西洋の海流が、数十年で30%も減速していることも報告され、科学者たちが「危機的な状況を監視している。」

熱帯専門の科学者ピアハンバートも「米国科学アカデミー会報」でこう警告している。「気候変動と熱帯太平洋ーー眠れる龍が目覚める」と。

1998年から2002年まで、北アメリカ、南ヨーロッパ、南西アジア一帯が4年にわたり日照りにみまわれた。「アメリカで最大の干ばつ」といわれた気候は、すでに、変動がはじまったのではないかという心配もよびおこしている。

ジョン・D・コックス「異常気象の正体」河出書房新社、2006年6月30日刊。1800円+税。

著者は、この明白な科学的事実が、マスコミや政治家によって、政治的信条の問題に矮小化されてしまっていると指摘している。



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