いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

二つの見通し。 double outlook

2019-08-28 20:24:38 | 日記
 (1)日本はアベノミクスの方針どおり格差社会が進行している。円安株高効果で大企業、富裕層に恩恵が行き渡り、一方で生活保護者、世帯は記録更新の伸びだ。
 厚労省は公的年金の給付水準の見通しを示して、28年後の年金水準を現役収入の50%とする見通しとした。

 28年後にどういう社会構造、構成を迎えているのかわからない中で、現役収入の50%の年金収入といわれても理解はむずかしいが、現在の格差社会が続いていけば拡がりをみせれば年金水準が現役収入の50%といわれても社会を二分する低所得者層にとっては厳しい生活事情というしかない。

 (2)その前に格差社会の拡がりをどう改善していくのか、アベノミクス、大胆な金融緩和策の「出口」論についてこそ「見通し」(outlook)が緊要な課題だ。
 すでに厚労省の専門会議では「老後資金2000万円不足」問題が指摘されており、厚労省の「二つの見通し」(double outlook)について整合性があるのかないのか、検証してはっきりさせなければならない。国会の責任は重い。

 (3)年金問題は国からの給付であると同時に国民負担の結果としての国民の権利であり国の保障義務でもあるので、先送り先送りのその場しのぎでは無責任政策と言わざるを得ずに歴代政権の無作為政策の責任は重く、このままでは国民に対して謝罪責任がともなうが国、政府からはそんな声は聞かれない。

 (4)そこで安倍首相は9月上旬に大幅な内閣改造をする意向を示している。「新たな人材に突破力を発揮してもらう」(安倍談話)と若手人材の登用も示唆しているが改憲推進力のためともいわれて、安倍首相、麻生副総理、菅官房長官の政権トライアングルは維持する方針(報道)では大きなダイナミズム(dynamism)になる期待感はない。

 (5)日本は日米通商貿易交渉、韓国との経済貿易規制強化、ロシアとの北方領土、北朝鮮との拉致、ミサイル、イラン有志連合に国内では10月の消費税10%引き上げと内外に大きな課題、問題を抱えて、外交では問題解決の糸口も見いだせないでいる。

 消費増税も今頃になって小売店、業界の対応の遅さが明らかになって、軽減税率でもわかりにくさ、複雑さは解消されずに混乱は避けられないだろう。

 (6)大幅な内閣改造が外交、外務、経済、貿易、社会保障中心に及ぶのか、政権トライアングルの交代で人心、心機一転で出直してほしいところだ。政界は社会構造の中で最も改革が進んでいないところであり、いまさら「若手」登用といわれても一般社会では中心となって活動している年代でもあり、有能な「若手」人材の起用は求むところだ。

 噂の小泉進次郎議員がふさわしいのかどうかは意見が分かれるが、まずは格差社会の是正、解消に向けての「見通し」検証だ。

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