米国社会の大いなる矛盾。 large discrepancy of america society

　(1)アップルが日本企業と部品製造に必要な技術や知識の知的財産を無償で提供する契約を結んでいた。優越的地位の乱用として日本の公取委が調査を始めた。
　現代産業革命のスマホ市場を独占する米国の巨大IT企業群のこうした世界情報媒体支配に対してはEU,日本などでは規制強化が指摘されているが、米国経済保護主義のトランプ政権は外国のデジタル課税に対して対抗措置をする構えだ。

　(2)こうしたトランプ政権の後押しを受けてのアップルなどの契約企業に対する知的財産権の無償提供の強要だ。パラドックス（paradox）として中国の新興進出IT企業の米国、世界市場からの追い出しを進めて情報戦略でも優位性を築いている・

　知的財産権の保護は米中貿易戦争でも焦点になっており、米国トランプ政権の矛盾する米国IT企業群の知的財産侵略の後押し保護姿勢だ。

　(3)米中貿易戦争といわれているとおり、経済、知的財産に形を変えた侵略支配戦争が広まってフェイスブックの仮想通貨発行で金融通貨市場への米国巨大IT企業群の支配戦略も現実のものとなっている。

　日本も当初はIT戦略の遅れから規制するよりも利用、活用を目指していたが、冒頭のような米国巨大IT企業群の優位的立場、地位の乱用をみるにつけ独占禁止の貿易、経済の公正、公平性確保から規制強化は避けられない。

　(4)米国トランプ政権誕生で米国社会から理性、知性、良識が見失われて、「刹那（せつな）」的な国家主義が台頭して銃乱射事件も後を絶たない。いくら銃が個人の安全を自ら守れる米国社会といえども、その銃が多民族国家社会の憎悪を生んで解決する手段として使われていることに問題提起はあっても反省も見直しもなく、有効な手立てももなくて悲劇がくり返されるというのはやりきれないものがある。

　(5)今回の白人系社会の劣勢による移民、中南米系住民を標的にした銃乱射事件では２０人以上の犠牲者を出したが、南米移民が８割を占める事件地では被害者の献血に住民が行列（報道）をして凶行に立ち向かう姿が見られる。

　米国内でも特殊な事情の地域とはいえ、くり返される白人至上主義者による凶行には被害者献血の結束は示せてもその悲劇を生む社会思想、銃社会に対して見直しの結束ができない米国社会の悲劇、不思議性、理性、知性、良識の衰退を感じさせるものだ。

　(6)米国はベトナム戦争、イラク戦争と米国の多くの若者が軍人として外国で命を落とす戦争歴史の中で、国民の間には「えん戦」気分の高まりをみせて中東からの米軍撤退行動につながっているともいわれる。

　こうした国民感情、気分が銃社会の悲劇にも向かわないのも不思議性で、しかしいづれかには米国保護主義も銃社会も見直しに向かうことは避けられないだろう。