いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

天皇としての日中新時代。 new era of relation of japan and china for Tenno

2019-08-15 19:33:14 | 日記
 (1)今更ながら現令和天皇は近代日本で初めて戦争を知らない世代であり、何かと戦争との結びつきが語られる天皇とは無縁の立場にある。その令和天皇が8月15日の政府主催の戦没者追悼式で初めて「おことば」を述べた。

 前天皇(上皇)の戦没者に対する特別の思い、悲願の戦地巡礼の思い、志を受け継いでいくものと思われるが、やはり戦後生まれの令和天皇としての立場、平和に対する思いはあらたなるものがあると思われる。

 (2)第2次世界大戦のA級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社が昨年秋に神社創立150年に合わせて当時平成天皇に参拝を求める異例の「行幸請願」(報道)を宮内庁に行っていた。

 天皇の靖国参拝は1975年の昭和天皇を最後(同)に行われておらずに、特に平成天皇は靖国にA級戦犯が合祀されていることから靖国参拝には否定的であったといわれている。
 平成天皇への靖国参拝要請は代替わりを控えた多忙を理由(報道)に「宮内庁長官や侍従職への取り次もできない」(同)と断られたといわれている。

 (3)来年春の中国習近平主席の国賓来日を控えて日中関係にも改善のきざしが急速に拡がっていく段階で安倍首相にも靖国参拝には慎重な対応が求められているが、すでにそのきざしのあった昨年秋に平成天皇の靖国参拝では中国側を刺激することにもなり国際情勢上もありえない天皇の靖国参拝だった。

 (4)安倍政権の保守思想の強い政治が国民の支持を集めて、憲法改正にも強いこだわりをみせる安倍首相の1強政治を受けて靖国側が動いたのか、国際情勢を顧みない世界的な極右、保守思想の台頭の流れの中で靖国側が存在を誇示する、あるいはそうしなければならない危機感の動きと捉えられる。

 (5)天皇の国事行為ではないが政府の助言と補佐が必要な宮内庁としては、とてものめる要請ではなかったろうし、平成天皇の考えとしても受け入れられるものではなかったろう。
 特に戦後生まれで戦争を知らない現令和天皇時代となっては、靖国参拝がアジア諸国に対する感情悪化の原因にもなっており戦争、平和に対する思いも国民感情に近いものが考えられて、天皇の靖国参拝など考えられる状況、情勢にはない。

 (6)平成天皇の退位は健康上の理由も大きかったが、戦後生まれの戦争を知らない世代の令和天皇の即位となって天皇の戦争責任論にもけじめまではいかなくてもあらたな展開、理論につながるものだ。

 宮内庁が令和天皇が初めて戦没者追悼式出席のこの時期になって昨年秋の平成天皇への靖国参拝要請を断ったことを発表したのは、天皇の戦争に対する思い、経緯が重なって見えてくるものだ。

 (7)来年春には中国習近平主席を国賓として迎え、令和天皇として会うことになり、戦争責任論としても日中新時代を迎えることになる。

 

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