いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世界的保守主義の中の台湾人。 a formosan in the world-wide conservatism

2016-01-18 20:10:11 | 日記
 (1)16日の台湾次期総統選は台湾人独立(independence of a formosan)を目指す野党民進党の蔡英文主席が台湾初の女性総統候補として圧勝した。

 台湾問題は国際的な「ねじれ(distortion)」政治現象が特徴だ。中国大陸での毛沢東主導による共産革命に敗れて蒋介石が台湾に逃れて介らい政権をつくって対峙して、これにアジア共産化を阻止したい米国は台湾介らい政権を支持して軍事的支援を続けてきた。日本もこれに追随して同じく台湾政府を支持してきた。

 (2)中国は中国大陸から逃れて台湾に介らい政権をつくった当時の蒋介石政権を認めずに、台湾を中国の一部と主張して米国、日本などと長く対立してきた。
 その後の中国は経済成長、軍事力増強でその巨大な市場、経済成長力を無視できなくなった国際社会、米国、日本などは、中国の主張に沿った台湾を国際政治上は「ひとつの中国」として認める立場に方針転換をして、しかし米国は共産化と戦う台湾に軍事上の支援は以前と変わらずに継続して中国への圧力、けん制して台湾問題を利用しているという「ねじれ」だ。

 (3)国民党の馬英九現総統は元来の主張主義による中国との関係改善による経済協力、発展を目指して昨年初めて中国習主席との中台トップ会談を実現して、交流促進を内外に示した。

 今回の台湾総統選結果は、その国民党主導の対中融和政策に対して台湾人民が拒否の意思を突きつけたものだ。

 (4)若者中心に政治的関心の高い台湾ではこれまでも国民党政権主導の政策に反対して議会を占拠するなど過激な行動を示してきた。今回の総統選でも若者の台湾人独立志向の意思が強い傾向が選挙結果に反映(報道)したものと受け止められている。

 今日的世界は保守主義(world-wide conservatism)志向が強い。米国もそうだ。自国の利益に固執して世界的、世界共通の利益に関わらずに結果として利益の循環性を鈍らせて世界的な不利益、摩擦、停滞が支配するという悪循環を生む。
 今日的な世界的な保守主義志向が強く台湾総統選にも影響、反映しているのではないのか。

 (5)しかしこれでGDP世界第2位の経済国でAIIB主導で国際的、経済的影響力を増して軍事力強化を進める中国が主張する「ひとつの中国」論が米国、日本などで見直し、変更されることはなく、国際社会はむずかしい「ねじれ」対応に迫られることになる。

 中国としては野党の蔡候補優勢の今回の総統選の結果を見越して、先に中台融和政策の馬現総統とのトップ会談を実現して「ひとつの中国」をアピールしてみせたが、総統選と同じく議会選でも野党民進党が第1党となり台湾人独立志向が大勢を占めたことにより、中台関係改善、交流促進は完全に後退することになった。

 (6)中国としては巨大な中国大陸に対して小さな島の台湾を「ひとつの中国」論の具現化として併合できない(またはあえてしない)のは、台湾を軍事的に支援する米国の立場があるからだ。

 中国も米国も台湾人独立志向の政治的結果に対して、あらたでむずかしい戦略、対応が求められることになった。今日的な保守主義の見直しに迫られるだろう。

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