いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

安倍首相の初夢。 overconfidence of the first dreaming of premier abe

2016-01-05 19:52:42 | 日記
 (1)新年が明けて4日から仕事始めのところも多く、今年は通常国会も召集された。準備するところは新年早々大変かもしれないが、国会が4日から始動するのは社会に率先垂範する意味からもいいスタートだ。通常国会は4日スタートと決めてもいいのではないのかとも思う。

 安倍官邸1強時代を意識してのことか、新年の仕事始めでの安倍首相の言葉には桃・栗(3年)、柿(8年)、ユズ(9年)、リンゴ(25年)まで果物の名前をずらっと並べてわが世(政治、政権)の新春を謳歌して、政権運営に自信たっぷりのところを示してみせた。

 (2)TPP交渉の合意内容の承認も焦点となる国会審議だが、農産物の自由化がこれまでの自民党政権の農業、農家過保護政策にどう変化をもたらすのか興味もあり、またこれからの成長戦略としての農業産業のあり方を問う重要な方向性を示せれるのか大事な政治局面だ。

 本日の紙面には招集された国会で胸を張って演説する安倍首相の姿が印象的で、昨年末に懸案の慰安婦問題で韓国政府と一定の解決合意に取り付けて実績をつくり、すでに弱小野党相手の国会審議には目はなくて5月開催のG7伊勢志摩サミットに続く夏の参院選に向けられている余裕の桃、栗、柿発言だったのではないのか。

 (3)衆院で与党3分の2以上の勢力を維持して夏の参院選で勝利してこちらも与党3分の2以上の勢力(ないしは改憲野党勢力)を獲得して、一気に改憲発議に突き進めたいというのが安倍首相の初夢(the first dreaming)だろう。

 今の野党ではとても安倍政権への国会対抗などできないから、野党協力、再編がどうのと手をこまねいているうちに伊勢志摩サミットの大波に流されて一気に夏の参院選を迎えることになりそうだ。

 (4)米国、ロシア、EU諸国参加によるシリア領内ISに対する空爆が効果をあげている中で、今度はサウジアラビアのシーア派指導者の処刑を巡ってスンニ派の多いイランが反発してイスラム世界のシーア派とスンニ派の対立、国交断絶に発展してあらたな火種が残り、5月のG7伊勢志摩サミットにも中東和平の課題拡大が押し付けられることにも
なるだろう。

 夏の参院選は安倍首相が任期規定どおりにいけば通常最後に取り組む参院選となるだけに、安倍官邸1強時代とも重なって絶好の力の入れ具合が違うということになる。
 安倍官邸、内閣あげての賃上げ要請を受けて、今年の春闘でも3年連続の賃上げは実施される公算が強いが、消費動向が上向くのかはわからない。

 (5)日銀の黒田総裁は物価目標2%達成にやれることは何でもやると決意を示しているが、ここでもTPP交渉合意内容の影響が懸念されて経済動向がどうなるのか不透明部分はある。

 少々の痛みは共有して日本の経済産業構造改革をユズ、リンゴが実るまで革命的に推し進める時であると考えるが、夏の参院選を意識してどこまで踏み込めるのかTPP問題は共和党優勢の米国議会審議頼りというところもあり、今の安倍首相の自信がそこまでゆるぎないものになっているのかが問題だ。

 (6)一昨年、昨年と安倍政権のやりたい放題の無秩序、無軌道国会運営にほんろうされて小市民的国民(the petite bourgeoisie)意識は一時の反対、批判はあってもすぐに忘れて、依然として一定の安定(40%台)した安倍内閣支持率を見せており(安倍首相、政権に代わる人、勢力がいないという裏返しでもあるが)、夏の参院選は見せかけの経済主導政治なのか国民主権、立憲民主主義の保持なのかをあらたに18才以上の有権者を含む国民の判断、選択が問われる選挙になる。

 (7)それは今回は議員を選ぶこと以上に国民の意思が問われる選挙であり投票率を含めて問われることになる。投票行動をしない人、比率もこれまでとは違った意味での安倍政権の「支持」という結果を意味する責任、政治方向を決める重要選択の参院選という位置付けだ。

 安倍首相が年頭にすでに夏の参院選を見据えているように、国民にとっても大波にほんろうされてはいけない将来を左右する参院選を迎える。

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