いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米国の二元性。 the duality in u.s.a

2016-01-24 19:49:24 | 日記
 (1)韓国をよくわからない国だと書いたが、米国もよくわからない国だ。ともに日本と同じ自由民主主義国でありアジア安定のために日米韓軍事同盟関係を維持する国だけに実体がよくわからない、理解できないというのも困ったものだ。

 中国やロシア、北朝鮮など共産社会全体主義国のほうが国家統治形式(統治方式の善し悪しは別にして)がすっきりしてわかりやすいところはある。

 (2)米国では今年11月の大統領選に向けて民主、共和党の候補者選びが予備選に向けて本格化している。民主党ではヒラリー・クリントン候補が50%以上の支持率を集めてきたが、最初のアイオワ州党員集会に向けてサンダース候補の追い上げにあってその差はちぢまってきている(報道)といわれている。

 米国史上初の女性大統領候補となるのか、7年前には米国史上初の黒人のオバマ大統領を誕生させた米国民の判断が注目される。その8年前の大統領候補予備選ではやはり優勢を伝えられたヒラリー・クリントン候補が同じアイオワでまだ無名のオバマ現大統領によもやの敗北で勢いを失っていった経験がある。

 (3)共和党は過激な保守主義思想の発言をくり返すトランプ候補が国民の支持を受けてトップを維持している。民主党オバマ大統領の国内回帰保護主義が反映して、パラドックス(paradox)として強い米国を望む国民の願望が超保守主義発言のトランプ候補支持に集まっていると考えられている。

 (4)米国では黒人のオバマ大統領を誕生させながら人種問題は根深く根強く解消されずに、近年白人警官による黒人差別、過剰暴力行為が止まらない。また銃を使った犯罪、事件も多く発生し、オバマ大統領の銃規制対策に対しても共和党多数の議会の協力も得られずに全米ライフル協会など銃保護団体からの反発も大きいという、米国伝統社会の大きさも実感させられる。

 (5)ギャラップ世論調査では白人の50%が現状(自国で起きていることに何らかの不満)に非常に不満と答えているのに対して非白人は29%にととどまっていて、白人の何らかの不満度の高さがうかがえる。

 白人警官による黒人差別がクローズアップされる人種問題社会現象を裏付ける白人の現状不満度だ。
 アカデミー賞では2年続けてノミネートされた俳優がすべて白人に偏ったことを受けて、黒人アクターなどから強い不満と反発が起き(報道)ており、こちらは選考投票委員も含めて見直すことが報道されている。
 単純に審査してみたら評価、業績がそうなっただけの芸術論ではすまない選考投票行動に対する人種問題にまで発展しているということだ。

 (6)黒人アクターなどからは米国では黒人はアカデミー賞を取るよりも大統領になる方がたやすい(趣旨報道)という声も聞かれる始末だ。
 米国は人種も含めて多様な(diversity)集まり、価値観が高度成長社会、GDPの桁違い世界第1位の経済大国のダイナミズム(dynamism)となってきているだけに、建国以来の根深い根強い人種差別の古くて新しい社会問題にはこの国の二元性(duality)を印象づけるものだ。

 (7)それは自分のことは自分が責任を持つ、守るという伝統文化を基本とした銃社会容認スタンスにもうかがえる。これだけ銃犯罪、事件による被害者を出しながらも、そして国民の多くが銃規制の必要性は認識(報道)しながらもオバマ大統領の銃規制の実現性は支持しないという二元性でもある。
 7年前に黒人のオバマ大統領を選んだ米国の良心は大きな声にはなっていない。

 (8)多民族国家の米国で白人人口比率が過半数を下回るというジレンマ(dilemma)があるといわれている。多民族を受け入れる米国の度量(magnanimity)が競争社会の活性化、高度経済社会を支えるダイナミズムでありながら、絶えず米国の伝統社会観が反目する二元性国家像である。

 レディファーストが建前の社会でありながらいまだに女性大統領が誕生していない米国で今年11月の大統領選で初の女性大統領選出となるのか、米国が裏表(the inside and outside)ひとつに変わるキッカケとして注目したいところだ。

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