いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

規制緩和事故。 accidents by mitigative regulation

2016-01-21 19:35:47 | 日記
 (1)安倍首相が国民(小市民的国民層)受けする経済最優先政策を掲げて経済、経済を主張するので、その気になった日本経済のいいかげんさが企業倫理欠如、不正、事故を次々と招いている。

 消費者の信頼を裏切る粉飾決算まがい、耐震ゴムデータ不正からマンションの耐震工事(くい打ち)の不正、データ流用と生活安全にかかわる重要事項で経済効率、利潤が優先する企業倫理の欠如が平然と安易に行われていた。
 社会は政治を映す鏡であるから安倍政権の目的を達成するためには手段を選ばない、結果優先で都合よく解釈するやり方は、社会のタガ、パラダイム(paradigm)のゆるみを加速させているようにもみえる。

 (2)規制緩和(mitigative regulation)は競争原理を促して経済活性化をもたらす成長戦略の柱ともいわれて、今後のTPP交渉合意による実施でも日本経済に自立と成長を促す期待も多い。

 しかし規制緩和策を進めるには市場拡大、活性化を無秩序にまかせておけば、相応のリスクも背負うことになる。

 (3)原発は国と原発事業者の思惑で原発安全神話のもとに全国をぐるり取り巻く54基を設置稼働させたが、福島第一原発事故では東日本大震災に安全対策がなおざりにされて追いつかずに原発立地自治体、住民に多大な被害と苦しみの危険負担を強いることになった。

 観光バスは全国高速道路網整備拡張により需要が急速に伸びて供給が追いつかない台数不足を招いて、政府は規制緩和を実施した。

 (4)これにより新規参入業者が大幅に伸びて、現在は外国人訪日者2000万人を目標とする政府の方針もあり中国、東南アジアからの訪日観光客も近年急増している。
 この訪日観光客が利用するのが観光バスで、高速道路を利用して全国の名所旧跡を訪れる旅に出る。
 若者中心にスキーツアーバスも安価なこともあって時間的ロスも少なく人気が続く。

 (5)その観光バスの事故が相次いでいる。先日の軽井沢町で起きた転落事故では大学生13人が死亡するという惨事を招いた。
 実態は大型バス運転経験の極めて浅い運転手を起用して、バス運行事業所も決められた出発前の点呼もせずにいいかげんな経路運行計画書でツアー終了確認書もすでに完成(押印)されていた(趣旨報道)というから、何から何までデタラメな観光バス運営で13人の大学生の命が奪われたのだ。

 (6)これで乗客の安全、生命を保障しようという方が無理な実態で、ある意味規制緩和で市場拡大した政府機関の監督不行き届きが指摘されても当然のことだ。
 もちろん書類審査で営業権が与えられて、それに従った所定のルーティン業務(routine)が完全に実施されていれば観光バスの安全運行は守られるというハズのことだが、実態は何から何までそうはならなかった。

 (7)需要と供給のバランスから規制緩和で市場を拡大した政府としては、乗客の安全と生命を守る制度改革が必要だということだ。
 初期の書類審査ごときではない、ネットを活用した業界の計画、届け出、追跡、現状把握などの安全情報管理システムが必要だ。

 

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