以前、拙ブログをご高覧下さっていた方からいただいたたくさんのフライヤー画像の中に、「三協音機株式会社」というこれまで聞いたこともない会社のものが1枚、紛れ込んでいました。頒布時期は不明でかなり古そうだという事しかわからず、かねてより気になっていました。
三協音機が頒布した二つ折り4ページのフライヤー。上が表紙と裏表紙、下が中身。ここに掲載されている機械はどれもかなり古そうに見える。
「三協音機」を遊戯機械年鑑【注】で調べると、その名が初めて現れるのは「'74-'75遊戯機械名鑑」(1974)で、以降「'80遊戯機械総合年鑑」(1980)まで記載されています。それによると、熱海市梅園(ばいえん)町の企業で、設立は昭和41年(1966年)の4月とのことです。遊戯機械年鑑は1969年に初めて刊行され、以降72年、73年と続くのですが、それらに三協音機の名前が見えないのは、業界の組織化がまだ発展途上だったためではないかと想像します。
「'74-'75遊戯機械名鑑」の巻末付録に掲載されている三協音機。熱海市梅園町にあり、設立は昭和41年(1966)4月となっている。
ところで、熱海と聞くと前回まで連載していた「アタミセンター」(関連記事:幻の「アタミセンター」を求めて(1):失われた町、浜町(熱海市))について調査している時に知った話が思い出されます。熱海は日本でもレジャーの機運が高まる1950年代終わりころから広く支持を集めたそうなので、三協音機が設立された1966年には既に熱海のAM市場は相当に大きかったであろうと思われます。
ワタシはこのフライヤーの頒布時期を推測するため、各ページに見られる機械の名称と製造年を特定してみることにしました。まずは表紙から見ていきます。
三協音機のフライヤーの表紙。
中央下に見えるジュークボックスは、米シーバーグ社製の「S-160 Showcase」で、これは1966年製です。三協音機の設立年と同じということは、ひょっとするとこのフライヤーは三協音機ができて間もない時期のものかもしれませんが、まだ断定するには早すぎます。続けて右上のロケーションの画像に注目してみました。
三協音機のフライヤーの表紙の、ロケーション画像の拡大。
手前のクレーンゲームは何ともわかりませんが、次のガンゲームはセガが1961年に発売した「ジャングルガン」です。同じページのジュークボックスよりもずいぶん古い機械ですが、当時はそれだけ製品寿命が長かったということなのでしょう。
ジャングルガンの右手に二つ並ぶ「パチンガム」は、パチンコをセーフ穴に入るとガムが1枚払い出されるように改造した日本自動販売機のプライズ機です。筐体に描かれているデザインは何種類かあるようで、この機械では藤子不二雄さんの「怪物くん」を模している(パクっている、と言うべきか)ように見えますが、「怪物くん」の雑誌連載は1965年、テレビアニメ化は1968年であるため、これだけでは製造時期を特定することは困難です。
次にピンボール機が3台並んでいます。ワタシはこれらを遊んだ記憶がなく、得点表示の桁数やプレイ人数、あるいはフロントドアの形状などから見当を付けてInternet Pinball Data Baseで調べたところ、左から順に「Caravelle (Williams, 1961)」、「Fun Cruise (Bally, 1966)」、「Merry Widow (Williams, 1963)」であることが判明しました。この中で最も新しい機種は1966年製と言うことは、依然としてこのフライヤーの頒布時期は1966年以降であるとの推測は変わりません。
ピンボール機のさらに右、柱を挟んだ向こうには、おそらくカラフルなトッパーの機械が2台続き、その更に右にはドライブゲームのようなものが見えますが、これらの機種がまるで見当が付きません。かろうじて、その次に見えるピンボール機が「Base Hit (Williams, 1967)」であることがわかり、このフライヤーが1967年以降のものであることは確定しました。
最も右に見えるガンゲームも正体がわかりません。商品コンセプトはセガの「モンスターガン」(1972)と似たものに見えますが、筐体のアートワークやガンの形状が異なり、別のもののようです。これだけ特徴がある機械なのに特定できないのは何とも悔しいです。
モンスターガン(セガ、1972)のフライヤー。
(つづく)
【注】遊戯機械年鑑
1969年版の「'69遊戯機械名鑑」を最古として、業界団体が発行する遊戯機械年鑑はたびたびその誌名が変わっており、拙ブログではそれらをまとめて「遊戯機械年鑑」もしくは「年鑑」と称している。
奥のガンゲームですがBallyのSharpshooterと思われます。
同タイプのShooting Galleryほどではないですが、ホテルチラシでもたまに見かけます。
調べてみたところ、BallyのSharpshooterで間違いなさそうです。次回の更新で反映させていただきたいと思います。
1966 クレミー (Cranie) 作: 不明
クレミーは1966年のカタログに登場します。 accs2014 などが共有した写真によると、これは Mini Drive に次いで 1960 年代で最も一般的なマシンの 1 つであるようです。
次の 2 台のマシンが私を悩ませました。 特定を逃れ続けているアーケード マシンはほんのわずかです。
次のマシンにはピンボールサイズのキャビネットがあり、正面にはステアリングホイールが表示されます。 その写真が「ハンドルが付いているゲーム」のカテゴリを作成した理由の 1 つです。 筐体側面のラインワークは1966年のすごろくゲームに似ています。すごろくゲームを発売したカトーかジャパン自販機の未知のゲームなのでしょうか。 単なる推測です。
次のマシンはピンボールの形をしており、アニメーション化されたバックボックスを備えています。 おそらく、アニメーションのランナーが登場する野球ゲームです。 そうでない場合はダービーゲームですが、それらのマシンはそれほど一般的ではありませんでした。
それが確実にわかったら、ブログにメモし、それについて質問するのをやめます。 :)
This mixed lineup of old and new is so odd.
May be the costomers at that time would enough to hear what genle of game machines they dealing.
But it is hard to believe that they dealt with older machines .
It is too hard to specifying the two unidentfied machines.
I thought that one with steering wheels might be identified by the length of the steering wheel shaft, but none of the flyers for this type of machine carry an image that shows even the length of the shaft.
May be that the pinball-like machine in front of one of the sharpshooters is one of the Bat Games of Williams.
I have not been able to confirm if yearbooks for '70 and '71are exist, but I have never seen or heard of them before.
Yearbooks are published by industry associations or their affiliates.
The association who published '69 yearbook is 全日本遊園施設事業協同組合 (JRE).
They also published a magazine "全日本遊園" (you shared it for me).
I have checked all of 全日本遊園 that you shared me, but advertisement for year book is nothing except the May 1970 issue still carries an advertised for the 69 Yearbook. Although It is not sufficient evidence, but at least it could be circumstantial evidence that the 1970 yearbook does not exist.
JRE was dissolved in 1971 and next association 全日本アミューズメント協会(JAA)was established in 1971.
Then, in January 1972, their first industry magazine "Amusement" was launched.
I'm not sure the '71 yearbook was published or not.