水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(27)

2014-11-07 09:55:24 | 古今和歌集
315 山ざとは冬ぞさびしさまさりける 人めも草もかれぬと思えば

冬の歌とてよめる

源宗于朝臣


ただでさえさびしい山村は、冬になると、人は来なくなるし、草は枯れるし、でいっそうさびしい

源宗于(ミナモトノムネユキ):臣籍降下した光孝天皇の孫。古今集に6首採録。示した歌は百人一首にも採録。


今日は立冬(陰暦9月15日)。なので、巻六冬歌の二番目を取り上げた(冬歌の一番目は9/27に示した)。

「いよいよ冬が始まるぞ」というような、緊張感がよく表現されていると思う。


つれづれ思っているのだが、どの歌集であっても、示される歌の順番には細心の注意がはらわれているはずだ。
では古今集ではどうか?巻六のはじまりが上であって、では巻五秋歌下の最後は、どんな歌か?

313 道しらば尋ねもゆかん もみぢばをぬさとたむけて秋はいにけり
おなじつごもりの日よめる
みつね

もみじのはっぱを神様へのおそなえにして、秋さん(擬人化している)は去ってしまうのですね~。彼の行く道がわかれば追っていきたいのですが~(まことに残念、名残惜しい)。

この前の歌(つまり、312)が貫之の歌で、「ながつきのつごもりの日、大井にてよめる」とあるので、陰暦九月末日に詠んだ、とわかる。
そして、詠手は、みつね、つまり、凡河内躬恒だ。


やはり、というか、上に示した巻間のつながりは絶妙、と思うのですが、いかが?


長話になりますが、源宗于の歌もなかなか味があります。

788 つれもなくなり行く人の言の葉ぞ、秋よりさきのもみぢなりける
題しらず
源宗于

(わたくしはどうも現在)冷たくあしらわれているようです。秋になる前に咲いた、もみじだったと気づくべきだったのに~。

これ、巻第十五恋歌五にあるので、振られた女性に対する歌と理解すべきなのでしょう。しかし直感としては、出世できない自分の不遇を嘆いているように思えるのです。








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