日々、思うことをサラサラと。

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まさしく「超絶」でした・・金属工芸

2010年11月25日 | 美術展・本
幕末・明治の超絶技巧
現在、泉屋博古館(~12/12)にて開催中
     
このタイトルは全く大げさな表現ではなく、驚くほど充実した内容の企画展でした。
全ての作品に驚いたのは初めてです。
美術展のようなものは人それぞれ嗜好が違っているので、自分が良かったから
人にもおススメというふうに誘うのは”らしく”ないけど、この企画展だけは
観ておいて他の方も驚くことほぼ間違いないと思う。
器用な日本人ならではの精緻な技がここに凝縮されているようで、
日本人としての誇りさえ過ぎってしまうのだから凄いの一言です。

実は、彩りのない金属工芸というものは私にはちょっと苦手な分野なんだけど、
あるブログで、「入り口すぐの鷲12羽に圧倒!」という記事を見て
ゾクっと期待するものが走った。↓がその入り口すぐの鷲たち。
鷲の後姿が両端しか見えない展示が残念だが。

ズームしてみると・・

下絵には綺麗な組み紐が鷲の足元を抑えている

明治維新後の廃刀令で職を失った金工師(刀剣の鍔などに装飾細工をしていた)は、
その後、その貴重な技巧を金属工芸家として開花させたようだ。
どれもこれもまさしく超絶としか表現しようのない作品ばかり
がズラリと並ぶ。拡大鏡を全てに取り付けて欲しいくらいの細かい繊細な彫りだ。
「雛巣釣花瓶」正阿弥勝義
雛の動きが可愛くてたまらない。網なんて本当に細かい。

「古瓦鳩香炉」正阿弥勝義
瓦の古さをリアルに表現する。瓦の欠けた穴にクモが居ます。
トンボも古瓦で休んでいる。

本物としか見えないカマキリ。

瓢軽な瓢箪・・大好きです、このとぼけた形の瓢箪

「月に雁」図額 加納夏雄
これは、しばし離れられず。一彫り一彫りの線がなんとも優しくてその優しさに温まる。

「芭蕉に蝸牛図煙草箱」塚田秀鏡
芭蕉の葉に小さなかたつむりが止まってますが分かりますか?
うーん、この芭蕉の造形好きだなぁ。

「紳士用時計鎖」沢田寿永
蔦で猿が遊んでいる光景。この構図を時計の鎖の中に収めている・・って凄技!!

「名所図小箪笥」 伝駒井
箪笥といってもリカちゃん人形サイズが使用するような小ささ。その中にびっしり
各地の名所が描かれている(彫られている)もしも、私がこの仕事をしていたら
仕上がり時には狂っていたと思う。
全てにため息がでる。

ポスターにも採用されている「にわとり」は本当に素晴らしかった。
が、鶏は私にとって世にも怖ろしい苦手な生き物なのでここでは画像を割愛する









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