日々、思うことをサラサラと。

日頃、イイな、とかおかしいゾ、とかキレイだなと思うことをサラサラと書き出してみたい。

多輝子ちゃんとセイジと竜二

2005年12月22日 | 映画
今、辻内 智貴さん(1956年生・過去歴シンガー)の本を立て続けに
読んでいる。

この人の本に触れるとこころの芯をそよそよと撫でられたり、
ときにチクリと痛かったりする。ユーモアを感じさせる易しい
言葉で淡々と繋がっていく文章。

セイジは変わっているというよりも「違って」いる。世の中を相手に
土俵の違う格闘技をしてきた人なのかも。物事が見えすぎたり
感じすぎるというのは不幸であるかも知れない。人はある意味、鈍感
だからやっていけるんだろう。ただ、鈍感なものには見えないキレイ
なものがそこには見えてくるんだろうナ。・・それは逆に大変に幸福だと
いうことも言えるかもしれない。 セイジは陸の魚。                                  ・・・・「セイジ」より

「セイジ」の中に収まっているも一つの短編「隆二」も同じような余韻
を残します

「多輝子ちゃん」(2000年・太宰治賞受賞)
高校一年の健全でイイ子の多輝子ちゃん。ある日を境にガラリと変わって
しまった・・・その顛末。そこに至るまでの説明が丁寧で、どういう回路で
人々は思い違いをして行くかということがよく分かる。
けっして人を世の中の思惑で評してはならないという戒めを改に感じる。
思春期の子の硬い思い、柔らかい思いがナゼこの人はここまで真摯に
描けるんだろ。短い文節の中で、ときには一つの言葉の中で、気負わない
フツーの話ことばで素直に気持ちに沿ってくる  ・・・「青空のルーレット」に併録


今まで知らなかったなァ、辻内さん。
まだまだ、知らずにいる秀逸な作品・作者いっぱいあるよナ





コメント    この記事についてブログを書く
« 森田 一義さん | トップ | なごり雪 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。