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モース刑事が気になる

2018年06月16日 | 映画
「新米刑事モース オックスフォード編」 ーイギリスー


タイトルは陳腐でダサいのだがぐんぐん惹きつけられる作品だ。
(カテゴリーを「映画」としてあるがイギリス制作の「TVドラマ」です)
2012年~2018年までほぼ年1回のペースで制作され”シリーズ5”まであるという当地で好評の作品だ。

作品としては先に「主任警部モース」があり、1986~2000年まで長きにわたり放送された作品の主人公刑事モースの
若かりし頃を描いた作品だ。
新米だった頃を初作品1から26年後に制作するという試みが斬新でちょっと驚く。
この新米刑事モース役のショーン・エヴァンスの風情にどんどん惹かれていく。

舞台は1960年代。オックスフォード大学を中退したモースが刑事職というのは異色である。周りの空気ともあまり馴染まない。
熱血感でもないし、アクションもさほどないし・・・と、私好みな展開。
文学を学んでいたモースは”ことば”から受ける洞察力で事件の真相を割り出していく。
犯人の心理を丁寧に追っていく過程が巧妙な作りになっている。
ショーン・エヴァンスは抑えた表情から実に豊かに感情を伝えてくる。余白で観る愉しみを与えてくれる。
上司役のロジャー・アラムもとてもいい味を出している。度量の大きさ・知見の豊かさでドンと構えモースを導いていく。
シーズン1の3話ラストの会話がずしんと響いて何度もモースと警部補の表情・会話をリピートした。

印象深いシーンがある。

ある重い事件解決後に犯人から受けた深い心身の負担にモースは警部補に問う。
(警部補は事件を家庭に持ち込まないという絶対の決まりを設けている)


まともなら誰でもおかしくなる。
腹をくくれ
守るものを見つけろ。と警部補は語る。
守るものがある・・・それがあれば腹をくくれる。警部にとってそれは家族。
”腹をくくる””守るもの”という比較的使い慣れたこの言葉のなんと深いことか。



「見つけました」
「音楽か?一つ一つ音を心に刻みつけろ。どんな闇でもそれは奪えない」

今は音楽。これからモースに腹をくくって守る人が現れるのか?人生の覚悟。

二人の会話はいつも淡々と交わされる。
動作は機敏とは言えないし、けしてイケメンでもない
だがどんどん惹かれる一番の理由はモースには邪念がないということかな。精神の情景が綺麗だ。
優れた洞察力がモースの真骨頂かな。もちろん土台に練りに練られた素晴らしい脚本がある。

シーズン3・4・5はまだ字幕版が出てないのが残念。今年シーズン6も制作しているという。







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