■中国もロシアも民生品の生産に力を入れてはいますが、近代的な市場経済を知らないまま、非効率な計画経済を投げ捨ててしまったので、あっと言う間に経済はマフィア化したり、需給バランスなど考えない歪(いびつ)な産業構造が生まれてしまいました。「計画経済」の反対は「無計画経済」だと思い込んだ人々は、「自由経済」を「放縦経済」か「我が儘経済」と誤解しているようです。
自動車メーカーの業界団体である中国汽車工業協会によると、中国の2006年自動車販売台数は721万6000台となり、日本を抜いて世界2位の市場に躍進した。また、生産台数も727万台余りでドイツを抜いて同3位となった。規模では米ゼネラル・モーターズや独フォルクスワーゲンなど外資との合弁国有企業が上位を占める。それがここ数年、乱立する純国産メーカーが小型車を中心に善戦し、すでに市場の3割近くを奪うまでに成長してきた。
■社会主義経済下の生産活動は、何故か原料の重さで全てが管理されていたそうです。つまり、重たい物をたくさん作るのが好い事だったのですなあ。旧ソ連時代に、ノルマを守るために片方だけのブーツを生産し続けた靴工場だの、重さ1トンの釘を生産した鉄工場だの、ウソのような話があったそうですなあ。農ふら業製品にしても同じ事で、全ては帳簿上の重量が問題でしたから、味や品質は誰も気にしなかったようです。見よう見真似で時代遅れ?の自動車を生産し続けても、それが永久に売れ続けると思い込むのは学習が足りないか、元々、我が儘で欲張りだからかのどちらかでしょうなあ。
国内メーカーは年間販売台数で数十台という会社を含め100社以上がしのぎを削り、新規参入が加速している。例えば乗用車メーカーは01年には20数社あったが、05年に50社を超え、中国の自動車メーカーの数は世界1となった。市場無視の投資拡大の結果、国内の総生産能力は1000万台を超えるのが時間の問題となり、設備稼働率も05年で71・5%の低水準にとどまっている。こうした状況を背景に、各社とも「降価」(値下げ)を武器に過当競争を繰り広げている。昨年12月も国産車50モデル以上が、一斉に数千元から最大3万元(45万円)もの値下げに踏み切った。
■「過剰生産」による値崩れ、それが原因となって企業が倒産、放り出された無産労働者が……。これはマルクスが考えた資本主義崩壊のシナリオそのものです。既に膨大な数の人々が農地を捨てて工場に集まってしまいましたから、工場から放り出されたら本物の「革命の主体」になってしまいますぞ。何処かに仕舞い込んであったマルクスの本やら毛沢東の本を引っ張り出して再読したら、初めて社会主義理論が理解されるのではないでしょうか?社会主義革命を求めて集団が動き始めたら、共産党は「反革命」の罪状で摘発するのでしょうか?何とも皮肉な風景になりますなあ。まあ、それは今のところは妄想でしかないのですが……。
“老舗”の外資系も値引き競争に巻き込まれ、フォルクスワーゲンの中国向け人気車「サンタナ」は発売当初に比べ半値以下に落ちている。自動車価格はかつて発売後3年は維持できたが、今や1年未満で調整を余儀なくされるという。一方、国内市場の過当競争と値崩れから逃れ、輸出で利益を確保しようとする中国企業が急増。現在、メーカーと商社を併せて1175社が海外進出に殺到している。中国商務部によると、輸出台数が年間10台以下の業者が669社、わずか1台の業者となると204社にものぼる。過当競争は飛び火して、昨年の輸出自動車約9万台の平均単価は前年比19・5%も下落し、こちらも採算無視の輸出競争に陥る懸念が広がる。
■「サンタナが半値」というのは衝撃的な話です。ほんの5・6年前までは高嶺の花として輝いていた憧れの車だったはずです。「採算無視」の四文字が無気味です。起業する段階でもマトモな市場調査などしないのですから、こうなるのは最初から分かっていたはずです。欧州に遅れてならじ!と日本の自動車会社も乱入して技術を垂れ流したのですから、ある程度の品質は物真似でも作れるようになったまでは良かったものの、実際には購買層を形成している人々は沿海部の狭い地域に集中しているのですから、面白がって売りまくったら各地で大渋滞と大気汚染が蔓延しますし、交通事故は目も当てられない状況のようです。その購買層に商品が行き渡ったら需要が頭打ちになるのも当然の話で、「西部大開発」の舞台となった中央部から西に広がる国土の3分の2に当たる広大な地域には、まだまだ購買層など育っていません。正にそこから土地を捨てて都市部に人口の大移動が起こっているのですからなあ。
■ならば輸出だ!と言ったところで、メイド・イン・チャイナのブランドにどれほどの力が有るのか怪しいものです。自動車も商品ですから安いに越したことは無いでしょうが、故障やアフター・サービスなどを考えると、少し上乗せして日本製か欧州製を買う人がほとんどでしょう。日本のトヨタが世界一になったのは目出度い話かも知れませんが、ちょっと作り過ぎだと思っておくべきでしょう。先進国の自動車会社は既にインドを目指して流れていますから、中国製の自動車も後を追うのでしょう。しかし、インドは中国からの攻撃を避ける目的でデカン高原の奥地にあるバンガロールに工業都市を造ったくらいですから、中国製は気分的に好まないのではないでしょうか?国境問題も解決していないのに商売上の憎悪まで絡んでしまうと、非常に心配な事が起こりそうですなあ。
このため、商務部や国家発展改革委員会などの当局は、自動車輸出許可のための資格検査を義務づけた通知を発表し、「安かろう悪かろう」の対外イメージを作り出す弱小メーカーの締め出しを狙っているという。
1月29日8時0分配信 産経新聞
■こうなると、「委員会」には溢れるように賄賂が投げ込まれることになるでしょう。「許可証」の偽物が出回るのも間近でしょうし、密輸も盛んになりそうですなあ。世界が「フラット化」するにも、法律と契約を守る共通認識が無いと、信頼も生まれませんし共に発展する関係も生まれないでしょう。凄まじいゼロ・サム競争が始まるのでしょうなあ。
自動車メーカーの業界団体である中国汽車工業協会によると、中国の2006年自動車販売台数は721万6000台となり、日本を抜いて世界2位の市場に躍進した。また、生産台数も727万台余りでドイツを抜いて同3位となった。規模では米ゼネラル・モーターズや独フォルクスワーゲンなど外資との合弁国有企業が上位を占める。それがここ数年、乱立する純国産メーカーが小型車を中心に善戦し、すでに市場の3割近くを奪うまでに成長してきた。
■社会主義経済下の生産活動は、何故か原料の重さで全てが管理されていたそうです。つまり、重たい物をたくさん作るのが好い事だったのですなあ。旧ソ連時代に、ノルマを守るために片方だけのブーツを生産し続けた靴工場だの、重さ1トンの釘を生産した鉄工場だの、ウソのような話があったそうですなあ。農ふら業製品にしても同じ事で、全ては帳簿上の重量が問題でしたから、味や品質は誰も気にしなかったようです。見よう見真似で時代遅れ?の自動車を生産し続けても、それが永久に売れ続けると思い込むのは学習が足りないか、元々、我が儘で欲張りだからかのどちらかでしょうなあ。
国内メーカーは年間販売台数で数十台という会社を含め100社以上がしのぎを削り、新規参入が加速している。例えば乗用車メーカーは01年には20数社あったが、05年に50社を超え、中国の自動車メーカーの数は世界1となった。市場無視の投資拡大の結果、国内の総生産能力は1000万台を超えるのが時間の問題となり、設備稼働率も05年で71・5%の低水準にとどまっている。こうした状況を背景に、各社とも「降価」(値下げ)を武器に過当競争を繰り広げている。昨年12月も国産車50モデル以上が、一斉に数千元から最大3万元(45万円)もの値下げに踏み切った。
■「過剰生産」による値崩れ、それが原因となって企業が倒産、放り出された無産労働者が……。これはマルクスが考えた資本主義崩壊のシナリオそのものです。既に膨大な数の人々が農地を捨てて工場に集まってしまいましたから、工場から放り出されたら本物の「革命の主体」になってしまいますぞ。何処かに仕舞い込んであったマルクスの本やら毛沢東の本を引っ張り出して再読したら、初めて社会主義理論が理解されるのではないでしょうか?社会主義革命を求めて集団が動き始めたら、共産党は「反革命」の罪状で摘発するのでしょうか?何とも皮肉な風景になりますなあ。まあ、それは今のところは妄想でしかないのですが……。
“老舗”の外資系も値引き競争に巻き込まれ、フォルクスワーゲンの中国向け人気車「サンタナ」は発売当初に比べ半値以下に落ちている。自動車価格はかつて発売後3年は維持できたが、今や1年未満で調整を余儀なくされるという。一方、国内市場の過当競争と値崩れから逃れ、輸出で利益を確保しようとする中国企業が急増。現在、メーカーと商社を併せて1175社が海外進出に殺到している。中国商務部によると、輸出台数が年間10台以下の業者が669社、わずか1台の業者となると204社にものぼる。過当競争は飛び火して、昨年の輸出自動車約9万台の平均単価は前年比19・5%も下落し、こちらも採算無視の輸出競争に陥る懸念が広がる。
■「サンタナが半値」というのは衝撃的な話です。ほんの5・6年前までは高嶺の花として輝いていた憧れの車だったはずです。「採算無視」の四文字が無気味です。起業する段階でもマトモな市場調査などしないのですから、こうなるのは最初から分かっていたはずです。欧州に遅れてならじ!と日本の自動車会社も乱入して技術を垂れ流したのですから、ある程度の品質は物真似でも作れるようになったまでは良かったものの、実際には購買層を形成している人々は沿海部の狭い地域に集中しているのですから、面白がって売りまくったら各地で大渋滞と大気汚染が蔓延しますし、交通事故は目も当てられない状況のようです。その購買層に商品が行き渡ったら需要が頭打ちになるのも当然の話で、「西部大開発」の舞台となった中央部から西に広がる国土の3分の2に当たる広大な地域には、まだまだ購買層など育っていません。正にそこから土地を捨てて都市部に人口の大移動が起こっているのですからなあ。
■ならば輸出だ!と言ったところで、メイド・イン・チャイナのブランドにどれほどの力が有るのか怪しいものです。自動車も商品ですから安いに越したことは無いでしょうが、故障やアフター・サービスなどを考えると、少し上乗せして日本製か欧州製を買う人がほとんどでしょう。日本のトヨタが世界一になったのは目出度い話かも知れませんが、ちょっと作り過ぎだと思っておくべきでしょう。先進国の自動車会社は既にインドを目指して流れていますから、中国製の自動車も後を追うのでしょう。しかし、インドは中国からの攻撃を避ける目的でデカン高原の奥地にあるバンガロールに工業都市を造ったくらいですから、中国製は気分的に好まないのではないでしょうか?国境問題も解決していないのに商売上の憎悪まで絡んでしまうと、非常に心配な事が起こりそうですなあ。
このため、商務部や国家発展改革委員会などの当局は、自動車輸出許可のための資格検査を義務づけた通知を発表し、「安かろう悪かろう」の対外イメージを作り出す弱小メーカーの締め出しを狙っているという。
1月29日8時0分配信 産経新聞
■こうなると、「委員会」には溢れるように賄賂が投げ込まれることになるでしょう。「許可証」の偽物が出回るのも間近でしょうし、密輸も盛んになりそうですなあ。世界が「フラット化」するにも、法律と契約を守る共通認識が無いと、信頼も生まれませんし共に発展する関係も生まれないでしょう。凄まじいゼロ・サム競争が始まるのでしょうなあ。