■1月18日のラジオ・ニュースを聴いていましたら、「日銀は利上げを見送りました」と耳を疑うような話に、一瞬頭の中が真っ白になってしまいました。素人ながらも、まだ利上げには踏み切れないだろうなあ、と特に明確な解釈も付けられないまでも、新聞や雑誌を拾い読みしながら確信に近いものを感じていたのに、1月17日の朝日新聞一面を見て自分の無知を大いに恥じ入って反省すること頻(しり)りであったのでした。米国の市場では、「日本の利上げは無い」との空気が満ちているという報道がちらほらと伝えられていましたからなあ。
「日銀、利上げへ」
政府に容認論広がる
0.5%に延期請求行使せず
横一段に白抜き大見出しと、縦組みの小見出しが自信たっぷりに印刷されていたのが1月17日の朝日新聞紙面です。2面の『時時刻刻』という特集でも、日銀と政府の動きを詳細に?追跡して解説が掲載されていたので、やはりプロの取材は素人には分からない「深部」に及んでいるのだなあ、と感心した読者は多かったのではないでしょうか?
日本銀行が17、18日の両日の金融政策決定会合で、昨年7月のゼロ金利解除後初の利上げを決めることが確実になった。金融政策を決める9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)は「息の長い景気拡大が続く」との判断でおおむね一致しており、福井俊彦総裁が利上げを提案すれば賛成多数で可決される。……
■このような断言口調でリードに書かれているのですから、政策委員と福井総裁から何らかの有力な話を聞いていたと、読者は考えてしまいます。米国のアナリストが何を言おうと、自民党の中川幹事長がどんな嫌みや脅しを口にしようと、日銀には日銀独自の判断と決断力が有るんだ!という立派な話になっていると、誰でも思ってしまいます。素直に記事を読めば、「福井俊彦総裁が利上げを提案」する腹を決めているような印象を受けるのは避けられませんぞ!こうした流れの源は、どうやら12日に開かれた日銀の支店長会議での発言であるらしいのですが、「いざなぎ越え」だの「堅調な景気回復」だのと折に触れて日銀は言い続けて来たのを裏打ちするような報告や分析結果が並べられたそうです。
■でも、利上げの追い風になる話のほとんどは、細々とした指標や数値からの推理だったようですから、同じデータでも解釈する人が変わればまったく逆の結論を導くのも可能でしょう。この記事が書かれた17日段階でも、注意深く読めばあちこちに「不透明」という便利な単語が挟み込まれているのです。つまり、数種類の指標の中には景気回復を疑問視せざるを得ない意味を持つ数値が含まれていたのです。誰もが異論を挟めない「客観的事実」として支店長さん達が異口同音に指摘したのが、「全国各地で『福袋』が飛ぶように売れている」という現象だったとの報道が有りました!それが消費者マインドが変わった証拠だと皆が言い出して、そうだ、そうだと安易に追従する意見が続出すれば、誰も別の解釈を出せなくなる程度の会議なのかも知れませんなあ。
「日銀、利上げへ」
政府に容認論広がる
0.5%に延期請求行使せず
横一段に白抜き大見出しと、縦組みの小見出しが自信たっぷりに印刷されていたのが1月17日の朝日新聞紙面です。2面の『時時刻刻』という特集でも、日銀と政府の動きを詳細に?追跡して解説が掲載されていたので、やはりプロの取材は素人には分からない「深部」に及んでいるのだなあ、と感心した読者は多かったのではないでしょうか?
日本銀行が17、18日の両日の金融政策決定会合で、昨年7月のゼロ金利解除後初の利上げを決めることが確実になった。金融政策を決める9人の政策委員(正副総裁3人と審議委員6人)は「息の長い景気拡大が続く」との判断でおおむね一致しており、福井俊彦総裁が利上げを提案すれば賛成多数で可決される。……
■このような断言口調でリードに書かれているのですから、政策委員と福井総裁から何らかの有力な話を聞いていたと、読者は考えてしまいます。米国のアナリストが何を言おうと、自民党の中川幹事長がどんな嫌みや脅しを口にしようと、日銀には日銀独自の判断と決断力が有るんだ!という立派な話になっていると、誰でも思ってしまいます。素直に記事を読めば、「福井俊彦総裁が利上げを提案」する腹を決めているような印象を受けるのは避けられませんぞ!こうした流れの源は、どうやら12日に開かれた日銀の支店長会議での発言であるらしいのですが、「いざなぎ越え」だの「堅調な景気回復」だのと折に触れて日銀は言い続けて来たのを裏打ちするような報告や分析結果が並べられたそうです。
■でも、利上げの追い風になる話のほとんどは、細々とした指標や数値からの推理だったようですから、同じデータでも解釈する人が変わればまったく逆の結論を導くのも可能でしょう。この記事が書かれた17日段階でも、注意深く読めばあちこちに「不透明」という便利な単語が挟み込まれているのです。つまり、数種類の指標の中には景気回復を疑問視せざるを得ない意味を持つ数値が含まれていたのです。誰もが異論を挟めない「客観的事実」として支店長さん達が異口同音に指摘したのが、「全国各地で『福袋』が飛ぶように売れている」という現象だったとの報道が有りました!それが消費者マインドが変わった証拠だと皆が言い出して、そうだ、そうだと安易に追従する意見が続出すれば、誰も別の解釈を出せなくなる程度の会議なのかも知れませんなあ。