昔、雑誌が面白かった理由を思う

　昔の男性雑誌、１９９０年代のポパイ、ホットドッグプレス、そしてブーンは眺めるだけですごく面白かったですね。

　それは記事の中身ではなく、雑誌そのものにある種の「無駄」があったからだと思うのです。

　それは特集記事とは関係のない代物、つまり

　１・読者ページでお便りを紹介し、編集部員がチャチャを入れる
　２・日焼けマシーン、ムダ毛処理マシーン、怪しい通信販売などの広告
　３・靴屋やジーパン屋の通販広告

　など、それらは多岐にわたります。

　また資生堂やマンダムは新しいムースやシャンプーの広告も出していましたし、またそれらの広告を見て僕たちも店頭に通ったものです。

　単純に見ていて楽しい。

　それがかつての雑誌でした。

　今はどこか洗練されすぎているようにも見えますし、雑誌を眺めること自体がなくなりつつあります。

　サッカー雑誌もあれだけあった通販広告は無くなりましたし死ね。

　いま、多くの編集部が「おまけ」をつけることで販売部数を維持しようとしています。

　もし、僕がサッカー雑誌に付録を求めるならば、スパイク、ジャージカタログですね。

　サッカー・ダイジェスト、サッカーキングにしても、度々ギア・カタログをおまけ、中づりにして特集しますが、ＤＶＤやランドリー・バッグなの実用品よりも面白いと思います。

　カタログを読む、読んで想像する。

　こうした楽しみが雑誌の担ってきた役割だと思いますしね。

僕が思う、今後のサッカー雑誌のあり方

　フットボール批評が田崎健太氏執筆の下、日本のサッカー専門誌が多くの架空インタビューを行っていると告発しています。

　そして指摘されたワールド・サッカーキングの編集長である岩本義弘氏が、田崎氏の見解に対して反論を試みました。

　僕が感じたことは

　１・このような議論があっても良いということ
　２・雑誌、書籍という媒体が衰退化しているうえで、インタビューのねつ造は致命的である
　３・Jリーグ、海外サッカーを扱うテレビ番組でも、この件に検証が必要であるくらいの大きなトピック

　という３点にあります。

　雑誌社にはやはりエージェントとの人脈があるでしょうし、コーディネーターやカメラマンの手配など、記事を執筆するうえで大事な要素は幾重にもあります。

　その中で、取材申請や代理人とのかかわりあいは、各編集部にとって

　「企業秘密である」

　ことに間違いはない、と思います。

　僕は両氏の見解のうち、どちらが正しい、不適切、ということを実は気にしていません。

　このような記事のありかた、出版の方法について様々な出来事があることが明るみになったこと、良い書籍を生み出してファンを喜ばせたい、雑誌の衰退をとどめたい。

　というプラスの方向に向かっていてくれたら。

　そう感じています。

　岩本氏の見解を得て、田崎氏にも思うところがあると思います。

　ですから僕たちは、両者の言い分を十分確認し、あり方を捉えるべきだと思います。

台風が多い今年を顧みて

　僕は幸運にも休日でして、台風の影響が受けていません。

　千曲市を含む長野県内にも、多くの注意報が発動されており、いまは避難所にいる方も多いのでしょうか。

　日本は古来より水害、冷害、火山噴火など自然災害が多いこともあり、稲作が大きな打撃を受けてきました。

　今は品種改良が発達していますが、米が禄高となっていた江戸時代は、本当に大変だったと思いますし、貿易先が中国とオランダだけでは、緊急時の食料確保ができません。

　ローマも建国後、小麦が不作の年がありましたが、その時はシチリアやアレクサンドリアから輸入し、小麦の高騰と安定供給を目指しました。

　今回の台風が農作物に与える影響が懸念されます。

　サッカーを見ていると、自然に他の地域のことも気になります。
　
　ロアッソの奮闘ぶりが気になったという方も多いでしょうし、今回、以前の豪雨で大変な目にあった地域のクラブ、例えばコンサドーレやグルージャなどの取り組み。

　これらはきっと

　サッカーが手を取り合う仲
　困ったときはお互いさまという日本古来の伝統

　が現代によみがえっているように感じます。

　台風が終われば、今度は霜や大雪が懸念される時期になります。

　サッカー好きは自らスコップをもってスタジアムの雪かきをしますが、２０１４年のような例もありますから、リーグの運営担当者も大変でしょうね。

日本には、交渉の機会がまずはない

　日本は「交渉を必要としない国」ですよね。

　例えば今日の荒れた天気でバス、飛行機、電車が時刻表通りに運航しなくとも、代理の足が提供されますし、少なくとも自分で代替案を考えることができます。

　物事が基本、約束された形で進む。

　これは世界でも稀な例でしょうか。

　日本人が外交やサッカーの代理人のように、交渉をして物事を進むことが不得手なのは、こうした日常生活の中で取り組む必要がないためです。

　だからこそ日本は

　１・２００２年の韓日ワールドカップ、２０１９年のラグビー・ワールドカップの開催
　２・多くの五輪と万博の開催

　が出来たわけです。

　つまり、締め切りを守らなければそこで交渉が発生しますし、賃金問題で揺れれば再度交渉が生まれますが、基本、日本は納期と賃金で揉めることはありません。

　ミノ・ライオラとジョルジュ・メンデス。

　サッカーの世界で暗躍する代理人として、彼らを連想する方は多いと思いますが、両名が外国語にたけていることも確かです。

　一方でイタリア、ポルトガルでは日常で、議論と交渉が数多く行われているのでしょう。

　フランスでは街頭に娼婦がたっているそうですが、男性は彼女とすぐに行動できるわけではなく、支払う料金を含めて様々な交渉をやってのける必要があると聞きました。

　こうしてみると

　メカニズムが整った国に住むことは、むしろマイナスなのだろうか

　と感じてしまいます。

サッカーから浮かぶノスタルジー

　サンプドリアといえばアシックス
　ユナイテッドといえばアンブロ
　ミランといえばロット
　レアルといえばケルメ

　というように、ある種のノスタルジーを連想させる契約がサッカーにはあります。

　一方でミランは過去アディダスとカッパ、ユナイテッドもアディダス時代がありましたから、現行の契約が元に戻った、という見方もできます。

　サンプドリアはいま、スペインのホマと契約しています。

　もし仮にアシックスと再度契約したら、オールド・ファンは大喝采ではないでしょうか。

　グリット、ヴィアリ、マンチーニにロンバルドなど、多くのイタリア代表が所属し、アシックスのジャージに袖と通してきました。

　とりわけ、胸元をっレースアップにした独特のデザインを、覚えている方は多いと思います。

　アシックスはイタリア全般で人気があり、トリノやレッジーナもアシックス時代がありましたね。

　ロットもマインツやラ・コルーニャなど、渋いクラブとの契約で話題ですが、やはりミラン時代の面影は今でも大きいと思います。

　スパイクでもナイキとけんか別れしたトッティが、ディアドラを経由してまたナイキと契約したように、過去のスポンサーと再度握手することは、恥ずかしい事ではありません。

　ユヴェントスがカッパ、アントラーズがエネーレという時代があったことも確かですが、サッカーでも実生活でも、やはり大事なのはいまですからね。