遠藤家の墓は、徒歩十五分程の新寺に、父母は葛岡に、義兄
の墓だけは不忘山の麓にあるので当然、春の彼岸は雪を掻き分
けての墓参りとなる。不忘山へ向かう途中の山林は未だ枯れ木
であるが、晴れた青空に透けて見えるまんさくをみつけては春
の訪れを実感する。その先には父の大好きだった残雪の蔵王が
光っている。(遠藤玲子)
の墓だけは不忘山の麓にあるので当然、春の彼岸は雪を掻き分
けての墓参りとなる。不忘山へ向かう途中の山林は未だ枯れ木
であるが、晴れた青空に透けて見えるまんさくをみつけては春
の訪れを実感する。その先には父の大好きだった残雪の蔵王が
光っている。(遠藤玲子)