MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

大造じいさん(当時36〜37歳)

2017年11月01日 | BOOKS
 娘が宿題で「大造じいさんとガン」を音読しているとき、ふと気付いてしまいました。
 ガン狩りのエピソードの当時、大造じいさんはまだ「じいさん」ではなかったことに……。
  
 小学校5年生の国語の教科書、光村図書の『国語 五 銀河』に掲載されている、椋鳩十 作「大造じいさんとガン」。
 私が小学生のころも、長男次男が小学生のころも音読をしていたはずなのに、今までずっと「ガン狩りをする老狩人」のイメージで読んだり聞いていました。

 しかし、前書き部分から年齢が分かる文を抜き出してみると、
 「じいさんは七十二さいだというのに」
 「今から三十五、六年も前、(中略)ガンがさかんに来たころの、ガンがりの話もありました」

 計算すると、「72-35=37」「72-36=36」
 つまり、大造じいさんの年齢はガン狩りをしていた当時は36歳・37歳

 小学生からしてみたら、お父さん世代。もしかしたらお父さんよりも若いかもしれません。
 最後まで「大造じいさん」と呼んでいるので、そんな若い狩人をイメージしていませんでした。
 小学生からしてみたら「若い」とは思わないのかもしれませんが、親世代になってみるとビックリするほど若く感じます。

 このお話は1941年(昭和16年)に雑誌「少年倶楽部」に初出。
 現在ガン狩りは禁止されているそうですが、それでも教科書に掲載され続ける理由が分かる気がします。
 命と情熱をかけた真剣な知恵競べ。ほかのお話にはない魅力が、たしかにあるのでしょう。

 それにしても。
 30代後半の壮年の狩人である「大造さん」を想像し直すと、ちょっとお話のイメージが変わる気がします。
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