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『みんなで考える こんなときどうするの?  - 図書館における危機安全管理マニュアル作成の手引き』

2015年06月10日 | BOOKS
『みんなで考える こんなときどうするの?  - 図書館における危機安全管理マニュアル作成の手引き』
著者・編者:図書館政策企画委員会『こんなときどうするの?』改訂版編集チーム編
発行:日本図書館協会
発行年:2014年10月


 図書館でトラブルがおきたらどうするか。
 図書館職員だけでなく、子どもと一緒に利用する保護者にとっても、自分の利用している図書館にある危険を知ることのできる良著です。
 「図書館戦争」シリーズのように訓練された隊員がいるわけでもなく、女性が多い職場でもある図書館での危機安全管理は、図書館だけでなく多くの公共施設・商業施設で参考になると思います。


 「こうすれば大丈夫」「これが正解」と示してくれる本ではありません。それぞれの図書館は、施設の形も職員の配置も違いますし、基本的な対策法は示せても、さらに独自のアレンジが必要になるからです。
 この本は、あくまでも「あなたの図書館に最適な危機安全管理を考えていきましょう」という、「みんなで考える」ための手引き書になっています。

 取り上げられているトラブルの例を挙げてみると、

・クレームにはどう対応する?
・ケンカがおきたら?
・急病人(急死)が発生したら?
・酔っ払いや居眠りへの対応は?
・利用者・職員に危害が加えられたら?
・ストーカーや子どもの放任にはどう対応する?
・認知症や自閉症の利用者への対応は?
・災害が起きたら?

 そのほか、個人情報管理やSNSでの不適切な書き込みなどについても問題提起があります。

 そして、それぞれのトラブルについて、下記のような項目で説明があります。
 ◆問題提起
 ◆対処と対処のポイント
 ◆予防と備え
 ◆さらに考えておきたいこと
 ◆参考文献
 ◆参考サイト
 ◆関連法規(対処の根拠となる法律など)

 「法律ミニ知識」やミニコラム、2009年から2014年までに実際に起こった各地の図書館における危機事例も、非常に興味深いです。


 大切な図書館だからこそ、良き利用者でありたいですし、いつまでも利用しやすい図書館であってほしいですね。
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