行雲流水

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山本秀順師が平和を語る

2011年07月26日 | 禅の心
私、若いときに、留置所に入れられたことがございます。戦争に反対したからであります。そのときに体験した心と体の関係を申し上げたいと思います。
私が、なぜ戦争に反対したかと申しますと、生き物の命を大切にすることが、仏教の精神だからであります。仏教の精神の柱は「愛情」です。ですから、お釈迦様は二百五十戒、三百戒といわれる戒律の第1番に不殺生戒をもってこられました。戦争は、人を殺せば殺すほど勲章がもらえるわけですから、私は戦争に賛成できなかった。当時、戦争反対者は国賊であります。
6ヶ月間、留置所に入れられ、からだじゅうが、皮膚病に冒されました。薬をくれ、というと、
「国賊につける薬はない」
身も細ってまいります。



【言葉を味わう】
平和を守ることは、生命を尊重すること。山本秀順師は、それをひたすら守り抜いたのです。平和を渇望して、戦争に反対することは、仏教者、宗教者として当然のことであるべきですが、投獄されてまでそれを実行することはなかなかできるものではありません。
平和、不殺生は釈尊の第一の精神です。平和を守ることができないのなら、それは仏教者ではありません。

【山本秀順師略歴】
1912年 生まれる
戦時中、反戦に邁進する
1996年 遷化
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