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ワークスチームの完全復活?

2015-02-09 06:32:02 | モータースポーツ
  6日、ヤマハ発動機が「国内外レースに出場する2015年ヤマハ主要チームの体制について」を発表した。
ヤマハ(発)は毎年レース計画を発表しているが、今年のレース計画の注目点は全日本ロードレース及びモトクロス選手権に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」参戦とあったこと。いよいよ、ヤマハが全日本選手権にワークスチームを参戦させる。昨年までのヤマハ全日本レース活動目的は、ヤマハ広報資料によると、「ヤマハバイクの専門販売店「YSP」がメインスポンサーとなり、コース近隣の「YSP」の販売店主等が監督を務める」とした、多分、工場側の支援を受けて販売店が主催する参戦レースだったようだ。これに対し今年は、「チャンピオン獲得とともに、実戦を通じた技術開発やノウハウの蓄積を行い、これらを市販車の開発にフィードバックする」とワークス参戦目的を鮮明にした。ヤマハ全日本はロードレース、モトクロスともワークスチームとして完全復活だ。

全日本モトクロス選手権は、ホンダ(HRC)につぐヤマハワークス活動再開で、より一層緊迫したレース展開が期待できそうだ。
数年前に復活したホンダ(HRC)の全日本ワークス活動は、初年度こそ惨敗を期したが、翌年からホンダらしいレース展開でチャンピオンを獲得し続けている。今年から打倒ホンダをめざし、ヤマハがワークス活動を展開する。これが起爆剤となって低迷中の全日本選手権が賑やかになり、かっての全盛期時代を彷彿させる全日本復活のきっかけになることを、多くのモータースポーツファンや関係者は期待していると思う。

加えて、全日本のロードレース選手権でもヤマハはワークス活動を展開するとある。全日本選手権は、全てのワークスチームがその活動から撤退して以来の長期間、プライベートチームを主とした活動の場となっている感があった。時々見るパソコン観戦では観客の大歓声の姿は殆ど映ることもなく寂しかった。しかし、ヤマハのワース活動が起爆剤となってホンダ(HRC)もワークス活動を再開すればモータースポーツファンにとってはこれ以上の喜びはないだろう。更に言えば、鈴鹿8耐でのワークスチームの再登場が現実化すれば、よりエキサイトした面白いモータースポーツが日本で本格的に展開する。と言うのは、昨年(2014年)の8耐をTV観戦しての印象記として、当ブログで下記のように書いたことがある。「数年前から日本4社は、いわゆるワークスチームを8耐に出場させていない。かってはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキから 計11~12チームのワークスチームが出場し、それこそ激しい火花を散らす強烈なインパクトがあったが、最近はワークスサポートと称し、本社がワークスマシン等を系列の支援チームに貸与する形式に変わったようだ。今年の入場者数は昨年より多い見込みだと、あるFBに投稿されていた。盛り上がりつつある鈴鹿8耐は日本の二輪モータースポーツの頂点に立つレースであり、日本の二輪業界の発展のためにも鈴鹿8耐の成功を切に願って止まない。更に言えば、ホンダHRCが再登場すれば8耐は一層引締り緊迫感が出ると思うが、ホンダ系のプライベートチームが連勝している範囲では、HRCの出番はないのかな~。」。 今回のヤマハレース体制発表会は鈴鹿8耐ワークス参戦までを言及していないが、しかし、ロードレースの分野でヤマハが他を蹴散らし勝ち進めば、HRCのワークスチームは早晩出てこざるを得ない。我々は二輪各社がしのぎを削る頂点を見たいし、それが楽しみだ。

ところで、ヤマハレース体制発表に関し、あるモータースポーツジャーナリストは「ヤマハワークス完全復活」と表現していたので、私もそれに準じた。と言うのは、過去、あるレースチームの活動発表をワークス活動復活と報道した記事があった。すると、長年モータースポーツを取材してきた複数のジャーナリストからこのチームはワークスではないはずだという反論が投稿され、更に今後そのメーカーのワークスが参戦すれば、これをツルー(真実)ワークスチームとでも呼ぶのかと言う、笑い話のような記事があった。 多分、これを意識してのワークス完全復活と言う表現になったのだろう。これは、レース活動の主管部門と目的の説明が不明瞭だった事が、こういった誤解を生む主因だと思う。つまり、レース参戦結果の最終責任は誰かと言う事だ。レースは天候のせいにも、景気の悪化や突然の政策変更も理由にならない、競い合う条件は皆同じだから、その中で最善の結果を出す。敵失で期せずして勝つことだってある。だけど、誰がその企業の看板を背負って戦い、如何なる目的を達すべき責任者かと言う事だと思う。

ワークス活動の定義について、ウィキペディアは『ワークス・チームとは、2輪及び4輪の自動車等製造会社が、自己資金でレース参戦する場合に、そのチームを指す名称』と定義している。また、二輪、四輪部門のモータースポーツ分野を長年牽引してきたホンダの「ホンダMotoGP学科ーチームの話」によると、
『ワークスチームとは、マシンを製造しているメーカーが直接チームを運営してレースに参戦する形態を指す。メーカーのファクトリーと直結していることからファクトリーチーム、という呼称が用いられることもある。 そのメーカーが製造するマシンを、リースや購入という形で供与を受けて参戦しているチームはセミワークスもしくはサテライトチームと呼ぶ。・・(略) 2008年までワークスチームが参戦していたカワサキのマシンを使用し、 09年に参戦したハヤテ・レーシングチームは、 分類上は変則的サテライトチームということができるだろう。』

つまり、ワークス(ファクトリー)チームとは、マシンを製造しているメーカーが自社開発製造したワークス・マシンを使用して自費で直接レース活動を行うチームを言う。また、同じマシンを製造しているメーカーでも、社内の有志やクラブ活動の一環として構成されたレースチームはプライベートチームとして識別するのが一般的であり、工場からマシン等資材や資金などの提供をうけたチームも同様にワークスチームとは言わずワークスサポートチームやセミワークスと一般的には呼ばれている。「実質ワークスチーム」なる語は存在しないと思っている。だが過去に、実質ワークスチームだとする意味不明な報道があった事に少々驚いたが、レース活動の好き嫌いを別に置いても、レース活動は、メディア報道に日常的に頻繁に出てくるので、ユニクロの広告紙の如く毎週新聞と一緒に投げ込まれて目に触れれば多少気になるのと同様に読者は気にしている。ましてや自分がそのメーカーのユーザーであれば尚更気になるものであろう。だからこそ、チームから発表される内容は正しく伝えられる事が重要だ。


                           
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