現地時間9日、テキサス・レンジャーズ対シアトル・マリナーズの一戦が行われた。
この試合だけは観たくて用事を先に済まし、ワクワクしながらテレビの前に座ってMLBを観たいと思ったのは久し振りだ。
ネット記事から:
「この試合でメジャー初登板を果たしたダルビッシュは、地元ファンの大歓声に迎えられてマウンドに上がったものの、
序盤から制球が定まらず初回に4点を許す苦しいピッチング。
2回以降も、イチローや川崎にも打たれ、ボール先行の苦しい展開。3回まで毎回得点圏にランナーを許す投球が続いた。
序盤で5点を与えたが、レンジャース持ち前の強力打線がダルビッシュを援護。
中盤以降次第に立ち直ったダルビッシュは、6回途中で勝ち投手の権利をもったまま、スタンドのファンのスタンディングオベーションに迎えられてマウンドを降りた。
試合は11-5でレンジャースがマリナーズを下し、ダルビッシュがメジャー初登板で初勝利を飾った。」
★初登板の出来を、テレビで大きく報道されただけに期待も大きかった。
メジャーをキリキリ舞いする姿をテレビで観たい。
「日本のプロ野球界には相手する選手がいない」、「もっと自分の可能性を試したい」と、ダルビッシュは言う。
そーであればメジャーで本格的に活躍してほしいと皆思ったはずだし、ダルビッシュだったら大丈夫だろうと思ってテレビをみていた。
そんな思いは、「エーッ!」で裏切られることになった。
初回大乱調で押し出しを含む4失点。ストレートが高めに浮きまくり、ストライクが入らず、まともな組み立てすらできない内容。
川崎に押し出し四球を与えるあたりは目を覆うばかりだった。こんな場面、ソフトバンク戦でも考えられなかった。
打者10人、42球を要して、やっと1回が終わった。
それほどダルビッシュのデビューはひどいものだった。
2回にも1点を失い、3回1死からヒットとフォアボールで1、2塁のピンチを切り抜けて持ち直した。
連続8人のバッターを打ち取って5回を終わったときは98球だったので、当然交代だろうと思ったのが、継投。
相当に緊張している様子がテレビを通じても感じられ、日ハムで活躍していた時の堂々とした仕草がなく、少しおどおどした様子にさえ思えた。
何せ制球が定まらずボール先行の苦しい立ち上がりで、打たれ続け、がっかりした。
勝ち投手になるにはなったが、制球力の定まらないダルビッシュを強力な攻撃陣が助けただけ。
しかし、ダルビッシュの好いところは、制球が乱れても、打たれても、失点しても、決して下を向かなかったところは素晴らしい。
監督/コーチの評価もそれほどネガティブなものではなかったようだし、誰がどう見ても、立派に通用するだけの力を持っているのだから、次を期待というところか。
少なくとも、松坂より数段上なんだろう。
数日前に投げた、マリナーズのサイヤング投手フェルナンデスの方が遥かに制球力やボールの威力もあった。
しかもMLBにはフェルナンデス級の投手はまだまだ沢山いる。
サンフランシスコ・ジャイアンツのリンスカムはNo1の投手だと思うし、彼以外にもサバシア、サンタナなど優れた投手がMLBにはいる。
少なくとも、彼らと同等に投げてくれ。
優れた能力をもった希有の選手と信じているから。
★イチローは大リーグ初登板のダルビッシュから3安打を奪った。
イチローに打たれマウンドから降板するダルビッシュを、一塁ベース上から見ていたイチローをテレビが写していたのが印象的だった
その時の様子をイチローの談話から:
「ダルビッシュから3安打を放ったことには多くを語らず、降板する時の様子が「一番印象に残りましたね」と話した。
「ダッグアウトに下がっていくとき(ファンに向かって)帽子を取らなかった姿がすごくよかった。この内容では…というプライドが見えた」
「あれだけ歓声を浴びて、グッと何か内に秘めているものがあったはず」と、納得のいかないメジャー初勝利となった、右腕の気持ちを推し量った。
★確かに大リーグ初登板は散々なデビューだったが、それでもダルビッシュは優れた大投手だと信じている事がある。
昨年6月15日の対阪神戦でダルビッシュが投げた試合のことだ。
この試合、ダルビッシュの連続イニング無失点を阪神が阻んだ試合だったのだが、ダルビッシュのボールの威力は抜きんでていた。
バッテリーエラーで入った一点だったが、こんな形でないとダルビッシュからは点が取れない。
そして、7回のダルビッシュ、檜山に死球を与えた後、檜山に向かって、「すみません!」 と大きな声で言って頭を下げていた。
発した言葉もテレビからはっきりと読み取れた。
死球を与え、「すみません」と大きな声で謝る投手など、あまり聞いた事がなかったので、
この時ほど、ダルビッシュは球界一の選手だと思わせたし、人格的にも好感を持てる日本プロ野球界の至宝だと評価されて当然だと思った。
★一方、米経済誌フォーブスは4月9日号で大リーグの経済事情を特集している。
年収上位10選手では、イチローが2450万ドル(約20億1千万円)で4位に入った。
年俸のほかに約700万ドルのスポンサー収入があると伝えた。
トップはヤンキースのロドリゲス内野手の3200万ドル(約26億2千万円)。
2位はマウアー捕手(ツインズ)、3位はジーター内野手(ヤンキース)が続いた。
グローバルスポーツビジネスが大きく展開している。
欧州サッカーチームでの日本人の活躍や女子ゴルフの宮里藍の活躍を見ると、日本以外の外側の場所に日本人の活躍の舞台が既に移行していて、
そちらでの活躍のほうが魅力的で輝かしい、ということを選手もファンも、分かってしまった。
日本がグローバルスポーツの場になっている唯一のスポーツは大相撲だけ。その頂点に君臨するモンゴル人の白鵬が日本の伝統文化を完全に体現している。
★ところで、話は変わるが、『ダルビッシュ有」という名前の意味について』に名前の由来が投稿してあった。
少々難解だが、面白いので転載する。