しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

鋳掛屋(いかけや)

2023年09月29日 | 失われた仕事

日本の経済成長が始まると、
それまでの生活様式だけでなく、モノに対する思考も変っていった。
家にある鍋や釜やヤカンは、
(何度も何度も何度も修理され、最後にはクズ屋に売られ、溶かされていたが)
何かあると、新しいモノに買い換えられていき、古いモノはすぐに廃棄物となった。

 

・・・

(父の話)


談・2002.10.14

鋳掛屋


鍋ややかんを直しにきょうた。
してるようになってから来んようになった。

蝙蝠傘を直す人もきょうた。

 

・・・


「金光町史」


行商のほか、職人もたくさん回ってきた。
鋳掛屋、桶屋、羅宇屋(らうや)、石屋、時計や洋傘の修理屋などが農閑期に家々を回っていた。

 

・・・


「昔のお仕事大図鑑」 日本図書センター  2020年発行


鋳掛屋


直すものは、鍋ややかん、釜などが多かった。
昔の鍋ややかんは、今より質が悪く、よく穴があいた。
鋳掛屋は,火を起こす小さなふいごなどを乗せた自転車やリヤカーで、町を回りました。

 

 

・・・


「昭和の消えた仕事図鑑」  澤宮優  原書房 2016年発行

鋳掛屋(いかけや)

鍋や釜など胴や鉄でできた容器の漏れに、白鑞(シロメ)・・錫と鉛の合金・・を溶かして入れて、穴をふさぐ仕事。
ふいごを持ち歩き、行商のようにその場で直すことも多かった。

「いかけ~、いかけ~」の声を聞いて、家庭の主婦が壊れた鍋や釜をもってきて、その場で修理してもらった。

戦後になってアルミで作られた金物が流通すると、
鋳掛屋の技術では修理できなくなった。
また値段も安くなったので、買い換えることが可能になった。

・・・


「昭和の仕事」  澤宮優 弦書房 2010年発行

鋳掛屋


穴の開いた鍋、釜、鉄瓶を修理する仕事。
天秤に小型の鞴(ふいご)や小道具をぶら下げて一軒一軒を回った。
もとは鋳物師から分かれた仕事。
鉄の鍋は裏側が酸化したり、黒くなったり、穴が開いたりした。
その穴を鋳掛屋が塞いで直した。
小さな穴は、鉄かアルミの棒で塞ぐ、
大きな穴は、まず周りをきれにに四角や丸に切り取って、
そこにブリキの板をはめ、最後に半田付けした。
庶民は何度でも直して使った。

・・・

 

 

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