しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

占守島②失われた北の故郷

2018年01月24日 | 占守島の戦い

「北海道の歴史」山川出版社・昭和44年発行 より転記する

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失われた北の故郷

昭和20年8月15日、悪夢のような戦争は終わった。
しかし、北海道の周辺は、むしろそのあとで戦闘がおこなわれたのである。

8月17日、樺太へ侵入したソ連軍とのあいだに、18日には北千島占守島に上陸したソ連軍をむかえて激戦がおこなわれた。崩壊状態の大本営停戦命令が、末端まですみやかに伝達されなかったためである。
まさに、あたら死なずにすんだ尊い生命が、8月15日後の数日に多く失われたのである。

北千島守備隊は、ニュースとして終戦を知っていたが、命令のないまま迎撃し、18日夕刻にいたって停戦、全千島の日本軍は29日までに武装解除された。

島民たちの約半数は小舟で根室方面へ脱出したが、残った住民は、翌翌年、樺太経由で強制送還されたのである。
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