しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「父の野戦日記」①待ちに待った出征の日は来た

2022年08月05日 | 盧溝橋事件と歩兵10連隊(台児荘~漢口)

昭和13年5月3日、大日本帝国陸軍第十師団歩兵十聯隊の父は、中国大陸に向け岡山の聯隊を出発した。
父の筆からは、胸の鼓動が聴こえるぐらい気持ちが高騰しているのが見とれる。
新兵で入営5ケ月での野戦、無理もない。

 

(徴兵検査)

 

・・・・

「父の野戦日記」


新亜細亜の動きは日一日と深刻、決裂を深めている。
いよいよ壮士・先輩・諸賢の元に往くことにあいなる。
5月3日、来たるべき日はきた。待ちに待った出征の日は来た。
満場の声に送られつつ、なつかしい兵舎を後にし、戦友と別れをつげ自動車にて一路駅頭に向かう。
早朝より揺る雨は矢のごとく、僕らの出征を祝福するかのごとき岡山駅プラットホームを離れた。
時まさに岡山駅零時16分。ああ、これまさに最後だ。
歓送の音楽の音に万感の音、耳に満ち ただ一筋に心はおどる。
ああこれが彼女との最後の決別か!
「お元気でね」
汽車は一路山陽本線を南下しつつある。

 

・・・・

 

「1億人の昭和史・2」 毎日新聞社 1975年発行

盧溝橋には、満州事変のような”計画性”はない。
日中両国とも戦争を避けようとしながら、ずるずると深みにはまっていった。

 

 

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甲州名物ホウトウ料理

2022年08月05日 | 令和元年~

前月、生まれて初めて「山梨県」の地を踏んだ。

観光本に、山梨名物”ホウトウ”が大きく載っていたので、甲府市に着くと、ホウトウのお店に入った。

初めて食べるホウトウは”ぼっけい”美味かった。

次に山梨を訪れることがあれば、是非とも食べたいが、残りの寿命を思えば二度目はもう無さそうだ。

 


「日本の風土食探訪」 市川健夫 白水社 2003年発行

甲州名物ホウトウ料理

ホウトウは平安時代に伝えられた唐菓子の一種である。
小麦粉をこねて延ばし、方形に切ったものとされている。

ホウトウは甲州を代表する郷土料理になっている。
山梨県は県土の多くが山地であるため、稲作が乏しく、麦・粟・黍などがよく食べられてきた。
特に小麦粉を主な材料とするホウトウが主食になってきた。
「うまいものだよ、南瓜(かぼちゃ)のホウトウ」
ということばは、山梨県内のどこでも聞かれる。
南瓜に限らず、旬の野菜・山菜・きのこなどをふんだんに入れて煮込むことにある。

ホウトウのつくり方
小麦粉に少量の塩を加え、やや固めになる程度の水を入れて、手でよくこねる。
30分ほど寝かしてもう一度こねる。
のし板でのした後、ウドンより幅広く切って麺をつくる。
鍋にだし汁をとり、南瓜・にんじん・シイタケなどを入れて煮たてる。
麺が透き通るほど煮えたら、味噌で味付けし、ネギを入れて熱いうちに食べる。
ふうふう吹きながら食べるのはホウトウの醍醐味であるといえよう。

 

ホウトウに関する武田信玄の関与説があるのは、
甲州人の武田人気が高いことを意味している。
しかし、ホウトウの起源は古く、甲州においても古代からあったと思われる。

 

写真・2022.7.9

 

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