辻村深月 著
ちょっとゾクリとする短編集。
舞台はすぐそこにある日常。
普通の家族に起こること、起こりそうな事の中に潜んでいる恐怖が描かれていく。
しかし決して子ども騙しではない。
しっかりとした構成と文章でじっくり楽しませてくれる。
暮らしの中に潜んだタブーや言い伝えを上手に利用し、そこに狂気が加わって
ありえない出来事へとつながっていくのだ。
ただ起承転結を求めてしまうと苦しい作品もある。
たとえば「おとうさんしたいがあるよ」なんて、どこまでが主人公の頭の中なのか
現実なのか、幻なのか、わからないままに終了する。
その非日常感まで楽しめるとハマるのであるが、結局なに?という疑問でいっぱいに
なる人も多そうだ。
それから「ブランコをこぐ足」もちょっとその傾向があるかも。
個人的には「八月の天変地異」が好き。
少年たちの友情と嘘。それをなんとか現実にしようという焦り。
そんな心の動きと成長が、真夏の田舎を舞台にいきいきと描かれている。
なんともせつなく哀しい物語でもある。
そして「踊り場の花子さん」。
学校を舞台にしながらも、教育実習生を重要人物として扱うことで、
深刻な内容をとてもうまくまとめている。
悲惨で救いのない話なのだが、学校の七不思議をキーに謎がとけていく。
好みは分かれるだろうが当たり外れはあまりないなと思った。
ちょっとゾクリとする短編集。
舞台はすぐそこにある日常。
普通の家族に起こること、起こりそうな事の中に潜んでいる恐怖が描かれていく。
しかし決して子ども騙しではない。
しっかりとした構成と文章でじっくり楽しませてくれる。
暮らしの中に潜んだタブーや言い伝えを上手に利用し、そこに狂気が加わって
ありえない出来事へとつながっていくのだ。
ただ起承転結を求めてしまうと苦しい作品もある。
たとえば「おとうさんしたいがあるよ」なんて、どこまでが主人公の頭の中なのか
現実なのか、幻なのか、わからないままに終了する。
その非日常感まで楽しめるとハマるのであるが、結局なに?という疑問でいっぱいに
なる人も多そうだ。
それから「ブランコをこぐ足」もちょっとその傾向があるかも。
個人的には「八月の天変地異」が好き。
少年たちの友情と嘘。それをなんとか現実にしようという焦り。
そんな心の動きと成長が、真夏の田舎を舞台にいきいきと描かれている。
なんともせつなく哀しい物語でもある。
そして「踊り場の花子さん」。
学校を舞台にしながらも、教育実習生を重要人物として扱うことで、
深刻な内容をとてもうまくまとめている。
悲惨で救いのない話なのだが、学校の七不思議をキーに謎がとけていく。
好みは分かれるだろうが当たり外れはあまりないなと思った。