川崎草志 著
山の中の小さな集落で、人目を忍ぶように暮らす少年・柊一。
彼は誰にも行くことができない「青い所」へ行き、死者をふさわしい場所に送る
「ツゲサン」と呼ばれるものの後継者であり、両親亡きいま、たったひとりでその役目を
守っていた。閉鎖的な集落のなかでも嫌われがちな存在である柊一のもとに
民生委員を名乗る安曇が訪ねてきた。
そしてアジアから始まった新型インフルエンザが猛威を振るい始め、感染を逃れたと
思われた父と、弟とともに、沙織は母の故郷である集落へと帰ってきた。
なんのつながりもなさそうないくつかの出来事が、つながりもつれあいながら
形をなしていく。
そこには経済発展のために犯されてしまったタブーや、これからの人類が歩む道への
仮説までもが語られるのであるが。
やはり「青い所」の神秘性は何にもまさっている。
普段見ている光景のようでいて、青く寂しい不思議な場所。
おだやかで何の恐怖も感じないのに、そこにいるものには記憶がなく、
うかつに踏み込めば二度とは帰れない。
自由に行き来できるものは「ツゲサン」だけ。彼らでさえ何日も寝込むほどの
ダメージは避けられない。
人が進化していくときに、どんな方向に進むのか。それには危険が伴いはしまいか。
昔ながらのしきたりが、知らず知らずに大きな危険から人々を守っていた。
もう少し知りたい、突き詰めていきたいと思わせる。
逆にいえば、物足りない。
これはシリーズ的な作品なので、それもいいのかもしれない。
山の中の小さな集落で、人目を忍ぶように暮らす少年・柊一。
彼は誰にも行くことができない「青い所」へ行き、死者をふさわしい場所に送る
「ツゲサン」と呼ばれるものの後継者であり、両親亡きいま、たったひとりでその役目を
守っていた。閉鎖的な集落のなかでも嫌われがちな存在である柊一のもとに
民生委員を名乗る安曇が訪ねてきた。
そしてアジアから始まった新型インフルエンザが猛威を振るい始め、感染を逃れたと
思われた父と、弟とともに、沙織は母の故郷である集落へと帰ってきた。
なんのつながりもなさそうないくつかの出来事が、つながりもつれあいながら
形をなしていく。
そこには経済発展のために犯されてしまったタブーや、これからの人類が歩む道への
仮説までもが語られるのであるが。
やはり「青い所」の神秘性は何にもまさっている。
普段見ている光景のようでいて、青く寂しい不思議な場所。
おだやかで何の恐怖も感じないのに、そこにいるものには記憶がなく、
うかつに踏み込めば二度とは帰れない。
自由に行き来できるものは「ツゲサン」だけ。彼らでさえ何日も寝込むほどの
ダメージは避けられない。
人が進化していくときに、どんな方向に進むのか。それには危険が伴いはしまいか。
昔ながらのしきたりが、知らず知らずに大きな危険から人々を守っていた。
もう少し知りたい、突き詰めていきたいと思わせる。
逆にいえば、物足りない。
これはシリーズ的な作品なので、それもいいのかもしれない。