息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

2010-08-31 09:59:17 | 基本情報技術者受験
メディアファクトリー

ダ・ヴィンチ増刊号 日本初怪談専門誌


なぜか我が家には創刊号からすべてそろっている。

子供だましのような怪しげな印象ながら、かなり読み応えあり。

綾辻行人 京極夏彦 小野不由美とそうそうたる執筆陣の書き下ろしだ。





実はいまITパスポート試験受験準備のため、かなり読書量をセーブ中。

夜勤の職場で一冊、持ち歩く用に一冊。どちらも読了していない。

それなのに、それなのに、書店で「幽」を発見して購入してしまった……

問題集と一緒に。大丈夫なのか、自分。間に合うのか、はたして。

でも買っちゃったものは仕方ないので、家事の合間に、原稿書きのご褒美に

ちまちま一話ずつ読んでいる。


早く合格して開放されたい、でも自分で受験申し込みしちゃったんだけどね。


極北のおおかみ少女

2010-08-22 09:50:05 | 著者名 さ行
ジーン・クレイグヘッド・ジョージ

小学館少年少女世界の名作53巻

このシリーズはたくさんお話が載っていて、「一冊買ってあげるよ」といわれた

スペシャルデイに、お得な一冊としてチョイスしていた。

この巻は「ゆうれいの出る農場」「雨の森の冒険」そして「おおかみ…」なので、

母にとっては違和感があったようで、「え~?」という顔をされたのをよく覚えている。


エスキモーの少女ミヤックスが家庭の事情に翻弄され、一時的にツンドラを放浪する事態に陥る。

たまたまその年は小動物が少ない年にあたり、極限の飢えの中、おおかみに助けを求めて命をつなぐ。

エスキモーの生きる知恵を駆使し、おおかみの生態をよく知ってともに暮らすようすは、

さすがといえるものだが、その一面すでにアラスカは完全にアメリカナイズされており、

コカコーラもドラム缶も暖房もあたりまえの光景である。

そのどちらの世界をも軽やかに行き来しているミヤックス=ジュリーの姿は、

少数民族の悲哀よりもむしろ、すべてを柔軟に受け入れるたくましさを感じる。


「恐ろしさにつかまったら、やり方を変えてみるんだ
 どこかまちがったことをやっているものだからな」

ミヤックスがかつて父に言われた言葉で、一人ぼっちの放浪の日々を支えた鍵であるが、

これは小学生から今に至るまで、私自身の支えともなってきた。

あまりに心に残る本であったため、大人になってからオークションで探し、再度入手した。

現在は「狼とくらした少女ジュリー」として徳間書店から発売されている模様。


淋しいアメリカ人

2010-08-06 09:45:22 | 著者名 か行
桐島洋子

大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
著者の実質デビュー作でもある。

未婚の母として、新時代の女性として、さまざまな注目を集めた著者であるが、

実際は戦前の特権階級に育ったお嬢様だ。

だからこそ、奔放ともとれる行いも格好良く受け止められてきたのだと思う。

何回かインタビューでお会いしたことがあるが、照れ屋で早口で、自分に正直な

人という印象をもっている。ちょうど息子さん(ローランド)との同居が始まったころで

息子可愛さとか、新居への誇りとか、なんだか人間くさい部分が出ていて、

とてもうれしく思えた。

今となっては、この当時のアメリカに対する驚きは、すでにないかもしれない。

でもこの時代に体当たりでこのような文化を伝えていることは評価されるだろう。


残念に思うのは、この時代にすでにアメリカで確立されていた「未婚の母の家」が

いまだ日本には生まれる土壌すらないことだ。

望まれない妊娠を望まれる養子へとつなぐこと。

無知により妊娠にいたった少女たちに教育とやり直しのチャンスを与えること。

これらが可能な施設をつくることは、若ママ、シンママをあおるママ雑誌よりも先に

誕生すべきではないのか。児童虐待に対し厳しい対応をとることも含め、日本でも

課題にすべきではないかと思う。

遠いうた 伯爵夫人の七十五年

2010-08-04 09:15:16 | 著者名 た行

徳川元子 著

 

 

徳 は旧字の一本線が多いほう。

旧華族のエッセイは興味深い。

 まず、教養深く言葉が美しい。読むだけで心が洗われるようだ。

 明治、大正を生きている方なのに海外は身近にあり、

英語もフランス語も コミュニケーションツールだ。

 生まれも育ちもお姫様そのもので、究極の箱入り育ちでありながら、

案外たくましく、没落後も果敢に生き抜いている。