那谷敏郎 著
光があるところ、必ず闇がある。
人間が神の存在を知ったとき、同時に魔も生まれた。
中国、ヒンドゥー、イスラム、ヨーロッパ。
世界各地で信じられたきた「魔」を紹介し、分析し、その違いや
共通点を書いた、とても興味深い作品だ。
たとえば蛇がどのように捉えられるのか。
メソポタミアのギルガメッシュ伝説では、人間に禍をもたらすもの。
エジプトのパピルス文書では、聖性と祝福のあかし。
ギリシア神話では原初の宇宙。
やがてはそれがさらに神聖化され、ドラゴン、龍へと変化していく。
遠く離れた地でありながら、どこか共通点があるこれらの伝説は
蛇を見た昔の人の想いを考えさせる。
「魔」の紹介書のようであるが、実は「魔」を切り口にした異文化分析。
現在のように多くの人々が長距離を行き来するわけではないから、
狭い世界の中、口伝え、噂は生き生きと命をもっていた。
似たような「魔」でも土地のカラーははっきりしている。
そんな文化の違いを読み取るのも楽しい。
ヨーロッパからアジアまで網羅して整理したこういう本はあまりない。
ちょっと駆け足になっているのが惜しいが、闇の世界に興味があるなら
読んで損はない、と思う。
光があるところ、必ず闇がある。
人間が神の存在を知ったとき、同時に魔も生まれた。
中国、ヒンドゥー、イスラム、ヨーロッパ。
世界各地で信じられたきた「魔」を紹介し、分析し、その違いや
共通点を書いた、とても興味深い作品だ。
たとえば蛇がどのように捉えられるのか。
メソポタミアのギルガメッシュ伝説では、人間に禍をもたらすもの。
エジプトのパピルス文書では、聖性と祝福のあかし。
ギリシア神話では原初の宇宙。
やがてはそれがさらに神聖化され、ドラゴン、龍へと変化していく。
遠く離れた地でありながら、どこか共通点があるこれらの伝説は
蛇を見た昔の人の想いを考えさせる。
「魔」の紹介書のようであるが、実は「魔」を切り口にした異文化分析。
現在のように多くの人々が長距離を行き来するわけではないから、
狭い世界の中、口伝え、噂は生き生きと命をもっていた。
似たような「魔」でも土地のカラーははっきりしている。
そんな文化の違いを読み取るのも楽しい。
ヨーロッパからアジアまで網羅して整理したこういう本はあまりない。
ちょっと駆け足になっているのが惜しいが、闇の世界に興味があるなら
読んで損はない、と思う。