ハンス・クリスチャン・アンデルセン 著
アンデルセンの物語はとてもよく知られているようでいて、
実はマイナーなものも多い、と思う。
本が大好きな子どもだった頃、手当たり次第に読んだ童話は、
妙な記憶の断片となって、頭の中にばらまかれている。
未熟な分類・検索機能では処理しきれなかった情報なんだけど、
記憶容量だけは余裕があったので、とりあえず格納しておきました、的な。
そして何かの折にその断片がちらりと顔を覗かせて、「あれって何?」
「もう一回読みたいのにわからな~い」という欲求がわいてくるのだ。
このブログを書くようになって、過去に読んだ本を読み返したり、
整理したりする機会が増えた。
それとともにあちこちの断片たちがしかるべきところに収まってみたり、
つながってみたりもするようになった。
この断片たちの特徴は、そのときの私にとってちょっと遠い存在であったということ。
知らない食べ物、欧風の暮らし、聞きなれない植物の名前、たくさんの雪と氷。
頭に浮かぶ映像はそのときの私の最大限の想像力から生まれたものだ。
これは継母によって白鳥に姿を変えられた11人の王子と、兄たちを救いたいと
願った王女エリサの物語だ。
王女の姿を汚すために使われたくるみの汁。澄んだ湖。網に包まれた空の旅。
兄たちのためにとげのあるイラクサで糸を紡ぎ、帷子を編む王女。
イラクサが生える暗い墓地。
それもこれも鮮やかに心に残っている言葉、そして心に浮かぶ絵。
話自体はよくありそうなものだけれど、こんな背景と言葉によって、
美しい北の国のイメージとなった。
そして、これを書こうと思い出すまで、私はこれがアンデルセンであることを
忘れていたのだ。
アンデルセンの物語はとてもよく知られているようでいて、
実はマイナーなものも多い、と思う。
本が大好きな子どもだった頃、手当たり次第に読んだ童話は、
妙な記憶の断片となって、頭の中にばらまかれている。
未熟な分類・検索機能では処理しきれなかった情報なんだけど、
記憶容量だけは余裕があったので、とりあえず格納しておきました、的な。
そして何かの折にその断片がちらりと顔を覗かせて、「あれって何?」
「もう一回読みたいのにわからな~い」という欲求がわいてくるのだ。
このブログを書くようになって、過去に読んだ本を読み返したり、
整理したりする機会が増えた。
それとともにあちこちの断片たちがしかるべきところに収まってみたり、
つながってみたりもするようになった。
この断片たちの特徴は、そのときの私にとってちょっと遠い存在であったということ。
知らない食べ物、欧風の暮らし、聞きなれない植物の名前、たくさんの雪と氷。
頭に浮かぶ映像はそのときの私の最大限の想像力から生まれたものだ。
これは継母によって白鳥に姿を変えられた11人の王子と、兄たちを救いたいと
願った王女エリサの物語だ。
王女の姿を汚すために使われたくるみの汁。澄んだ湖。網に包まれた空の旅。
兄たちのためにとげのあるイラクサで糸を紡ぎ、帷子を編む王女。
イラクサが生える暗い墓地。
それもこれも鮮やかに心に残っている言葉、そして心に浮かぶ絵。
話自体はよくありそうなものだけれど、こんな背景と言葉によって、
美しい北の国のイメージとなった。
そして、これを書こうと思い出すまで、私はこれがアンデルセンであることを
忘れていたのだ。