宮部みゆき 著
江戸怪奇譚連作集「三島屋変調百物語」第2弾。
わけあって三島屋に預けられているおちかが、噂を聞きつけて集まる人々から聞き取る
不思議な話。
それはとてつもなく怪しかったり、あるわけがない出来事に思えたりするのだが、
おちかがじっくりと聞いたあとには、違う顔が見えてくる。
てがかりも何もなく、八方塞がりだったものが、話しながらに少しずつ別の角度が見え、
整理されてくるのだ。
そこにあるのはわけのわからないものではない。ちゃんと人の想いであったり、
哀しみであったり、願いであったりする。
江戸の商家のいきいきとした毎日の様子は、おちかの働き振りもあいまって、
忙しさまでが楽しげに見える。
町のそこここにある手習い所やお社、子どもたちが駆ける裏道や隠れる天水桶。
そして商家とはちょっと違う武家の暮らし。
丁寧な描写は江戸の町をくっきりと浮かび上がらせて、あやかしとの対比が生まれる。
こういうところがちゃんとしているから、宮部作品は楽しいのだ。
第2弾ではより大人向けというか、心の奥の奥に潜む感情をゆさぶる話になっている。
ちょっとせつなく、それでいてほっとできる物語だ。
江戸怪奇譚連作集「三島屋変調百物語」第2弾。
わけあって三島屋に預けられているおちかが、噂を聞きつけて集まる人々から聞き取る
不思議な話。
それはとてつもなく怪しかったり、あるわけがない出来事に思えたりするのだが、
おちかがじっくりと聞いたあとには、違う顔が見えてくる。
てがかりも何もなく、八方塞がりだったものが、話しながらに少しずつ別の角度が見え、
整理されてくるのだ。
そこにあるのはわけのわからないものではない。ちゃんと人の想いであったり、
哀しみであったり、願いであったりする。
江戸の商家のいきいきとした毎日の様子は、おちかの働き振りもあいまって、
忙しさまでが楽しげに見える。
町のそこここにある手習い所やお社、子どもたちが駆ける裏道や隠れる天水桶。
そして商家とはちょっと違う武家の暮らし。
丁寧な描写は江戸の町をくっきりと浮かび上がらせて、あやかしとの対比が生まれる。
こういうところがちゃんとしているから、宮部作品は楽しいのだ。
第2弾ではより大人向けというか、心の奥の奥に潜む感情をゆさぶる話になっている。
ちょっとせつなく、それでいてほっとできる物語だ。