シャルル・ペロー 著
ペローといえばやっぱりこれをはずせない。
遺産としてもらった一匹の猫が幸運をもたらすのだが、
ユーモアも皮肉も効いていて、大人にも楽しい。
というか、子供向けの物語のおくぶかさにとりこになっている。
勧善懲悪、正直に生きなさい、という大義名分を物語化して、
擬人化された動物たちが活躍する、という曖昧な記憶にまとめられていたのだが、
じっくり読み返すととんでもない。
そこには民衆の暮らしとか、貧しさを笑い飛ばすたくましさとか、
国を治める難しさとか、高い身分への憧れとか、支配者階級への皮肉とか、
たくさんのものが詰め込まれ、口伝えされ、歌われてきているのだ。
動物だって、そこらにいるものを可愛いから擬人化しているのではない。
選ばれた理由があり、歴史的民俗学的背景がある。
そして動物の姿で語ることによって、特定のものへの非難をすることが可能となり、
言い訳が立つということにもなる。
世界中に似たりよったりの話があるというのも、人間が作り出すものの共通点と
して興味深い。
本書も、ちょっとわらしべ長者のエッセンスを感じる。
ところで“長靴”つまりブーツは、当時のヨーロッパでは貴族のあかし。
そう、だからこそ、猫が道々「ここはカラバ公爵の土地だといえ」と命じると、
農民たちはそう言ったわけだ。
猫はそれを承知のうえで、「長靴をくれ」といったのだ。
そんなこんなは知らないままに読んでいた昔。それでも面白かったけれど、
わかるともっと面白い。
ペローといえばやっぱりこれをはずせない。
遺産としてもらった一匹の猫が幸運をもたらすのだが、
ユーモアも皮肉も効いていて、大人にも楽しい。
というか、子供向けの物語のおくぶかさにとりこになっている。
勧善懲悪、正直に生きなさい、という大義名分を物語化して、
擬人化された動物たちが活躍する、という曖昧な記憶にまとめられていたのだが、
じっくり読み返すととんでもない。
そこには民衆の暮らしとか、貧しさを笑い飛ばすたくましさとか、
国を治める難しさとか、高い身分への憧れとか、支配者階級への皮肉とか、
たくさんのものが詰め込まれ、口伝えされ、歌われてきているのだ。
動物だって、そこらにいるものを可愛いから擬人化しているのではない。
選ばれた理由があり、歴史的民俗学的背景がある。
そして動物の姿で語ることによって、特定のものへの非難をすることが可能となり、
言い訳が立つということにもなる。
世界中に似たりよったりの話があるというのも、人間が作り出すものの共通点と
して興味深い。
本書も、ちょっとわらしべ長者のエッセンスを感じる。
ところで“長靴”つまりブーツは、当時のヨーロッパでは貴族のあかし。
そう、だからこそ、猫が道々「ここはカラバ公爵の土地だといえ」と命じると、
農民たちはそう言ったわけだ。
猫はそれを承知のうえで、「長靴をくれ」といったのだ。
そんなこんなは知らないままに読んでいた昔。それでも面白かったけれど、
わかるともっと面白い。