三浦しをん 著
勉強は苦手。かといってやりたいこともない。
とりあえず入った高校の卒業は確定したものの、その先はまあフリーターでいいか。
というそこらへんにいそうな主人公・勇気。
両親と担任の陰謀で送り込まれたのは神去村。
なんと彼は林業の研修生となったのだ。
どうなることかと思いきや、意外に根性がある勇気。
脱走すら実現しそうにない山奥で、マイペースな林業の天才・ヨキや
山の持ち主であり中村林業の社長清一に助けられながら成長していく。
誠一の息子であり、地域でたったひとりの子供である山太のかわいさや、
繁ばあちゃんの独特の存在感、村人たちとの交流もいい。
若者が皆無の土地で、奇跡のように出会った女性・直紀へのほのかな恋心も
芽生える。
厳しい現場のようすは、自然の魅力と怖さを突きつけられる。
そして山を守るということの厳しさや、林業を維持していくことの難しさも。
現在手入れの余裕もなくほっておかれる山は膨大な数になる。
それは空恐ろしい状況といえる。
そ、そ、そ、そういえば、実家にもわずかながら山林があったはず。
あれっていったいどうなっているのだ? 小さい時に行ったきりでいまや
場所も境界もまったくわかりませんが。
地方ならではの排他性やそれに傷つく勇気の姿もリアルだ。
研究生を受け入れて養成したにもかかわらず、あっさりと去られた人のむなしさも
語られる。
地元の大切な祭りに彼を参加させるか否かは問題となるが、
勇気は自分の真摯な働きをもって住民を納得させる。構えるでもなくかろやかに。
頼りなく、せいぜい真面目なのはバイトだけっていう高校生が、仕事の厳しさと
楽しさ、親のありがたみ、それでいてもう自分の居場所は神去だという自覚を
得ていく過程はとても面白い。
そして何よりも木の香りが漂うような自然の描写が素晴らしい。
勉強は苦手。かといってやりたいこともない。
とりあえず入った高校の卒業は確定したものの、その先はまあフリーターでいいか。
というそこらへんにいそうな主人公・勇気。
両親と担任の陰謀で送り込まれたのは神去村。
なんと彼は林業の研修生となったのだ。
どうなることかと思いきや、意外に根性がある勇気。
脱走すら実現しそうにない山奥で、マイペースな林業の天才・ヨキや
山の持ち主であり中村林業の社長清一に助けられながら成長していく。
誠一の息子であり、地域でたったひとりの子供である山太のかわいさや、
繁ばあちゃんの独特の存在感、村人たちとの交流もいい。
若者が皆無の土地で、奇跡のように出会った女性・直紀へのほのかな恋心も
芽生える。
厳しい現場のようすは、自然の魅力と怖さを突きつけられる。
そして山を守るということの厳しさや、林業を維持していくことの難しさも。
現在手入れの余裕もなくほっておかれる山は膨大な数になる。
それは空恐ろしい状況といえる。
そ、そ、そ、そういえば、実家にもわずかながら山林があったはず。
あれっていったいどうなっているのだ? 小さい時に行ったきりでいまや
場所も境界もまったくわかりませんが。
地方ならではの排他性やそれに傷つく勇気の姿もリアルだ。
研究生を受け入れて養成したにもかかわらず、あっさりと去られた人のむなしさも
語られる。
地元の大切な祭りに彼を参加させるか否かは問題となるが、
勇気は自分の真摯な働きをもって住民を納得させる。構えるでもなくかろやかに。
頼りなく、せいぜい真面目なのはバイトだけっていう高校生が、仕事の厳しさと
楽しさ、親のありがたみ、それでいてもう自分の居場所は神去だという自覚を
得ていく過程はとても面白い。
そして何よりも木の香りが漂うような自然の描写が素晴らしい。