荒俣宏 著
膨大な知識とわかりやすい解説。
さすがアラマタ!な一冊だ。
ただ『帝都物語』みたいな小説ではなく、民俗学者として研究したルポの
形になっている。
ひところのブームは過ぎ去ったようだが、スピリチュアルはみんな大好き。
古代からまつりごとをも牛耳り、人々に多大な影響を与えてきた陰陽師。
平安を舞台にした物語が有名だが、それから陰陽師はどうなったのか?
陰陽師は公的に重用されたこともあるが、そればかりではない。
多くの民間陰陽師が存在し、有名な土御門家は中央にあってそれを取りまとめる役であった。
時代が進むにつれ、芸能を生業とする民をも束ねるようになる。
いわば土地に根付かない自由なものたちの集まりが土御門のもとにまとまっていたのだ。
今も高知には「いざなぎ流」という独特の陰陽師が残っている。
おそらく日本各地にこのような流派があったのだろうが、明治の神仏分離、神道の統一などで
次々と姿を消したようだ。
闇と影が失われた現代に、この独特の文化が生き残ることは難しい。
近い将来、滅びる運命にあるのかと思うと哀しいが、支えるだけ、守るだけでも大変なものを
一部の人に強制するわけにもいかない。
安倍清明は祭祀のほかに、天文・語学・生物・数学などあらゆる学問に通じていたという。
いざなぎ流でも「頭がよくないと大夫にはなれない」と言われている。
大夫とは、民間の陰陽師のことだ。
この知恵と知識を武器に人の心をとらえていたのだろう。
余談になるが、いざなぎ流の御幣の美しさにはびっくり。
モノクロの小さな写真でも魅力を放つ。
この切り方をマスターするのも大夫の勉強のひとつとか。
手先の器用さも大夫の素養のうちなのだろうか。
膨大な知識とわかりやすい解説。
さすがアラマタ!な一冊だ。
ただ『帝都物語』みたいな小説ではなく、民俗学者として研究したルポの
形になっている。
ひところのブームは過ぎ去ったようだが、スピリチュアルはみんな大好き。
古代からまつりごとをも牛耳り、人々に多大な影響を与えてきた陰陽師。
平安を舞台にした物語が有名だが、それから陰陽師はどうなったのか?
陰陽師は公的に重用されたこともあるが、そればかりではない。
多くの民間陰陽師が存在し、有名な土御門家は中央にあってそれを取りまとめる役であった。
時代が進むにつれ、芸能を生業とする民をも束ねるようになる。
いわば土地に根付かない自由なものたちの集まりが土御門のもとにまとまっていたのだ。
今も高知には「いざなぎ流」という独特の陰陽師が残っている。
おそらく日本各地にこのような流派があったのだろうが、明治の神仏分離、神道の統一などで
次々と姿を消したようだ。
闇と影が失われた現代に、この独特の文化が生き残ることは難しい。
近い将来、滅びる運命にあるのかと思うと哀しいが、支えるだけ、守るだけでも大変なものを
一部の人に強制するわけにもいかない。
安倍清明は祭祀のほかに、天文・語学・生物・数学などあらゆる学問に通じていたという。
いざなぎ流でも「頭がよくないと大夫にはなれない」と言われている。
大夫とは、民間の陰陽師のことだ。
この知恵と知識を武器に人の心をとらえていたのだろう。
余談になるが、いざなぎ流の御幣の美しさにはびっくり。
モノクロの小さな写真でも魅力を放つ。
この切り方をマスターするのも大夫の勉強のひとつとか。
手先の器用さも大夫の素養のうちなのだろうか。