息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

プリズン・ガール

2017-02-24 18:14:14 | 著者名 あ行
有村朋美 著

チャラチャラした女の子がアメリカ遊学でドラッグにでも手を出して、という予想をいい意味で裏切ったなかなかの作品だった。
確かにチャラ…くらいはあるけど、親の金で遊学…でもあるけど、ドラッグがらみだけど…でもなんか違う。それってやっぱり著者の賢さなんだろう。
逮捕のきっかけをつくった彼のことも、好きだったのに騙された…ということ以上に、ロシアンマフィアと知っていて付き合った自分を省み、ポリシーとして司法取引に応じないことを決めている。刑務所の暮らしでは自分なりの居場所や役割を探し、外では思いがけないくらい長く感じる日々を何とか乗り切っている。日本人としては信じられないくらいトンデモぞろいの受刑者たちに対しても、それぞれ良いところを見つけコミュニケーションをとったり、摩擦を避けてやり過ごしたりしている。
なんていうか、人間力とか基礎的な教養とか、そんなものまで問われちゃうのかもしれない。その反面、お上品な人なら死んでしまいそうな劣悪な環境のなか生き抜くずぶとさも必要だし。
何よりオフィサーたちのいい加減さにはびっくり。これは日本で刑に服している外国人はものすごいカルチャーショックを受けているのではないだろうか。

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