息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

また書きたくなりました

2016-05-11 16:00:34 | 書籍・雑誌
あっという間に一年以上。
何度か開いてみては、やっぱり書けなくてやめてみた日々。
なんだか忙しかったなあ、それなのに何もしていないし。

ふと読み返した本のことを、どう書いていたんだっけと思ったことをきっかけに、
こんな風にまとめてみるのもいいなあと再認識しました。

誰も読んでいないかもしれないし、このままどこかに消えてしまうものだろうけど、
それでも文章という形にまとめること、公開するものという意識をもつことは
悪くないんじゃないかなあと。

自分自身を振り返るとか、未来を見るとかはまだ怖すぎてできないけれど、
整理していくことからなら始められそうです。

願わくは

2015-04-10 11:27:26 | 書籍・雑誌
花の下にて春死なむ

西行の大好きな歌であるが。

妹が亡くなった。
3月3日雛祭りの朝だった。花には少しばかり早かった。
病がわかったときはもう余命が宣告されて、本人も家族も理解したうえでの終わりだった。
むしろ

ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを

業平の歌に思いは近い。

終わりに近いときまで、自分で動き話すことができたから、
少しずつ弱りながらも、きちんと準備を進めていた。
夫に語るべきこと、娘に伝えるべきこと、仕事の始末、家のこと。
ある意味うらやましいような、私にとっては理想の終わり方だった。

それでも喪失感は大きい。

そしてともに負ってきた生家への複雑な想いを、こんどは一人で負うのかという
不安感も大きい。とても自分勝手なのはわかっているが。

たったこれだけのことを書くのにひと月かかった。
本は読んでいる。むしろ逃げ場になっている。
でもあまりにも重いもの、心に響きすぎるものは読めない。
ここ何年か、心理的な事情から映画やドラマにそんな傾向があったのだが、
妹の死をきっかけに本もそうなってしまった。
いろいろやるべきことはある。
やりたいと思う。
でも踏み出せないでいる。
もう少し時間が必要な気がする。甘いけれど。

手みやげをひとつ 洋の巻

2014-12-17 15:35:54 | 書籍・雑誌
マガジンハウス 編

贈り物のシーズンだ。
いつも百貨店のネットショップを利用しているものの、
どうしてもそれではありきたりだなあという想いがある。

ちょっと勉強してみようかなと手に取った一冊。
雑誌「クロワッサン」の人気連載記事がまとめられたものだ。
48人の著名人が、それぞれのおすすめの品を紹介している。

庶民的なものがあったり、とてもゴージャスなものがあったり、
ただ見るだけでもとても楽しい。
食べたことがあるものに出会ったりすると、なんだかうれしい。
これは「洋の巻」であるから、洋菓子などが主体だが、
「和の巻」もあって、こちらも楽しそう。

ただし、読んでいると非常におなかがすく。
夜中は厳禁だな。
で、結局お歳暮はまったく関係ないものになりました。

パニック障害と言われたら

2014-12-13 15:30:15 | 書籍・雑誌
NPO法人「全国パニック障害の会」 著

あるんだよね。パニック障害。
現在とても多いらしく、知人にも複数のパニック障害もちがいる。

本書はたくさんの患者からの回答をもとにつくられており、
ある意味生々しい記録となっている。
治療法もさまざまにあるけれど、合う人合わない人があり、
劇的に治る人がいれば、まったく効果が見られない人もいる。
そんな事実はある意味残酷だけれども、ほっとする面もある。

印象的だったのが、実親には言っていない、という人が多いこと。
そうだよねえ。まあそこには深いものがいろいろありそうだ。
いったいいつになったらどうにかなるんだか、ならないんだか、
とてつもない焦りとかいらだちに見舞われることも多々ある。
もっとバリバリ働けるはずなのに、とか、このままでは世間から
切り離されてしまう、とか、鬱まっしぐらの時もある。

今まがりなりにも仕事に行けて、それなのに無理に通勤電車に乗る必要がなく、
もともと旅行もそんなに好きではなく、人に会わないことにも苦痛を感じない
タイプなので、そんなこんなの感情を「まあ、いいか」でねじ伏せている。
もちろん薬も頑張ってくれている。
何年かかるんだかなあ。その頃は一人ぼっちかもなあ、と思わないでもないが、
こんなに仲間がいるんだから、と励まされた。

世田谷農家に教えてもらう本当においしい野菜の食べ方

2014-10-26 09:43:45 | 書籍・雑誌
マガジンハウス編

東京都世田谷区というのは器が大きい。
いかにも東京というイメージの都会的な場所もあれば、広大なキャンパスをもつ学園もあり、
にぎやかな商店街があれば、懐かしい団地もあり、桜並木が美しい高級住宅街もある。
花咲く丘があり、豊かな川の流れがあり、小さな森もある。
そしてもちろん畑もある。
実は代々農家だったりするわけだ。

農地は決して広くないし、すぐそばに住宅が迫っていたりするので、
耕作にはさまざまな工夫をしている農家が多い。
まだ一般的ではない珍しい野菜があったり、少量ずつ時期をずらして育て、
収穫の時期を調整したり。少量のパッケージを開発したり。
そんな12の農家を訪問して書かれたのが本書である。

そしてとれたての野菜をシンプルに食べるためのレシピが豊富に紹介されている。
ちょっと意外な食べ方もあって非常に楽しい。
なによりも簡単なのがいい。
そのまま真似をしなくても、ああこの野菜にはこんな顔もある、と気づくだけで
料理の幅が広がりそうな一冊だ。