民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Day.2381 げたゲタ下駄^0^

2013-08-05 21:51:51 | 民謡夜話
その昔、下駄と草履ではどちらが格上だったか?。
当然「草履」という答えが来る。
しかしそれは近代に近い認識である。

将軍様やチャンバラの主役が下駄ばきと言う事には無理がある。
逆に言うと草鞋(わらじ)から草履になり、その草履も立派になっていく過程の初期だと思えば良い。
キョウコノゴロではン十万の草履は有ってもそんなに高い下駄は・・・おそらくない。
仙人の一帳羅草履でさえ4~5万はした
大切にして、大勢の出入りする舞台では履かない

数ある郡上節の一つに「げんげんばらばら」と言うのがある。
その歌に興味を示す人は少ない。
この歌に限って伴奏は太鼓だけだ。
今一曲は「まつさか」・・・この歌には太鼓さえつかず、所謂「素唄=すうた」
古来の形で伴奏が付く以前の形を今にしていると思える。
また、この歌が出ると「ハイおしまい!」の告知である。

*****げんげんばらばらの一節*****
ハァ~十四の春から通わせ居いて 今更嫌とは何事じゃ
東が切りょが夜が明けようが お寺の坊さん鐘つこうが
向かいのでっちが庭はこが となりのばあさん火を焚こが
枕屏風に陽はさそが 家から親達ゃ連れにこが
其のわけ聞かねばいのきゃせぬ  ハ、イヤマカサッサイ ヤットコセ

写真は5.000円で購入・・・「負けへんなぁ~」と言う奴だ。
桐下駄と言えども安いものは中国産の桐が主流・・・桐箱なども。
いわく「山桐」と言う事で誠に軽い・・・目も通っている。
充分に値打ちはあるがそこはソレ、値切るのも愛嬌のナニワノオジサン

郡上節を草履で踊る人はいない。
下駄を鳴らすのが趣でもあるからだ。
その意味で無伴奏の「松坂」は下駄の音と手拍子をうっとりと聞いた。
聞いたと言うのは思わず目をつむったからである。

多少の誇張は有るだろうが「一晩で下駄を履きつぶす」と言うのも郡上節のエピソードである。
若い衆の下駄に金物=かなものを打ったような音を聞いた。
どうなんだろう・・・自然の木の音が弱くとも大勢の音が重なった時
何とも言えぬ風情が生まれる様な気がするが・・・仙人の独りよがりだろうか。

下駄一足を買ってそんな事を思った。
これで当分は下駄を楽しめる。
コメント (2)
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